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母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
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Posted by ブクログ
不条理とは理屈の通らない不運、不幸。それは幸せとは真反対の現象である……そんな考えが覆される小説だった。 人間は生まれてから死ぬまで等しく不条理の支配する世界で生きている。それはある意味で平等な幸せなのではないか?ムルソーの顛末を読み、そんな思いを抱いた。 ムルソーは罪人なのか。殺人を犯した罪はある...続きを読む。だが、死刑を受けるほどの罪人ではない。善良で平凡な男だ。では何故、死刑判決を受けたのか?彼が自分自身、そして他者に真摯で誠実だったからだ。 母の死に涙を流さず、悲しむ振りもせず、神を信じないと言う。アラビア人を殺した理由は「太陽のせい」。 ムルソー以外の人間はどうか?皆、大なり小なりの嘘をつく。演技をする。それこそが人間の義務であるとでもいうように。 ムルソーはそれを良しとせず、抗った。彼はただ彼のままで生きていただけなのだ。司祭に怒りをぶつけるシーンには、爽快感すら覚えた。ムルソーに拍手したい気持ちにもなった。 無神論者のムルソーがたびたび聖書やギリシャ神話のモチーフを出すのも、皮肉が効いていて面白い。 太陽=太陽神(アポロンは他の神を矢で射殺している) 四つの銃声=聖書、四つの福音書 「自分は神を信じていないけど、君たちは信じているんだろう?」というムルソーの声が聞こえてきそうだ。 死刑になり、自分の人生やこれからやってくる死を思ってムルソーは悟ったのだ。この世は不条理で、不幸は突然やって来る。だが、同時に世界の無関心は優しさと幸福だった、と。 太陽が照りつける眩しい地が舞台なのに、常に死の気配が付き纏う。夏になったらこの小説をもう一度読んでみたい、と思った。
文章表現は少し難しかったが、ここまで人生観を考えされられる作品を初めて読んだ。日本の集団主義的な文化や昨今のSNS普及により同調圧力がより高まっていると感じる。 田舎のような閉塞的なコミュニティでは、「正解」は周囲が決めるものだったが、大学時代から都市部での生活に変わり、良い意味で他人の関与がなく...続きを読むなり、自身の価値観で成り立つようになった。今まで気づかなかっただけで、不条理を感じていたのかもしれない… これから豊かな人生を送るために、 自身の本音に従って正直に生きたいと思った。
「Il faut imaginer Sisyphe heureux」と彼が「シーシュポスの神話」にて述べたように、世界の捉え方は一切、その捉える主体であるその個人の意思によって定められるのだと自身は感じるのである。死という有限、別れ。それら事情に涙が付随するのはそこに我々主体が悲しみをもたらす意味を...続きを読む付随するからであり、その付随する行為は無意識的に思われるようで極めて能動的な営みなのかもしれない。すなわち彼が「慣れ」という言葉を多用するように、世界に溢れる制約=不条理は決してその事象そのものが不条理たるわけではなく、むしろ不条理と捉える我々主体の上に成り立つ概念であり、したがって慣れてしまえば、その不条理は不条理と感じられなくなる。といってもそれはあくまで不条理でないと自身を信じさせているに過ぎぬとの見方もできるがゆえに、それを不条理でないと信じ続ける営みは必要になる可能性はあるであろう。自由意志という言葉を自身が深く理解できていないためその使用は憚られるものの、やはり自分の意思で世界を捉える意味づけをなすその行為こそが自身の生命に煌めきを与えると信じているし、そのような営みを自身の生命活動を通じて継続していきたいものだ。それは自身の終焉である死に対しても同様であり、死という有限こそも自身で意味付けをなしむしろ能動的にその終焉を設計する営みこそおそらく自身の生命の煌めきを最大化するのであろうと感じるのである。
君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自信がない。私はといえば、両手はからっぽのようだ。しかし、私は自信を持っている。自分について、すべてについて、君より強く、また、私の人生について、来たるべきあの死について。そうだ、私にはこれだけしかない。しかし、少なくとも、この...続きを読む真理が私を捕えていると同じだけ、私はこの真理をしっかり捕えている。
匿名
カミュの代表作を読めて良かった。ムルソーと同じことがいつ誰に起こるか分からないことを改めて思い知った。
高校生の時の課題図書。当時は全く良さがわからなかったので、いつか再読してみたいと思っていたら高校生の息子が課題図書として持っていたので再読。 当時意味のわからなかった主人公。日々の安らかな生活や欲望に忠実な人間らしさを備えている普通の人間にもかかわらず、母の死に対する悲しみや人への興味や愛情を対外...続きを読む的に示さなかっただけで、偶然の正当防衛とも言える殺人に対しても極刑をうけてしまう。誰しもが自分の感情や欲求を素直に現して生きることは難しく、人の目線や評判を気にして自己を曲げている中で、誰よりも自分に正直な主人公が裁かれることは、我々がいかに不条理な世界に生きているかを痛感させてくれる。SNSが盛んな現代にも通じるテーマ。 終盤の、死に臨んでそれを受け入れる主人公の悟りはすごいものがあります。
主人公にはある種の魅力があるが、現実的な結果に目を向ける大切さを学んだ。主人公を通して自分を客観視できた。〈矛盾〉の中に生きる〈実直〉な主人公が描かれる。
母の死にも動じず社会の常識に無関心な青年ムルソーは、ある日アラビア人を射殺する。裁判で問われたのは犯行理由ではなく、母の葬儀での冷淡さなど「人間性の欠如」だった。世間の理不尽な論理で死刑宣告を受けた彼は世界の不条理を受け入れ、最期を迎える。 ムルソーは建前や嘘を嫌い自分に正直に生きる一方で、他者...続きを読むの痛みに無関心な冷酷さゆえの孤独や、社会の枠組みを無視することによる制裁を突きつけられます。彼の生き様が孕む矛盾を通して、社会に調和しながらも自分らしく生きることの難しさを問われる一冊でした。
特に何の違和感もなく淡々と読み進めてしまいましたが、それは母の死よりコーヒーが美味しいことに関心が向いてしまうこと、その後女性と海水浴など楽しんでしまうこと、など普通の人であれば違和感を持つことに違和感を持てない、私もまた異邦人側の人間だからだと気付きました。。
読みづらさは感じなかった。 ペストは挫折しちゃったけど。 怖かった。自分の考えが人と違って、誰もそれを聞いてくれなくてどんどん先に進んでいっちゃって。 比喩的表現とか根本的なテーマとかは全く分からないけど、単純に面白かった。 人として生きていくには、人にならないとダメなんだ。 人のフリをしていな...続きを読むいと。 そうじゃない人は異邦人として扱われ、阻害されちゃうのかな。多分そうだと思う。 けど、ある程度集団でやっていくには仕方ないって思う。 私も親が死んだ翌日映画を見れちゃう気がするけど、私は人をするのが上手いと思う。
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異邦人(新潮文庫)
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カミュ
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