あらすじ
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
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Posted by ブクログ
僕は言葉の上では絶望したがりなので浅はかにもカフカが好きなんだと思っていたけれど、もしかするとカミュのほうがよっぽど性に合っているのかもしれない。"どうしてこんな悲しいことが起きているのに自分は泣けないのだろうか"と考えた夜があったけれど、あの日の僕が少しだけ慰められた気がした。言葉にすることは、自分を取捨選択するというよりも、自分を言葉のとおりにすることなのかもしれない。だからこそ、ムルソーの極度な誠実主義は彼に黙ることを最善とさせたのだろう。
僕は極度に自己を中心とした世界に生きている。そのおかげか、所謂倫理観というものを人並みほどは持ち合わせていないらしく(友人に指摘されて気が付いた)、世間とチューニングがズレやすい。自分としては楽しく生きているつもりだが、ラクそうに生きているように見えるのだろう。知らぬ間に反感を買っていることが多い。どうせならいっそ僕のことも強い感情を以って殺してくれればいいのに!君たちの世界に僕を閉じ込めてくれ!Innocent World。
Posted by ブクログ
実存主義を調べていたところ、アルベール・カミュの「異邦人」が出てきたため読んでみた。
この世界に意味などなく、だから自分で生きる意味を切り開いていける。
この主人公は嘘をつくのを嫌っていた。母が死んだ翌日に笑い転げて、人を殺した理由を太陽のせいと言う。裁判の時も嘘をつかなかった。最後は処刑されて幸せだと言った。嘘をつかないことが幸せだったのかはわからない。
不条理に抗っている。死を悲しみ、人を愛しているかと聞かれて「愛している」とは言わない。演技をしない主人公だ。
どれだけ私という生が無意味かを自覚さねばいけないと思った。私は不自由であると自覚するところから自由は始まるのではないかと。
Posted by ブクログ
主人公ムルソーが自らを語るストーリーでありながら、終始傍観者のような口調で進む事の異質さ。
近しい誰かを失った時に、必ず涙を流さなくてはいけないのか?、悲しいですと言わなくてはならないのか?、映画を見て笑い転げることは不謹慎なのか?、感情を社会に合わせるべきか、これらをムルソーは偽らない。私には少々分かり得ない心情を描いた作品でした。
母を亡くした翌日に女性と海で遊び、喜劇映画を鑑賞し、求婚されるも他人事、そして太陽が眩しかったからという理由で人を射殺する。
ムルソーは母親に対して特別憎しみを持つ訳でも無く、ただ純粋に「無関心」だったのだろう。
憎しみを持っているなら、喜びを覚えるだろうし、縛られていたなら解放を感じるのだろうけど、ムルソーは、ただただ"無"である。
その感情を咎められる場面があるが、それで言うと、今で言う"不謹慎狩り"に通ずるものがあるのかもしれない。
感情は人それぞれだから、「こう思うのが正しい。こう感じない奴は異常だ。」は、社会の「不条理」なのだろう。
Posted by ブクログ
あらすじに書いてあることがまさにそのまま起きる。
ただ、あらすじを読んだ感じではワルでサイコパスなよくあるエンタメ小説の殺人鬼みたいな主人公なのかとおもってたけど、実際は淡々としている主人公だった。
あらすじには一貫性がない男、と書かれているけど、私には一貫して無関心で他者に共感する心がない無神論者というようにかんじた。
他人がどう思おうがどうしたかろうが、まぁ自分に不都合がなければそれでいいのではないかというような徹底した無関心。
他人を理解しようとも理解されようともしないから、最後の牧師のようにズカズカ心に踏み込んでくる他者は煩わしい以外の何者でもないのかとおもった。
彼のなかには彼しかいないのだとおもう。
有名な『太陽のせい』というところも、特に深い裏の意味などなくそのままの意味じゃないかと。
私も暑さが相当に苦手で、それだけでイライラしたり心が荒くなったりする。
そんな思考力が低下している時にあんな煩わしい問題が目の前にあって、手元に銃があるならば、無関心を極めた無神論者の男なら撃ったとしても不思議でもないような気がする。
日本人にはあまり宗教に馴染みのない人が多いので(私も含め)、そのへんのことは理解しづらいけど、無神論者であるということはこの男を表す上で結構なポイントで、その辺にも意味があるとは思うのだけど、やっぱり理解が薄いのでよくはわからない。
Posted by ブクログ
裏表紙のあらすじ全部がネタバレでショックだった。
この本は、第1部と第2部に分けられて構成されている訳だが、第1部の文章が読みづらくて頑張ってざっくりと理解しながら読んだ。
老人がショートカットを駆使して葬儀の列に追いつく逞しさが滑稽でお気に入り。
第2部では刑務所で主人公が生活に順応していくさまが淡々と描かれていて、罰をうけている風に感じさせなくてちょっとだけ独房で過ごしてみたくなった。
その後の裁判シーンの罪の基準が人間性に重きを起きすぎているように感じでいまいち入り込めなかった。
不条理さにもあまりピンとこず…
共感能力の薄い順応力の高い男の話?
あまりに全体にピンとこなかったので、また再読してチャレンジしたい。