Posted by ブクログ
2015年07月10日
実は何を隠そう内緒ですけれど、私の本名は火田七瀬なのです。
筒井康隆狂いの父が、なんとしても娘に絶対この名前をつけるのだ、と執念の一徹で探し当てて、ついにその姓の女性=私の母と出会い、恋愛をし結婚して母の姓を名乗って、そして私はテレパス・火田七瀬となったのです。
残念ながら嘘でも冗談でもなく、本...続きを読む当に私は、テレパシーと予知能力を併せ持つ超能力者に育ってしまったのです。幼い頃からの父による鍛練と、母方の霊感・霊能力の血筋も加わって、よりいっそう研ぎ澄まされていったようです。
ただし実際の現実社会では、変な奴、ぐらいにしか思われていなくて、勿論このことは誰にも話したことはなく、おそらく生涯秘密にしておくと思います。
それはともかく、この作品の4本目のまた新たな映像化が始まったのですが、10/9(木)の第1回を見る限りにおいて、大変な超失敗作だと予感します。
まず七瀬役の蓮佛美沙子がめちゃめちゃミスキャストです。燦然と輝く賞暦=2007年度キネマ旬報ベスト・テン日本映画新人女優賞受賞そして第22回高崎映画祭最優秀新人女優賞受賞。
でも本作品を見た限りで、まったくのひどい大根で、見ていて起用されたことが可哀想になってくるほど。
まず顔そのものが田舎くさくて不細工で見ていて不快感以外の何をも感じない。かてて加えて表情の貧困さ、ちょっとした誰でも日常する何気ない仕草もまともにできない木偶の坊さ加減、のっぺらぼうの顔だから普通の女の子がする感情の陰翳も表現できない。
このヒロインの失敗がそもそものぶち壊しの始まりですが、それだけではなく、カメラアイの問題やら、あるはあるは次から次とあらゆることが、もしかして、わざと超大失敗作品を作るつもりだったのではないか、と疑わせるほどです。
ええっと、この作品は私の物語、じゃなくて、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』という三部作からなる超能力者の物語である訳ですが、あわせて人間の深層心理の探究でもあると思います。
他の作家の超能力者ものと断然違うのは、やはりフロイトやユングを応用した独自の筒井理論たるものが織り込まれているせいです。
それから、文章表現上で工夫されたものを、いかにして斬新に映像化するかという課題に、まだ誰も応えていないような気がします。