【感想・ネタバレ】暗号解読(上)のレビュー

あらすじ

文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

上巻では単アルファベット暗号のエピソードからエニグマ暗号まで。非常に面白い。電報・無線によって通信速度・範囲が飛躍的に伸びたことで暗号の必要性がそれまで以上に高まったという。
色々な暗号が考案されているが暗号解読者は暗号作成者の癖や暗号の利用法の癖・そして頻度分析によって解読していく。
非常に面白い本。エニグマの理屈もよくわかった。

0
2025年05月06日

Posted by ブクログ

暗号技術(解読)の発展を、その必要性や重要性を歴史的背景や関わった人物を描写しながら、知ることが出来る良書です。実は、量子コンピュータって世界のどこかで、もう出来てるんではないかと思いました。

0
2024年09月29日

Posted by ブクログ

夢中になって読めた。こんなの絶対に解けないだろうと自分でも思える暗号が、幾度も解かれていく様は気持ちがいい。説明もわかりやすい。

0
2023年10月02日

Posted by ブクログ

人類の歴史を振り返ると、通信の秘密が敵に知られないことは何よりも増して重要な課題だった。

通信内容が知られるか知られないかで、膠着状態にある物事が一気に解決に向かう。場合によっては、暗号が破られないか否かに人の生命がかかっており、暗号作成と解読を繰り返しながら複雑に進化してきたのが暗号の歴史といってもいいのかもしれない。

最初はごく簡単なカエサルシフト暗号から第二次世界大戦におけるドイツ軍のエニグマまでの変遷が上巻は描かれる。


0
2023年09月18日

Posted by ブクログ

### 上巻

歴史において長い間、暗号作成者と暗号解読者の戦いは、暗号解読者優位が続いていた。(多くの暗号は解読方法が発見されてきた)というのが、現代とギャップがあって面白いポイント。

暗号史において、エニグマ解読にまつわるエピソードがやはり上巻の中で一番の読みどころ。

### 下巻

暗号解読ではないが、類似のものとして古代文字の解読が取り上げられている(古代エジプトのヒエログリフ、古代ギリシャの線文字B)。また、誰も理解できない言語を操るアメリカ先住民ナヴァホ族を暗号通信担当として軍に迎え入れたアメリカ軍の話も面白い。

そして、暗号というものが生まれてからずっと付きまとってきた「鍵配送問題」をついに解決した、RSA暗号の話が暗号史におけるクライマックス。

最後の章では、RSA暗号を解読する可能性を持つ量子コンピュータを紹介する一方、量子コンピュータが更なる強固な暗号を生み出す可能性についても触れている。

0
2024年11月18日

Posted by ブクログ

サイモン・シンの『暗号解読』を一気に読んだ。
これまでにサイモン・シンは『ビッグバン宇宙論』と『数学者の楽園』と『フェルマーの最終定理』を読んだ。サイモン・シンはハズレはないが、その中でも今回の『暗号解読』は最高に面白かった。
紀元前のオリエンタルの古代の単純な暗号から、最新の量子暗号まで、時代を追って色々な暗号技術の歴史が語られている。
しかも基礎知識のない素人でもその暗号の技術がよく理解できるだけでなく、新しい暗号技術の開発とそれの解読に挑戦した科学者たちのドラマと歴史に及ぼした影響を目の前の出来事のように楽しめる。
特に最終章の量子コンピューターと量子暗号に関しては、たった1章が割かれただけなのに、これまで読んだ色々な本と比べても面白くてわかりやすかった。

0
2023年05月07日

Posted by ブクログ

面白かった。ただ途中の詳しい暗号の原理は難しくてさらっと読んだ。世界史選択じゃなくても十分楽しめる。エニグマのところは映画『イミテーションゲーム』で既習ずみだったからより楽しめた。

0
2023年03月02日

Posted by ブクログ

中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。
上巻では、世界大戦後で使われた暗号機エニグマのエピソードが好き。

0
2022年04月16日

Posted by ブクログ

著者は「フェルマーの最終定理」を著した、サイモン・シン。

スコットランド女王のメアリーの処刑という歴史的事件から始まって、カエサル暗号からエニグマまでを解説する。

単に暗号の構造を解説するだけでなく、そこにまつわる歴史的なエピソードもふんだんに盛り込まれている。

0
2022年01月23日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白い本です❕
サイモン・シンさんの本にハズレなしです。
暗号作成者と解読者との壮絶なるストーリーにグイグイ引き込まれます。
現在もこのストーリーの流れの中にあり、量子コンピューターが出来れば、暗号の多くは解読されてしまうみたいですが、その時には別の暗号をもうすでに考えてあるそうです。
世の中には、頭のいい人がいっぱいいるんですねー。
ぜひぜひ、読んでみてください。
お勧めの本です❗

