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事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。Eve1と名付けられたその細胞は、恐るべき未知の生命体へと変貌し、利明を求めて暴走をはじめる――。空前絶後の着想と圧倒的迫力に満ちた描写で、読書界を席巻したバイオ・ホラー小説の傑作。
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Posted by ブクログ
「パラサイト・イヴ」は、ミトコンドリアという細胞内小器官をテーマに据えた、斬新なSFホラーです。生物学への興味から読み始めましたが、単なる知識の羅列に終わらず、生命の根源的な問いを投げかけてくる物語に引き込まれました。 物語は、主人公・利明の妻・聖美の謎の急死から始まります。冒頭のこの衝撃的な出来事...続きを読むが、物語全体を覆う不気味な雰囲気を作り出しています。死後、聖美の臓器はドナーとして提供されますが、利明はまるで何かに取り憑かれたように、聖美の肝臓の培養に取り組み、「聖美は生きている」と信じようとします。この常軌を逸した行動は、後に聖美の肉体を乗っ取った**「イヴ」の思惑とも絡み合い、読者に生命の定義**を問いかけます。 一方、聖美の腎臓のレシピエントとなった少女・真理子の物語が並行して展開されます。彼女は幼い頃、腎移植に対する無知な偏見と言葉の暴力に深く傷ついた経験を持ちながらも、二度目の移植に踏み切ります。しかし、移植後、真理子は「何か良くないもの」の気配を感じ始め、「誰かがここに来る」という予感に怯えます。この真理子の不安は、読者にも細胞レベルの侵略の恐怖をリアルに感じさせます。 聖美の回想シーンは、自我を乗っ取られる恐怖が鮮烈に描かれています。「自分でした覚えがないのに、身体が勝手に動く」という描写は、自己と他者の境界線、そして意識と肉体の関係性が崩壊していくホラーとしての本質を突いています。 クライマックスでは、ついにミトコンドリア、すなわち**「イヴ」が人類に宣戦布告します。「私の子供たちがあなたたちを滅ぼす!」という言葉は、かつて共生関係を結び生命の進化を支えた存在が、今や人類を支配し、淘汰しようとする敵へと変貌したことを示します。利明の精子**を獲得するための「罠」や、受精卵を育てる母体として真理子の適合性を利用しようとする展開は、生物の根源的な生殖本能と結びつき、さらに恐ろしさを増します。 最後に引用された一節は、この小説のテーマを最もよく表しています。 進化とは自らと全く異なるものと共に暮らす過程で起こるものだ。相手が生命体のときもあれば環境のときもあるだろう。その場所が地球なのか、別の惑星なのか、それとも細胞の中であるのか、それはわからない。だが新しい共生関係を作り上げることができたとき、ヒトはさらに一歩進んだ世界を手に入れることができるのだろう。
着眼点がすごい
共生関係にある細胞の反乱。 全く考えたこともなかった切り口から物語が語られ、とても面白かった。 自分がどうやって「自分自身」を制御しているかわからないので、知らない間に別の何かに制御権を奪われたらと思うと言いしれぬ恐怖を感じた。 これがデビュー作なのがすごい。 それと個人的な話だが、この本の出...続きを読む版と私の出生が同じ年なので、何となく感慨深いものを感じる。
#ドキドキハラハラ #タメになる #怖い
細胞が人を乗っ取るという設定が面白かった。序中盤は物語がゆっくりと進みつつも、不気味な感じがあって良かった。終盤に進むにつれて物語が加速していき、それに応じて緊張感が増していった。身近なものを用いたホラーだったから、後味の残る怖さだった。
もうかなり前の作品であるにもかかわらず、読んでいる間は色あせることのない迫力に包まれていたように感じる。 この作品は、性や肉の表現が生々しく、また言いようのない怖さも感じる。 それらに目を背けたくなる気持ちもあるが、登場人物それぞれが作品内に息づいているように感じ、本を読み進める糧になったように思う...続きを読む。
怖かった。科学的な事象を題材にしたホラーは、それが現実には起こらない、とは言い切れない怖さがある。 夢中で読みました。
途中のシーン興奮し過ぎてほぼ官能小説として読んでる。やばい。大いなる存在に翻弄される人類って、良いな♪
「―ついにミトコンドリアが解放される日がやってきました」(本文より) * あの人とはなぜか気が合うとか、あの人といると落ち着くなど、人間には理屈では語れない不思議なつながりがあるように思います。 もしかしたらそれは、お互いのミトコンドリアが求めているから…といったらやはりホラーになるでしょうか。 ...続きを読む* 本書は、自分の意思がはたして本当に自分のものなのか?という根源的な問いを投げかけてくれます。 一目ぼれや、何十年も続く友情がはたして自分の意志によるものなのか? 読んでいくうちに、自分という人間はミトコンドリアが支配しているのでは?!と思えてくるから面白いです。 ただし、恋人にどこが好きか聞かれたとき「あなたのミトコンドリアが好きだ」などと 言うのは、やっぱりやめておいた方がよさそうです。 「ぴたん。」 (本文より)
高校でミトコンドリアについて学んだときに、呼吸の複雑さに驚き、細胞内共生によりミトコンドリアは独自のDNAを持つと知り、言い表せない高揚感を抱いたのを覚えている。本作は、まさにそれをSFとして拡大していて、大学の専攻と重なる部分もあり、夢中になって読んだ。終盤の展開は突飛で、矛盾や現実味の無さを感じ...続きを読むるところもある。が、SFの発想として、私たちが当たり前のように享受しているエネルギー代謝は、共生している細胞器官によるものであり、宿主に対する奴隷の反乱を考えると、根底が崩されておもしろい。
最初に読んでから、もう一度くらい読んだであろうか?今回また数年ぶりの再読。話の面白さは、今も色褪せない。 最後まで読んで、まるで初めての様な感覚。特にクライマックスのイヴとの闘いのところ、こんなんだったっけ?と思えるくらい。映画版と混同していたのかな? まぁエピローグで、あれだけのことを経験した浅倉...続きを読むさんが、冷静に事件を振り返るところが微笑ましい(乗っ取られてたんで、自分の記憶にないからか?)が、今後への余韻も残して話は終わる。麻理子ちゃんのメンタルは大丈夫ですかなぁ?もうこわくて子ども産めないんじゃないかな?と心配。 一歩間違えれば、くっだらない怪物譚に終わりそうなラストを、ここまで読ませてしまう作者の力には 脱帽する。これが処女作とはねぇ。酒見賢一と言いい、瀬名秀明と言い、やはり天才は初めから違うのか? ミトコンドリアよ、永遠におとなしくしていてください。
瀬名さんのデビュー作ということで気になっていた本 BRAIN VALLEYに続く二作目 本作も理系向きの作品、だがSFかつホラーで面白かった 依存関係と共生関係、バランスとはいつか崩れるものなのか、それともやっぱりどこかに落ち着くものなのか、と考えた
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パラサイト・イヴ
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瀬名秀明
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