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母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
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Posted by ブクログ
文章表現は少し難しかったが、ここまで人生観を考えされられる作品を初めて読んだ。日本の集団主義的な文化や昨今のSNS普及により同調圧力がより高まっていると感じる。 田舎のような閉塞的なコミュニティでは、「正解」は周囲が決めるものだったが、大学時代から都市部での生活に変わり、良い意味で他人の関与がなく...続きを読むなり、自身の価値観で成り立つようになった。今まで気づかなかっただけで、不条理を感じていたのかもしれない… これから豊かな人生を送るために、 自身の本音に従って正直に生きたいと思った。
「Il faut imaginer Sisyphe heureux」と彼が「シーシュポスの神話」にて述べたように、世界の捉え方は一切、その捉える主体であるその個人の意思によって定められるのだと自身は感じるのである。死という有限、別れ。それら事情に涙が付随するのはそこに我々主体が悲しみをもたらす意味を...続きを読む付随するからであり、その付随する行為は無意識的に思われるようで極めて能動的な営みなのかもしれない。すなわち彼が「慣れ」という言葉を多用するように、世界に溢れる制約=不条理は決してその事象そのものが不条理たるわけではなく、むしろ不条理と捉える我々主体の上に成り立つ概念であり、したがって慣れてしまえば、その不条理は不条理と感じられなくなる。といってもそれはあくまで不条理でないと自身を信じさせているに過ぎぬとの見方もできるがゆえに、それを不条理でないと信じ続ける営みは必要になる可能性はあるであろう。自由意志という言葉を自身が深く理解できていないためその使用は憚られるものの、やはり自分の意思で世界を捉える意味づけをなすその行為こそが自身の生命に煌めきを与えると信じているし、そのような営みを自身の生命活動を通じて継続していきたいものだ。それは自身の終焉である死に対しても同様であり、死という有限こそも自身で意味付けをなしむしろ能動的にその終焉を設計する営みこそおそらく自身の生命の煌めきを最大化するのであろうと感じるのである。
君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自信がない。私はといえば、両手はからっぽのようだ。しかし、私は自信を持っている。自分について、すべてについて、君より強く、また、私の人生について、来たるべきあの死について。そうだ、私にはこれだけしかない。しかし、少なくとも、この...続きを読む真理が私を捕えていると同じだけ、私はこの真理をしっかり捕えている。
人が人を裁く時、人間はこうあるべき、という倫理のもと理由をつける。人が神を信仰するのも、何か理由を求めてのことだろう。弱さゆえ、こうすれば救われると信じたい。主人公のルムソーはそんな弱さを超越した自身の真理をもっている。強い光だと思った。夏の太陽みたいに。 ルムソーの生き様、わたしはめちゃくちゃか...続きを読むっこいいと思ったし憧れすら感じたけど、実際にこんな人間がいたら理解されないんだろうな。悲惨な事件があったとき「何でこんなことが出来るのか理解できない!」という声をよく聞く。犯人の動機、背景を突きつめていく。みんな理由がほしいんだ。 理由って本当に必要なんだろうか、って考えてしまうね。太陽のせいだと、なんで駄目なんだろう。ふと、いつもと違う帰り道を辿ったって、そこには理由を求めたりしないのにね。
匿名
カミュの代表作を読めて良かった。ムルソーと同じことがいつ誰に起こるか分からないことを改めて思い知った。
