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Posted by ブクログ
津軽訛りで内気な女子高生がメイド喫茶で働きはじめ、津軽三味線のミニコンサートをするお話
ロリ黒髪ストレートロング内気ドジっ子方言訛りで津軽三味線って、作中でも突っ込まれているけど色々と属性を詰め込んできたなぁ
しかも中学生の時に津軽三味線の大会で賞をもらったものの、演奏時に股を広げてものすごい形相で弾いていた事を知って以降は離れていたというコンプレックス持ち
これはもう数え役満でしょ(笑)
他にも
先輩メイドでアラサー子持ちだけどアップルパイを焼くのが上手な幸子
漫画家志望で自称ナイスバディの典型的なメイドの智美
キレイな標準語でお店の経営やらきっちりしているけど、過去に何かあったらしい店長
怪しげな商売をしている成金オーナーな外見とは裏腹に、メイド喫茶に関してはクリーンなコーラ大好きデブオーナー
キャラが立ちすぎてる程にはっきりしている
そんな典型的なラノベ要素満載なのに、読んでみると主人公の相馬いとの精神的成長物語であり、学校や家以外のサードプレイスの獲得物語でもあり、自己肯定物語なんだよな
普通に人とコミュニケーションを取りたい、標準語を話せるようになりたい、メイド服を着てみたいという望みを叶えるために勇気を出して選んだ方法がメイド喫茶のアルバイト
しかも青森で
メイドカフェの定型句「お帰りなさいませ、ご主人様」が、いとが言うと「おがえりなさいませ、ごスずん様」になってしまう
どぎつい訛りのおばあちゃんに育てられたために訛りにコンプレックスを抱くいと
同級生も軽く訛ってはいるものの、いと程ではない
ま、うちの地元もそうだけど、女子高生だろうと訛ってるのが田舎の普通と思っていたけど、違うのか?
ってか、言葉に濁点が少なすぎる
表記通りに発音すると、「訛ってるとしたら、ここは濁点の発音だろ?」と思うところがかなりある
「ぁぃぅぇぉゃゅょ」の発音も足りない
あと、おばあちゃんの言葉もすべて記号で表記されているのが何だかなぁとも思う
バラエティ番組的なノリなのかね?
と思って読んでいたら、巻末におばあちゃんの発言の記号と対応する五十音表があった
難解だけどちゃんと意味のある言葉を発しているということなんだろうけど、方言のニュアンスを文章力で伝えられないという作家の力不足なんじゃないか?とも思う
ただ、方言に関しては、あまりリアルに描写すると一般読者はいとの言葉ですら注釈が必要になるレベルだろうし
だからといって、おばあちゃんのセリフだけそんな描写しても地元民ですら聞き取れないという描写をどうするかという事になるしなぁ
これくらいの表現が適度なくらいなのかもしれないね
読む前に抱いていたイメージとしてはマンガの「ましろのおと」みたいに三味線の話かと思っていたけど
実際には女子高生がアルバイトを通じて精神的な自己成長をするお仕事小説だった
作中で気になったところは
おばあちゃんが好きなヴァン・ヘイレンに、オーナーが好きなビーチボーイズ(オーナーは訛っているのでビーツィボーイズと言う)共にアメリカ西海岸という共通点
雪が降らない土地の音楽
うちの地元もそうだけど、冬はほぼ毎日曇天という環境だからこそ惹かれるというのにはなんとなくわかる気がする
「陽だまりの彼女」で越谷オサムの印象は良くなかったけど、これを読んで変わった
なかなか良いではないか
とりあえず、いとが高校三年生までのあと2作があるようなので引き続き読む
あと今年、映画が公開されるようだ
是非見に行きたいなぁ
Posted by ブクログ
津軽弁を駆使するアイドルといえば、王林ちゃんですね。訛りを〝売り〟にすることは賛否が割れるところでしょうが、彼女は単に素を晒している気がして、好感をもっています(個人の感想です)。
話が逸れましたが、「皆さ〜ん、津軽弁を駆使する〝推し〟にしたい〝いと〟ちゃんの登場で〜す!」(2011年作品で今更遅いのですが‥)
本書は、青森市の「津軽メイド珈琲店」でバイトを始めた高1女子・相馬いとの成長物語です。
青森のローカル線の車窓風景、豊かな自然、満載の津軽弁、人同士のつながりの温かさがふんだんに描写され、特色あるいい味を出しているように思います。
これらに加え、メイド喫茶&津軽三味線が重要なキーワードであり、スパイスが効いています。
読み始めこそ、いとの「お、おがえりなさいませ、ごスずん様」などと、濃厚過ぎる津軽弁にワザとらしさを感じましたが、成育歴もあり深刻な悩みであることが明かされ、親近感と愛おしさが湧き上がり、世のオジ様たちは〝推し〟にしたくなりますよ、絶対!
素朴で素直でも悩み多き思春期のいとが、祖母や父の愛情を知り、バイト仲間や友人との関わりの中で、コンプレックスを克服し、お店の役に立ちたいという自己有用感が、前向きな姿勢に変容させるんですね。いいなぁ‥。
津軽弁と津軽三味線を否定せず、自分の中に取り込み、しっかり向き合うことで個性が輝いていきます。思った以上に深みがあるなぁ。うん、うん。
本書のタイトル「いとみち」とは「糸道」であり、三味線を弾く際に指の爪先にできる糸の通り道となる溝のことで、三味線を弾くには、なくてはならないモノだそうな‥。
本書の続編、「二の糸」「三の糸」もあるようで、いとの更なる成長が見られるようで、気になります。
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