ペスト

ペスト

1,111円 (税込)

5pt

3.9

194*年4月、アルジェリアのオラン市に突如発生した死の伝染病ペスト。病床や埋葬地は不足、市境は封鎖され、人々は恋人や家族と離れた生活を強いられる。一方、リュー医師ら有志の市民は保健隊を結成し、事態の収拾に奔走するが……。不条理下の人間の心理や行動を恐るべき洞察力で描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作。

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ペスト のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年07月16日

    コロナ禍の今読むと考えさせられるものがある。解説にあるように、ナチスや他の脅威を連想しなくて、ただ単純に疫病の中での人間状況としてだけとらえていいのでは思う。最後の自暴自棄になった人間の恐ろしさも、昨今の事件と重なる。

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    Posted by ブクログ 2021年12月21日

    いつか読もうと思っていたのが、新訳が出てようやく手に取った。舞台が1940年代のアルジェリア(当時フランスの植民地)ということにまず驚いた(もっと昔の話かと思いこんでいた)。それでも疫病の前になすすべもないのは今と変わらない。
    増え続ける感染者、移動の禁止、あふれる病院と墓地、飛び交うデマ。理不尽な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月09日

    リュー医師を中心とした複数名の視点から、オラン市でのペストの流行を描いた長編小説。
    不条理下での人々の様子や心理が巧みに描かれており、登場人物、ひいてはカミュの抵抗の痕跡も読み取れるが、実際にコロナの病禍を潜った後に読むと物足りなさも感じた。実際に病苦や死の恐怖に日々隣り合わせ、自由を奪われることに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月19日

    リュー医師を中心にペストと闘うオラン市の人々の物語。いきなり降りかかる不幸な天災に、人間の弱さが浮き彫りになる。
    ペストは神の天罰と神父は、説いたが、純真無垢の子供が苦しみ死んでいっても、それでも神の天罰と言えるのか。
    登場人物それぞれが、愛する者と再び会う為に、終わりの知れぬペストと闘うが、果たし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月19日

    ペスト流行により閉鎖されたオラン市ての群像劇。
    主人公であるリュー医師の身近な人がペストに罹らない序盤では淡々と状況が語られるので感情移入しにくいか、中盤以降、予備判事のオトン氏の息子の闘病あたりはかなり緊迫した。リュー医師の周りの人々は大抵残念な結果となる所がなんだかカミュの小説らしいです。
    新型...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年11月01日

    私にとって,本作は不条理文学でなければ,疫病の文学でもなかった。反抗というよりは不信の文学,といったところか。20世紀以降の傾向として重要な感覚としてメモをする。

    本書に文学的価値を見出すとするならば,海水浴のシーンを取り上げれば十分だろう。

    複数の証言を仮想的に再現した,群像劇が効果的に誠実さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月17日

    新潮文庫の訳より読みやすかったが、カミュの原文が難解なのか、文章の理解が難しかった。
    内容はたんたんと、手記を読んでいくような形で進んでいき、心理描写は少なく、客観的な事実(小説の中の虚構であるが)が書かれている。

    難解な小説であるが、一生で一度は読んでおくべき小説だと思う。

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    Posted by ブクログ 2022年08月08日

    予想だにしない不条理に見舞われた時、小生のような普通の人間はどうしたらいいのか。それが本作においてカミュが立てた問いだと思う。
    不条理であろうとなかろうと、小生たちには日常があり、歩むべき人生がある。どんな状況下にあろうと、困難と闘い、日々を生きるだけだ。それがカミュが出した答えだと思う。
    思えば「...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月21日

    不条理と戦うためにやることはただ一つ。祈らず、焦らず、ヒロイズムに酔わず、できることを粛々とこなす。果てしない敗北は連帯感で紛らわす。われ反抗す、ゆえに我らあり。コタールと結核持ちの爺さん、猫につばはく爺さんがいい味出してる

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