あらすじ
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
協調性や共感性の弱い、言ってしまえば社会不適合者の話かと思い読み進めていたがそうではないようだ
こうあるべきだ という多数派の考える常識(常識として良いか分からないが)を外れたものが異物とされる不条理が描かれていた。
面白い
Posted by ブクログ
死刑を宣告された直後のムルソーがとても印象的。
昔父親が死刑執行を見に行き、胃の内容物を吐いたことを思い出すムルソー。そして彼は死刑執行場面をたくさん見てら、吐きたいと考える。そうできることを想像し、喜悦の波に飲まれる。
彼は母親の葬儀で泣かなかった。このことからムルソーは、一般的な感情が欠けた異質な存在と捉えられてしまった。でも彼に感情がないわけではないと思う。何度かママンの言葉を思い出したりもしてるし。
私にはムルソーが、「一般人」たちの共感性や迎合性、演技のできるさまを羨ましがっているように見えた。
だから「人と同じように死刑執行を見て吐きたい」と思ったのかもしれない。
ぼんやりとしたムルソーがラストで神父に向けて感情を爆発させるのも、「あなたのために祈ります」って言葉に腹が立ったからかな。「祈るな」と怒鳴ってるし。共感していないのにしていると軽々しく嘯いたのが赦せなかった?
「正しく共感できない自分は間違っているのかも」という考えが、彼にとっては苦痛だったんかな。だから自分の正しさを確信した後で「自分は幸福だ」と思えたのかな。
……いや、だとしたら最後の「私の処刑の日に大勢が憎悪の声をあげたら嬉しい、孤独じゃないと感じる」ってのが分からんな?
太陽が眩しかったから、という特徴的な殺人の動機も、ただ「おかしなやつ」という描写に留まらない気がする。太陽は何かの暗喩じゃないか? 例えば「自分で自分を正しいと思える人」のような。眩さに腹が立つような、憎いほど羨ましくなるような何か。
何度でも読みたくなる深い物語だ。
また読んで色々考えたい。
Posted by ブクログ
名作にはやはり、名作と言われる所以がある。
いや〜〜〜思ったよりも全然読みやすくて、
そして嫌いじゃない。むしろ好き。
なんだろう………
苦しい&暗い気持ちにならない名作って
意外にも少ないんだよなぁと改めて感じつつ、
この作品はなんでだかかなり前向きな気持ちになる。
勿論、ムルソーの考えや動機の全てを受け入れるという訳ではないけれど、少なくとも納得や共感する部分があって、
さっぱりしたというか…そんな感じの気持ち。
カミュの『ペスト』をずっといつ読むか…
と思いながらなかなか踏み出せずに、
短めな今作を読んでみたけれど、
より他の作品も読んでみたい!!と思った!
ちなみに、ワンちゃんと老人のシーンは
マジで心が痛かったぜ……
主人公と関係ないところで心痛めたぜ…
Posted by ブクログ
おもしろかった!!2日で読んだ
不条理文学ってなんだって思っていたけど、なんとなーーくわかった気がする。
夏の描写が多くて、夏にぴったりだった。主人公の裁判のときに、人間性まで見られるの不思議〜
サルトルも、読んでみたいな
Posted by ブクログ
理解が及ばないのが残念だが、それでも面白いのは分かる。興味深い。
主人公の頭の中をずっと覗いてる感じ。
この人はサイコパス?なに?感情が見えない…
思考が気になって先を読んでしまう。
Posted by ブクログ
2026/09/22 0:25:28
★3よりの4
どうしても歌謡曲の異邦人が脳内再生されてしまうと言う事は置いといて…
ムルソー嫌い笑
アラビア人の話し方と言うか集まって話してる雰囲気は凄く家の近くの雰囲気に似てて…ある意味親近感。
Posted by ブクログ
L'Étrangerは異邦人でなくよそ者とも略せるらしい。物語のサマリーを読んだときの主人公ムルソーに対して持った感想はちょうどよそ者というか、社会の通常の感覚から逸脱した男性という感じだった。他の読者の感想を読んでいると、読み終わっても物語の結末は不条理とは呼べず、ただ単に殺人鬼が処刑されただけだと受け取る人もいるようだ。
しかし、読み終わった後わたしがムルソーに抱いた印象は「素直」だった。検察官の主張する「この男の不感無覚を前にして感ずる恐ろしさ」は本当に死刑に値するものだったのだろうか。ムルソーが死刑執行までの残された時間でママンの教え、養老院での暮らしに思いを巡らすシーンがある。また、司祭を追い返す際には「サラマノの犬には、その女房と同じ値打ちがあるのだ」や「セレストはレエモンよりすぐれてはいるが、そのセレストと等しく、レエモンが私の仲間であろうと、それが何だろうか?」という発言がある。実際、ムルソーは母の死に対して涙を流さなかったが、それは間違った感情だったのだろうか。当たり前だが、悲劇を前にして自分がどのような感情になるのかはそれが起こった際にしか分からないものである。もしかしたら案外何も変わらなかったことに驚くかもしれないし、次の日に海水浴に行くこともあるかもしれない。素敵な女性と再会したら彼女の希望する喜劇を見に行くだろうし、欲望が沸かないといえば嘘だろう。印象的なアラビア人を射殺するシーンでは、太陽の光から逃れるように一歩ずつアラビア人に近づいていく様子が丁寧に描写されている。そしてムルソーは法廷で行為を呼び起こした動機について問われた際には、そのまま「太陽のせいだ」と答えるのである。廷内では笑い声があがるが、ムルソーの心の中で動く感性と発言は何一つ乖離していない。なぜ、自分の運命がかかった場面で彼は演技をしなかったのだろうか。完全に不感無覚な人間は死を前にママンや友人、恋人に対してここまで考えるだろうか。私はムルソーという人間について陪審員に上手く伝わらないまま死刑判決が下ってしまっているように感じた。
