サイモン・シンの一覧
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ユーザーレビュー
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人類の歴史を振り返ると、通信の秘密が敵に知られないことは何よりも増して重要な課題だった。
通信内容が知られるか知られないかで、膠着状態にある物事が一気に解決に向かう。場合によっては、暗号が破られないか否かに人の生命がかかっており、暗号作成と解読を繰り返しながら複雑に進化してきたのが暗号の歴史といっ
...続きを読むてもいいのかもしれない。
最初はごく簡単なカエサルシフト暗号から第二次世界大戦におけるドイツ軍のエニグマまでの変遷が上巻は描かれる。
Posted by ブクログ
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下巻はビッグ・バン宇宙モデルと定常宇宙モデルのどちらが正しいのかを巡り、多くの個性的な人達が究明に乗り出す。
ビッグ・バン宇宙モデルは、今日の我々の中では一般的となっている理論であるが、ビッグ・バンが発生して現在の宇宙が形作られるにあたり、多数の評価基準に対して裏付けとなる証拠が見つからず、つい最
...続きを読む近まで定常宇宙モデルとしのぎを削る争いが行われていた。
観測機器の精度が上がっていくにつれて、徐々にビッグ・バン宇宙モデルが予測していたことが明らかになっていくが、ここまで予測の的中率が高いのにも驚かされる。今後の検証によってどのように理論が発展するのか、また、別のモデルに取って代わられるのかも気になるところである。
残された謎として、ビッグ・バン以前はどうなっていたのか、また、宇宙の膨張は最終的に重力により収束して、最初の状態に戻るビッグ・クランチは起こりうるのか、ロマンはつきない。
Posted by ブクログ
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フェルマーの最終定理が非常に面白かったので、同じ著者のこちらも購入。
相変わらずの難解な内容を分かりやすく伝える文章力と、謎が解明されていくプロセスをドラマティックに描き出す演出に感心させながら一気に読ませてくれた。
上巻は紀元前の古代ギリシャの哲学者が宇宙という天上世界の解明に足を踏み入れたと
...続きを読むころから始まり、コペルニクス、ガリレオによる地動説、アインシュタインの相対性理論、ハッブルによる赤方偏移による宇宙膨張の観測までが描かれる。
ここに至るまでも様々な議論や、長年真とされている価値観を変えたくない保守層の妨害を経た上で、実験、理論、観測等による検証を繰り返しながら、今当たり前とされている宇宙の現象が事実として確立されてきた紆余曲折の歴史がある。
未知の領域が少しずつ時を経て解決されていく過程と、それに挑もうとする人間たちのドラマは本当に目頭が熱くなった。このカタルシスを是非体験してほしい。
下巻からはビッグ・バン宇宙派と定常宇宙派の議論が白熱する。
Posted by ブクログ
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サイモン・シンの和訳版。今まで何回読んだかなぁ。
もちろん、原作も読んでいます。
再読でも大変興味深く読めます。定理についての証明どうのではなく、そこに至るまでの人類の戦い、挑戦が書かれた本です。面白いの一言に尽きる。
数式をほとんど使わずに、フェルマーの最終定理が証明されるまでの壮大な物語を美しく
...続きを読む書いている素晴らしい本です。この定理にまつわる裏話や歴史が巧みに挿入されていて、ぐいぐい引き込まれる。
へぇ~!そうだったんだー!という驚きあり、うわ~!と感動に鳥肌が立ち、とにかくページをめくる手が止まらなくて一気に読んでしまうんです。
こういうのを数学の授業に取り入れたら、もっと数学に興味をもって楽しめるんじゃないのかなぁなんて個人的には思うのですが、どうでしょう。
この定理の証明には日本人も関わっているので、未読の方はぜひ!
なんとなく高校数学でそんな定理習ったなーくらいの感覚で読めると思います。専門的な知識は必要ありません。
Posted by ブクログ
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何気なく立ち寄った本屋にて中古価格で購入。嬉しいことに想像以上の大当りを引いた。
フェルマーの最終定理とは何ぞやということから説明すると、かの有名なピタゴラスの定理を少しばかり変形したものであり、命題としてはすごくシンプルに見える。
【ピタゴラスの定理】
直角三角形の直角を挟む2辺の長さの2乗
...続きを読むの和は、斜辺の長さの2乗に等しい。
x² + y² = z²
【フェルマーの最終定理】
下記の数式を満たす2より大きい自然数nは存在しない。
xⁿ + yⁿ = zⁿ
ピタゴラスの定理が簡単に証明可能だったため、フェルマーの定理も簡単に証明可能だと思われたが、これが難攻不落の要塞だった。
世界中の数学者が挑戦するも、証明のどこかに論理の破綻が見受けられて失敗を繰り返してきた。最終的には、フェルマーの死後(フェルマーは18世紀フランスの数学者)、約200年後に1人の数学者によって証明されることになる。
証明論文は100ページ以上にもなり、これまで数多の数学者達が試行錯誤の末、導きだした数式や予想などが駆使されており、最先端の数学理論をフルに活用しつつ証明されたものである。
本書はこのシンプルな命題のために多くの人達がたどってきた道のりがありありと描かれており、最後の証明完了に至ったときの感動は計り知れないものだった。
でもやはり不思議なのは、18世紀の数学者が現代の最先端数学に通じていないにも関わらず、何故この命題について証明することができたのか、それともその証明自体に穴があったのか、それも今となっては検証することもできない。
(フェルマーは他人に自分の証明方法をほとんど見せることもなく、この命題に対してもメモ書きのようなものしか残していないとのこと)
※本書の所々に出てくる補遺についてもパズルを解いていく快感が得られるので、解答をすぐには見ずに挑戦してみることをオススメする。
Posted by ブクログ
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