転校生さんのレビュー一覧
レビュアー
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電子書籍でこそ読んでほしい
データとして記述されたトァンの人生を参照しているという設定が面白い。
感情の動きなどもわかり親切設計だなと思ったが、エピローグを見てそれが必要な理由に納得した。
ストーリーも面白い。
『虐殺器官』から半世紀。
監視の目がついに身体の中にまで行き届いた生命主義社会。
そんな世界に抗う組織が出てくる。
でも実は世界よりも別のものが間違っているという答えに辿り着くのは、さすが伊藤計劃と言わざるを得ない。
これは小説を先に読むことをおすすめする。
小説の細かい描写を読むことでアニメ作品とは印象が変わってくる。
特に変化したのがキアン。
昔話で語られるキアンの思いを聞いたトァンの心情を垣間見 -
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SFで社会派小説
自由とはどういう状況か、平和とはどういう状態か。
とても深い作品で考えさせられる。
作品内の何も知らないで平穏な生活を送るアメリカ人は、まさに今の日本人そのもの。
皮肉が効いていて読み進めるたびに複雑な感情を抱く。
ジョン・ポール(犯人)の大量虐殺を行う動機が予想外だった。
そうきたか!って鳥肌もので私的には今までにないタイプの犯人像が魅力的。
私はアニメ映画→小説という順番で観た。
近未来的な世界観なので先に映像を見ておくとわかりやすいかもしれない。
小説はクラヴィス(主人公)という人間の掘り下げがあったり、心情を深く知れる点がいい。
終わり方は映画の方が好み。 -
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3は良い数字だ...
最終3巻にしてコミカライズで数えて3人目の名探偵が登場。
3は良い数字だ。
3といわず、7までも、どこまでも続いてほしいと思える作品。
本当に名残惜しい。
名探偵になる条件は揃っていたけど、アニメでは投入されずに終了したあのキャラがついに覚醒!
こういうのも正統続編ならではの醍醐味。
まず思ったのはデザインめっちゃかっこいい!
しかもこの2人1組みたいなのが最高!
今まで穴井戸も含めて4人の名探偵がいるけど、一番癖が強かった。
井戸の世界だからこその謎解きが本当に面白い。
全てに意味があった。
これでコミカライズ#BRAKE-BROKENも終わるが、また何らかの形で続編を作ってほしい。 -
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正統続編!
オリジナルアニメ『ID:INVADED』のコミカライズ。
コミカライズと聞くとだいたいは原作をそのまま漫画に落とし込んで無難に仕上げてくる印象。
しかし本作は正真正銘の続編。
スピード感溢れるストーリー展開で仮想世界(井戸)と現実世界で同時並行で動く事件捜査。
アニメ本編と比べても全く遜色のない熱量と情報量。
面白いの一言に尽きる!
作品づくりに一切妥協しない姿勢が本当にすごいしファンとして嬉しい。
そういったものがID:INVADED独自の設定や世界観、果てはコミカライズの取り組み方にも現れてると思う。
アニメが好きな人はコミカライズも絶対好き!
興味ある人はまずアニメから! -
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SF小説入門書
SF小説に詳しくない人におすすめできる1冊。
14のテーマごとに1作品ずつ掲載し、関連する作品の紹介をしてくれる。
普段SF小説を読まないので様々なジャンルに触れて、気に入った作品に類似するものを知れるのは有り難い。
私も何作品かフォローした。
掲載作は初心者にも読みやすいように感じる。
幾度か検索は掛けたが、難しすぎて挫折することはなかった。
短編小説だが14作品もあると読み応えがある。
当然合わない作品も出てくるが、そこは仕方ない。
・Final Anchors
・九月某日の誓い
・夜警
この3作品が特におすすめ。
読み進める手が止まらなかった。 -
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本当に最終選考作品?
電撃小説大賞の最終選考作品だそうですが、全く面白いと思えませんでした。
八坂が好きになれなかったのが大きいかもしれません。
ひたすら価値観を押し付けて、ポエムを吐き、傍若無人に振る舞い、とても不愉快でした。
なのにやることなすこと全て正しいらしくて何もかも上手くいってしまいます。
ほぼ全ての登場人物が彼を肯定して称賛して感謝して、彼の突飛な夢も世界の手助けによって現実のものになります。
なろう小説でも読んでいるかのようなストレスに襲われました。
スカートの中に秘密を抱えた人たちの話かと思いきや、その人たちを利用して八坂が好き勝手する作品でがっかりしました。 -
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それぞれの過去が語られる第2巻
1巻目では高倉家と苹果の過去が中心に語られていましたが、2巻目ではそれ加え多蕗、ゆり、真砂子といった脇を固めるキャラたちの過去にも焦点が当たります。
今回はキャラの豹変ぶりに目を奪われました。
苹果と同様にそうせざるを得ない事情が存在するため、どのキャラも魅力的に映りました。
高倉家の抱える問題は本人たちではどうしようもなく、やるせない気持ちになりました。
高倉家の子供たち3人もまた被害者なのだと感じ、胸が痛みます。
そんな昌馬たちを大切に想い、運命すら変えてみせるという決意を抱ける苹果は本当に素敵な人だと思います。
どんな状況でも陽毬を一番に考え、大切に想う冠葉か -
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謎が渦巻く第1巻
テレビ版が大好きで劇場版も公開されたので小説版も読んでみようと思いました。
この巻では苹果の存在感が半端ないです。
あらゆる手段、解釈を用いて「運命」を実現させようとする執念が不気味で恐いけど、それをするだけの理由があることで、ただのやばい人ではない魅力を感じます。
高倉家も何かあるんだなと思わせる描写で第1巻目は幕を閉じます。
映像では汲み取りきれない心理描写を活字で把握できるのは小説版の良いところだと思います。
幻想的な空間や雰囲気はアニメを観ていると想像しやすいかと思います。
時系列や場面が結構飛ぶので、そこもアニメを観ているとすんなり入り込めると思います。
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人の世界はめんどくさい
私は人付き合いや生きること自体を面倒だと感じる性分なのですが、桜桃を読んだ感想もやはり此処にたどり着きました。
社会を構築して生きる人間は様々なしがらみに縛られ、身動きが取れなくなる。
心がまた厄介で長く生きるほど消耗していく。
親の方が弱いというのは、心に余裕がなくなっているからだと思いました。
そして桜桃の主人公が人間失格の主人公と酷似しているようにも感じました。
是非とも人間失格と一緒に読んでみてください。 -
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後半から面白い
古い作品なので仕方ないのですが違和感がなかなか拭えず、読みにくかったです。
途中から慣れてきます。
終盤から畳み掛けるように物語が進みます。
哲学じみた話は好きです。
ジェバンニはある決意をするのですが、それを行動に移せたのかわからないままなのは残念だと感じました。
物語のオチは好きですが全体でみて面白いと感じた部分が少なかったので星3つです。