つまり、ムルソーの以下の主張について私は共感を覚えた。「要するに、確実性に基礎を与えた判決と、判決が言い渡されてからの、その冷酷な施行とのあいだには、滑稽な不均衡があったからだ。判決が十七時にではなく二十時に言い渡されたという事実、判決が全く別のものであったかも知れぬという事実、判決が下着をとりかえる人間によって書かれたという事実、それがフランス人民(あるいはドイツ人民、 あるいは中国人民)の名においてというようなあいまいな観念にもとづいているという事実、
――――こうしたすべては、このような決定から、多くの真面目さを、取り去るように思われた。 それでも、そうして宣告がなされるや、その効果は、私が体を押しつけているこの壁の存在と同じほど、確実な、真面目なものになることを、私は認めざるをえなかった。」少なくとも私はこのように感じたことが、死刑と言っただいそれたもので無いにしても多々あるのだ。確かにムルソーが太陽の光に耐えかねて弾丸を5発も撃ち込んだことは不可解である。だが、意図していなかった殺人に対しての批判が人格否定にまで及ぶのは納得出来ないものがある。そういった些細なことであれば誰しもがマイノリティになりうるのではないだろうか。よそ者にならないように振る舞うことはとても難しいことに思える。
Posted by ブクログ
難しい…。この世界の何ごとにも意味はないとして、自分に関するすべてを宙吊りにして流れに委ねるような、世界から距離をとるようなムルソーの生き方はペシミズムのように思える。でも最後、ムルソーは他の誰よりも自分を信じていて、自分に根付いているみたいだった。死に近づいて初めて感じる解放。世界の優しい無関心。
ママンの埋葬の日やアラビア人を殺害した浜辺での太陽の光の強さはなにかのメタファーなのかな。最近とっても暑いから、小説世界の暑さがよく想像できた。暑くて眩しくて、木陰の泉の安寧を求めていき、それを邪魔するアラビア人を銃殺した。人間世界の怨みのようなものはムルソーにはなくて、ただ自然の光と暑さが目にしみてムルソーを襲う。
太陽光や、養老院・バルコニーでの人工灯の光への嫌悪は、どこからくるんだろう。
ムルソーでも死に対する恐怖や死から逃れたいという感情はあるのだなと思った。
実存主義の文脈を理解しないと半分も理解できない気がした。いろいろ学んでみたい。でも何も知らないで読んでも、思ったよりずっと面白かった。
Posted by ブクログ
さすがに名作か。
時代のイメージがつかなくて読みにくいところもあるけど
ムルソーの内省みたいなところは
わかりやすいので読める。おもしろかった。
Posted by ブクログ
なぜ傑作と言われるか。
それは本の中でも珍しい、自分を省みることができる機会に巡り会えるから。
人からの見られ方や言動に揺るがず、欲望と思考に嘘をつかないでいられることの難しさ。
私は彼を愚かだとは思わない、むしろ英雄にすら感じる。
自分に嘘をつくならば、死をも受け入れよう。
Posted by ブクログ
古い訳で読みにくいのするする読めるのは内容がおもしろいからだろう。
感想を見ると割とムルソーに共感を覚えている人が多いようだが、私はあまり共感できなかった。
ムルソーは無感情、無感覚なサイコパスという印象。何かを深く感じたり考えたりするというより、その場その場の感覚の積み重ねで生きている感じが動物的だと思った。そんな自分とは違うムルソーが面白いと思える物語。最後に自分はいつも正しかったと司祭を罵倒する場面はとても怖くてよかった。
マリイに愛しているかと聞かれて必ず、愛していないと思うと正直に答えるところがおもしろかった。正直すぎる。
Posted by ブクログ
夏と、太陽と、砂浜と、海
不条理って評判だったけど、不愉快にはならなかったし、古い本だけれど読みやすかった
序盤の気怠い埋葬を終えればサクサク進める
Posted by ブクログ
当たり前を演じることを強要する社会に対する不条理を訴える作品だと私は捉えた。
ムルソーは多分、自分を生き続けたのだろう。求められる行動や信仰をせず、その様子は周りからすれば異邦人だったのかもしれない。ただ、皆が死刑囚、死を待つ定めの中で、自分を生きることがどれだけ大切でどれだけ難しいか。そんなことを考えさせられる作品であった。ムルソーの思想とカミュの思想は近しいのだろうが、自分には、それらを言語化する能力がないことが悔やまれる。
