サイモン・シンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
下巻も非常に面白かったです。
研究の世界では先取権、誰よりも早く発表することを意識することが多いみたいですが、意外と埋もれてしまうこともしばしば、というのがショックでもあり驚きでもありました。
またガモフのおふざけのせい?で過小評価されてしまったアルファーの無念は心に来ました。
それとハッブルがノーベル賞を取ることができなかった話も、とても印象的です。物理的な解釈を避けるその態度が個人的に好きだったのですが、そういった立場故にノーベル物理学賞から遠のいてしまう、という話は悲しいですね、仕方ないと言えばそうですが。
物理では有名なフェルミとチャンドラセカールが、規約を違反して奥さんのグレ -
-
-
-
Posted by ブクログ
ワイルズのフェルマーの最終定理に至るまでの人類の数学史というべき進歩の過程を丁寧にかつ初学者にも分かりやすく解説している名著。古代ギリシアのピュタゴラスが学問として開祖したといっても過言では無い「数学」だが、その彼の名前を冠した「ピュタゴラスの定理」の派生系とも言える数式が、3世紀もの間人類を悩ませ続けてきたという点も非常に面白い。ピュタゴラス以外にも、ディオファントス、オイラー、ガウス、ガロア、そしてフェルマーという人類が誇る数学の天才たちについても、彼らの成し遂げたことに限らず人生そのものについて分かりやすく解説があり、各人に思い入れを感じざるを得ない。子供の時に読んでいれば数学者を目指し
-
Posted by ブクログ
フェルマーの最終定理という史上最強の謎に立ち向かった、ワイルズを中心とした数多の数学者たちの物語。
この書籍は大掛かりな証明が素人にも分かるように説き明かされているというものでは無い。しかしこの証明には、この証明だけでなくありとあらゆる数論には、膨大な時間と歴史とロマンが積み重ねられていることが分かった。その中には日本人の数学者も登場し、世界に多大なる影響を与えたことも描かれており、自分の知らないところで活躍していた日本人を知ることが出来たのも良かった。
サイモン・シンの書籍は常に、難解で抽象的な概念を、誰にでもわかるイメージに置き換えることで納得感を持たせるという素晴らしい力量で構成されてい -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ授業のため仕方なく買った本でしたが、まさかここまで面白いとは思っても見なかった。
これまで先人たちが地球上から星を眺め、考えて実験し、それを後世の人たちが受け継いで解き明かしていく。好奇心というのは非常に素晴らしく、やっぱり研究者は尊敬されるものだなと感じた。
この本の面白いところは、ただ行ったことだけを述べるのではなく、当時の研究者の人間についても描かれているところがあることでより面白くなっていると感じる。
最後のビッグバン仮説に客観的証拠を残した人物が、まさかデータ取るのが好きなだけでそのデータの意味を探ろうとしてないってのがまた面白い。 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
1600年代に生きたフェルマーからの挑戦状とも言えるフェルマーの最終定理と言われる数学の証明。
彼は「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことは出来ない」と書き残して死んでいった。
この本は、これまでの数々の数学者がこの難問に出会い、証明するために人生をかけて戦うといったノンフィクション数学史で熱くなる物語だった。
それこそオイラーやガウスなど聞いたことある数学者もこの難問に挑み、一部は証明したりするも、完全なる証明には辿り着けず、証明できる代物ではないのではと言われるほどに難解で、証明が見つかるまで350年もかかったという、、、。笑
数学における証明とは