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母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
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Posted by ブクログ
これが「異邦人」か。ムルソーが不条理な人物なのだろうか、不条理な男が不条理な殺人を犯した話なのだろうか。生まれたら死ぬのが宿命だ、それを人為的に行うのが不条理なのだろうか。 44歳でノーベル文学賞を受け、当時活躍中のサルトルと並んでさまざまな見地から評される作品を書いた。 「実存主義に沿った作品かそ...続きを読むうでないのか」当時、難しいサルトルの哲学をあてはめてよいやら悪いやら、という風潮もなかったとは言えないが、カミュとして、彼の作品はそういったサルトルの思想とは関係ないと断じている。 裁判に入り、ムルソーに対する裁判長の言葉はあながち間違っているわけではない。冒頭の「きょう、ママンが死んだ」にしても、母親がなくなっても悲しみもなく、年齢も知らず、柩を開けて顔を見るでもなく煙草を吸っていた。次の日友達の友達が持っている海岸の別荘に行き、真夏の海で泳ぎ、酒を飲み、女を抱き、砂浜でアラビア人ともめ、いったん引き挙げた後、戻ってまず一発、続いて四発の弾を撃って殺した。検事もそう述べた。 結果はそうであってもポケットに拳銃を入れたのは友人で、銃を持つことに他意はなかった。引き返したのではなくて海岸を歩いていて石の陰で寝ていたアラビア人を見つけた、近づくとナイフで襲って来た。暑かった、汗が瞼の上から流れてきた。アラビア人のナイフに太陽が反射して光った。 ムルソーはその時を回想しても、ただその時の暑さと、すべてがゆらゆらして沈黙が破れたことだけが思い返される。 拳銃の音は不幸の扉をたたいた四つの短い音にも似ていたとも。 その風景は裁判では伝わらなかった、弁護人は正しく弁護したにもかかわらず。彼の日常は平凡とは言えないと裁判所は判断した。彼に身近な人たちの証言も、彼の堅実な勤めぶりも聞き流された。パリ支店への昇格を断ったことの方が不審がられていたし、母親を養老院に入れて一度も会いに行ってなかったことも周りからあまりよく思われていなかった。 あとがきから のちの作品『裏と表』で「彼らは五人で暮らしていた。祖母と、下の息子と、上の娘、その娘の二人の子供である。息子は啞に近く、娘は病身で何も考えることができなかった。ふたりの子供のうち一人は、既に保険会社で働いており、二番目のは学業を続けていた。七十になってはいたが、祖母はまだこの一家を支配していた。」とカミュは自身の家族を書いている。 しかしカミュ一家は慎み深く暮らし、彼は窮乏の中にいてもアフリカの海と太陽の光を受けて自然の中で成長した。幼い頃から優秀だった。 恩師にも恵まれ教育を受けることができた。 「異邦人」の主人公ムルソーはなぜか律儀な暮らしの背後にどこか説明のつかない現実との距離感がある。カミュはこんな主人公をなぜ作りだしたのだろう。 裁判の最中でもあまりの審理の長さに退屈して、アイスクリーム売りのラッパの音から、外の世界を思ったり、早く房に帰りたいなどと考えている。 ムルソーは上訴を棄却する、「人は死ぬ。三十歳で死のうが七十歳で死のうが、大した違いはない。いつであろうと死ぬのは私だ。死ぬときのことを、いつとか、いかにしてというのは意味がない。それは明白なことだ。 司祭の話にしても興味がない。 助けてもらいたくなかったし、また私に興味のないことに興味を持つというような時間がなかった。」と考えている。 最後に書かれている司祭とムルソーの問答でも、理解されないもどかしさにムルソーが怒り、憤怒の言葉を吐き続ける。 そして死んでしまったけれど、かえって生き返ったようなママンの生涯を思う。 人は環境に育てられる部分が多い。 彼は自由に生きたと思っていたようだが、あるいはカミュの育った究極の貧困を抱えた歪な家族の中で得ていた自由は、心の奥底には、自分のいる場所が現実と乖離するような部分を持つ、今でいうコミュニティー障害の種を抱えていたのではないだろうか。 カミュとムルソーを重ねてはいけないだろうが。 第二部の最終部分、彼は解き放たれた、多くの群衆の憎悪の中で生きて死ぬという、人の持つ宿命との連帯感が幸せだったのか。読み終えて何かもの悲しい不幸な作品だと感じた。
最近、太陽の光が思考を狂わせる国に引っ越したので、「太陽の国で異邦人になった今こそ、カミュの異邦人を読むべきでは?」と思い読み始めた。 主人公の 「太陽が暑かったから」。 わかるぞ。アルジェリアは行ったことはないけど、大学生の時隣のチュニジアに行ってアルジェリアとの国境まで行ってみたことがある。...続きを読む 暑すぎておかしくなりそうだった。 海が美しかった。 不条理文学の主人公の敵はやはり神父さんなんでしょうか。 このメタ的な展開はもしかしてこの小説が始めたの?