高校生の時の課題図書。当時は全く良さがわからなかったので、いつか再読してみたいと思っていたら高校生の息子が課題図書として持っていたので再読。 当時意味のわからなかった主人公。日々の安らかな生活や欲望に忠実な人間らしさを備えている普通の人間にもかかわらず、母の死に対する悲しみや人への興味や愛情を対外...続きを読む的に示さなかっただけで、偶然の正当防衛とも言える殺人に対しても極刑をうけてしまう。誰しもが自分の感情や欲求を素直に現して生きることは難しく、人の目線や評判を気にして自己を曲げている中で、誰よりも自分に正直な主人公が裁かれることは、我々がいかに不条理な世界に生きているかを痛感させてくれる。SNSが盛んな現代にも通じるテーマ。 終盤の、死に臨んでそれを受け入れる主人公の悟りはすごいものがあります。
母の死にも動じず社会の常識に無関心な青年ムルソーは、ある日アラビア人を射殺する。裁判で問われたのは犯行理由ではなく、母の葬儀での冷淡さなど「人間性の欠如」だった。世間の理不尽な論理で死刑宣告を受けた彼は世界の不条理を受け入れ、最期を迎える。 ムルソーは建前や嘘を嫌い自分に正直に生きる一方で、他者...続きを読むの痛みに無関心な冷酷さゆえの孤独や、社会の枠組みを無視することによる制裁を突きつけられます。彼の生き様が孕む矛盾を通して、社会に調和しながらも自分らしく生きることの難しさを問われる一冊でした。
特に何の違和感もなく淡々と読み進めてしまいましたが、それは母の死よりコーヒーが美味しいことに関心が向いてしまうこと、その後女性と海水浴など楽しんでしまうこと、など普通の人であれば違和感を持つことに違和感を持てない、私もまた異邦人側の人間だからだと気付きました。。
読みづらさは感じなかった。 ペストは挫折しちゃったけど。 怖かった。自分の考えが人と違って、誰もそれを聞いてくれなくてどんどん先に進んでいっちゃって。 比喩的表現とか根本的なテーマとかは全く分からないけど、単純に面白かった。 人として生きていくには、人にならないとダメなんだ。 人のフリをしていな...続きを読むいと。 そうじゃない人は異邦人として扱われ、阻害されちゃうのかな。多分そうだと思う。 けど、ある程度集団でやっていくには仕方ないって思う。 私も親が死んだ翌日映画を見れちゃう気がするけど、私は人をするのが上手いと思う。
主人公は結婚、罪、死、愛情など多くの一般的な人が心を動かされるもの、意味付けをするものに、意味を見出さない。 それは周りから見たら無感情で冷酷で残酷な人間に見えるのだろう。けれど主人公は意味を見出さないだけで、その時に「面白い」「可哀想」「抱きしめたい」などの感情や欲求はあるように見える。そして共感...続きを読む性は無いに等しい。 裁判の場面ではひたすら主人公が亡くなった母親に対して薄情であった、感情のない残酷な男だということが主張されていた。 彼が犯した「殺人」ということより、感情の無いこと、冷酷な人間であることが繰り返し主張され、その部分を糾弾されていた。 人々はその主張を聞いて、また彼のありのままの飾らない言葉を聞いて「こいつは人を殺してもおかしくない男だ気狂いだ」と判断する。 感情的で無いことはそこまで糾弾されて然るべきことなのか?大罪なのか? 主人公は無感情な人間ではあるが、残酷な人間では無いと思う。犬を探す老人に共感はできないけれど話は聞くし、怒る友人の気持ちは理解できないけど協力はする。彼は嘘も付かない。自分の気持ちに真っ直ぐで、自分を良く見せようとしたりしない。 しかし世間一般は、共感性を持たないもの、無感情な人間のことを、異端と判断する。 世間に馴染む嘘が付けない人間を異邦人とする。 そんな不条理を訴えかける作品だったように思う。 無感情であることと残酷であることは切り離して考えるべきだとは思うけれど、私自身も含め、「無感情な人間は怖い、何を考えているか分からないから何をするかもわからない」と思う。そして人間はそういう分からないものを排除したい。 それにしても私が中学2年生の時に読んでいたら「私も無感情な人間だから主人公に共感できる…」と、一行矛盾みたいな感想述べて悦に浸ってそうで危なかった。
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異邦人(新潮文庫)
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カミュ
窪田啓作
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