Posted by ブクログ
背表紙に書いてある概要がそのままこの小説の起承転結。
母の死、殺害、処刑。
この主人公に私は共感できない。できないけれど、でも、ムルソーが自然から受け取る感動は美しい。太陽と海と光から彼が紡ぐ言葉や感情は代え難い。感受性が豊かで、それを羨ましくさえ思う。
手を伸ばし愛を求めたら、ぴしゃりと拒否されてしまうとしても。
異邦人は、
人間の複雑性を描いている作品なのかと思った。
もしくはサイコパスと私たちの距離を。
でもそうではなく、なぜか読後、
感じてしまうのは、
社会側の、秩序側の、複雑性、寛容性のなさだった。
道徳とは?という問いよりも
人間とは?という問いに帰結する。
読み終えて、ああ面白かったと、言えるようになるまで、少し時間がかかった。
でも、ああ面白かったな。
Posted by ブクログ
2026/09/15
人間には希望が必要なのだと思う。けれど、ムルソーにとっての希望は、最後には「見物人の憎悪の叫び」を望むという境地にまで行き着いてしまったのだと感じた。
司祭に対する「大きな憤怒」は、単なる怒りではなく、彼が運命や周囲の価値観への期待をすべて手放し、自由になるための再生の儀式だったのではないか。ブチギレることで何ものにも縛られなくなり、初めて自分の生を受け入れられたように思う。
2024/10/08 ★★★
ずっとアランドロンのイメージ。
死刑判決を受け入れていく論理展開が、面白かった。
自分が同じ状況に陥ったら、恐い。
それまでは、無感情気味だったのに、自由が奪われると、いつもの日常が尊いものに思える。思い出の中の自然の描写が綺麗だった。
Posted by ブクログ
何ごとにも投げやり。自分を見つめることから逃げていて、最後にやっと感情を爆発させて、人間らしさがあったんだって思ってるみたいだけど、なんか殺された人が可哀想で。
不条理をつけつける話みたいだけど、私には当然の結果としか思えなかった。
Posted by ブクログ
こんなに書物のタイトルがしっくりくることもない。「異邦人」って、自分自身と? 世間と? 生死と? 神と?
どうとでも読めるし、どう読んでもいいと思う。
クライマックス、無機質な主人公の感情があふれ出ている場面で、ぐっときた。
Posted by ブクログ
実際に接している周りの人間からは居心地の良いいいやつとの認識のない主人公が、世間の感覚からは違うといつ一点でどんどん裁判で歪められていく不条理さ。死に直面しながらも自分を曲げず幸福を感じるムルソーを見ると、特に日本人のように空気を読み、世間に迎合し生きていくことが幸せなのかと言う点を考えさせられる。
Posted by ブクログ
あまり知識のない中読んでしまい、理解し難いところもありました。
主人公のムルソーは自分の感じたままに生きる素直な男性。だから忖度することのできない性格。犯した罪についても、裁判所におけるやり取りもチグハグとなる。
今は星3つですが、再読すると星が増えると思います。2度目をこれから読みます❗️
Posted by ブクログ
自分の本心で他者と関わる難しさ。本音を語って相手を不愉快にさせるのか。嘘をつかずに自分を表現するのか。母親の葬儀で感情的にならないからといって非難されるのもなぁ。私も異邦人かもしれない。
Posted by ブクログ
難しかったけど、なんとなく人間の本質をあらわしてたのかな、、?という感想。神の話は日本人だからかあまり驚きもしなかった。もし私が一神教の宗教だったら違ったんだろうなと。
やっぱり和訳の小説は読みにくい。
Posted by ブクログ
主人公の目線から、目の前で起きていることがそのまま書かれている。母の死、恋人との関係、殺人、そして独房や裁判所での情景。死刑を宣告されてからは、本人の気持ちや考えていることが少しずつ描かれていくが、なかなか難しい一冊だった。かなり文学的で、哲学的でもある。
なぜ弾を追加で撃ったのかも、正直よくわからない。「人はいつか必ず死ぬのだから、今死んでも何十年後に死んでも大きな違いはない」という考え方も、わかるようでわからない。そうした、読んだあとに考える余白を与えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
ムルソー視点から見える情景が映像や匂いの感覚としてリアルに感じ取れる…ママンの葬儀、マリィとの海辺での抱擁、ムルソーのアパートでのやり取り…断片的だがはっきりと当時の生活が脳裏に映し出された…凄い…
ムルソーはアルジェリア出身だし宗教感も違うから犯罪を犯した場合、フランス人とは違う扱い方をされている…
性格も自分の気持ちに嘘偽りなく正直な発言…でもオブラートに包んだり、場の空気を読んで演出したりしない…いわゆるドライな人物…
死刑が宣告されても今死ぬのも年老いて死ぬのも同じという考え…で恩赦請求もしない…
ムルソーにとってフランスは生きづらい国でそれを紛らわせる為現在を騙し騙し生きてただけだったのかと…