匿名
カミュの代表作を読めて良かった。ムルソーと同じことがいつ誰に起こるか分からないことを改めて思い知った。
読み出してすぐに不安定さを感じる。それは別に冒頭でママンが亡くなったことから話が始まるからではなく、その周辺を淡々と描写していくムルソーの一人称がそう思わせたんだと思う。判決まではどこか他人事のような一人称だけれど、判決後はある種の興奮状態のように思考が鋭くなっていく。判決がでるまで、愛するママンが...続きを読む亡くなったことを受け入れられず、ずっと彷徨っていたのかもしれない。 ムルソーの人間性は、証人尋問が終わったあとに彼が捉えた街の様子にあるんじゃないかなと思って思わず涙が出てしまった。 ママンのこともマリイのことも絶対大好きだったよね。言葉で表現されなくても伝わってきたよ。愛する表現が一般的な人と違うだけなんじゃないか。それをも込みの『異邦人』なのかな。 また読みたい。
素晴らしかった。 最初の方は何も事件も起こらずつまらなかったけれど。 母親の葬儀で涙を流さない人間は、すべてこの社会で死刑を宣告される恐れがある、という意味は、お芝居をしないと、彼が暮らす社会では、異邦人として扱われるほかはないということである。 解説より。 主人公は、こんな世界でも嘘をつかずに生き...続きを読むた。 その結果、死刑判決を下された。 私はどう生きたらいいんだろうと考えさせられた。 嘘をうまくつく人たちが普通の人で、嘘をつかないASD の人が宇宙人と呼ばれるのにも似ているなとか思った。
4.5/5.0 ひたすらムルソーの内省が描かれている小説なのに、全くムルソーの「心」が見えない。 ハードボイルドで、ある種ロボットのような主人公は、何を思い、人を殺し、その理由を「太陽のせい」だと答えたのか。 ただ、この上手く言えない、自分でもよく分からない感じが凄く人間の本質を突いているように感...続きを読むじた。 そして、翻訳の文体がめちゃくちゃかっこいい。(なるほど、中村文則さんの文章は完全にここがルーツだったのか!)
すごい小説だった。 カミュの処女作。 文章が非常に読みにくいのが、単純にそういう文章なのか、 主人公の分裂した思考を表現しているのか気になる。 後者だったらびっくりする。
人間誰しもが主人公のような所があるんじゃ無いかな。 倫理、ルール、道徳、宗教、空気感で役割を無意識に演じてるけどピュアな人間って主人公みたいな思考をするのでは無いかな。そのせいで見えてるものが見えなくなってる気がする。 彼女に愛してるかって聞かれて愛してないと思うと答えるシーンがすごく印象的だった。...続きを読む自分の感情に嘘偽りが無いんだなぁと。自分だったら反射で愛してるって答えちゃうなぁ笑
めっちゃすきだった。うむむ。こーゆーことってあるよね すべての行動に意味があるわけじゃないんだよね 言う必要ないことは言わない、これは人らしくないけど人らしいんだよな
結構よかった 太陽が常に眩しいような日常が穏やかでいい。 死を前にして「ありとある親しい物音を味わう」 自分目に見えるものをもっと大事にしたい 23歳で「世界をのぞむ家」に住む
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異邦人(新潮文庫)
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カミュ
窪田啓作
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