0
2020年10月28日

Posted by ブクログ

本書の「はじめに」から心を鷲掴みにされた。著者のサイモン・シン氏は、一体何者なんだろうか。目次からして言葉選びのセンスが良い。翻訳も読みやすく、一気に青木薫氏のファンになってしまった。エニグマの章では、連合国が情報戦に強いと言われていた理由が分かった。植民地にまでエニグマを配給し、裏ではその暗号を日常的に解読していたなんて、発想が恐ろしすぎる。

0
2020年05月01日

Posted by ブクログ

初期の頃の暗号は自分で頻度分析で手を動かして解けた。
解けたときの快感たるや。
エニグマは、大学入試の英文に出てきたときに初めて知ったが、それをこんなに分かりやすく知れるのは素晴らしい。

0
2020年03月04日

Posted by ブクログ

サイモンシンのノンフィクションは信頼できる。
難しいことが説明されているはずなのにグイグイ読める。

0
2019年10月31日

Posted by ブクログ

暗号の歴史について、科学史の大家、現代のカール・セーガンともいうべきサイモン・シンが紐解いた本。
上巻はスコットランド女王メアリーからエニグマ解読まで。相変わらずドラマチックだし、メアリー女王は勿論、ヴィジュネルやバベッジ、チューリングなど題材に魅力的登場人物が多いのも良い。エニグマの解説はどうしてもややっこしいので一般本だとこの本の解説が限界かなぁ。
とはいえ元の情報を巧みにデタラメな文字列にする暗号発明者と、デタラメな文字列から巧みに法則性を見出す暗号解読者。この2つの視点で書くことで従来の解説本よりも暗号の面白さが際立ってる。こうしてみると暗号技術は理論と職人芸の切磋琢磨により成長してきた事がわかる。

0
2025年08月09日

Posted by ブクログ

暗号と共に時代の歴史が知れた。
暗号解読の挑戦状もあり解いてみたけど、読んでて胸が熱くなる。
いつの時代の戦争にも数学者や科学者が犠牲になることがはっきりと分かる。
映画だとオッペンハイマーとか。
上巻は陰謀からの暗号の歴史から量子暗号までがテーマになり、量子暗号のところは読んでいて本当に面白かった
量子暗号VS明晰な頭脳。
人間はここまでできるんだ!?という驚きもあった。

0
2025年06月28日

Posted by ブクログ

ゆるコンピュータ科学ラジオというポッドキャストで紹介され、興味を持って読み始めました。過去に、サイモン・シン氏の「フェルマーの最終定理」を読んだことがありましたが、本書も期待を裏切らない内容だと思います。ただ、作品そのものはすばらしいのですが、ラジオで概要と面白ポイントを聞いてしまっていたので、ほとんどの情報は新鮮さを欠いてしまった点が残念でした。良書は前情報なしで読むに限る。

0
2024年11月10日

Posted by ブクログ

アラン・チューリングは現代のコンピュータの基礎を作った人なので、もっと多くの人に知られるべきだと思った。チューリングのように活躍した人でも、その社会の中で差別されてしまうと、生きてきけないことに恐ろしさを感じた。そういう人たちがいることで今があることを再認識させられた。

0
2024年03月05日

Posted by ブクログ

YouTubeの「ゆるコンピュータ科学ラジオ」で『暗号解読』が取り上げられていたのがきっかけで手に取りました。
暗号の世界については何も知識がない状態から読んだので、古代で使われていたシーザー暗号からヴィジュネル暗号、エニグマ機までどれもワクワクしながら興味深く読みました。
上巻の最後、エニグマ機の詳しい解説などは私には難解すぎたのでサーっと読んでいきましたが、知識を持たない人にもわかりやすく書いてくれている印象を受けました。

0
2023年07月28日

Posted by ブクログ

暗号開発と暗号解読の歴史本。
素人も暗号の仕組から理解できます。

暗号の歴史に与えた影響の大きさと、その特性ゆえに生きてる間に功績が認められなかった人々の存在に心震える。

エニグマの凄さとか、暗号鍵の大切さとか、お腹の底に響きました!

0
2023年07月12日

Posted by ブクログ

暗号化する人と、解読する人の闘いは、とても数学的で文化的でドラマチックだ。戦争での暗号解読技術の重要性が本当に良くわかる。(下)ではどんな物語が繰り広げられるのか楽しみだ。

0
2020年06月26日

Posted by ブクログ

さすがサイモン・シン。難しい内容をかくも分かりやすく時系列で説明してくれる。
ただ一点だけ、上巻の補遺は上巻末に入れといてほしかった・・

0
2020年02月22日

Posted by ブクログ

文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、豊富なエピソードとともに描き出す

0
2019年09月01日

Posted by ブクログ

古代ギリシアからWW2まで。信書から有線通信、そして無線通信が普及する時代における暗号作成者と暗号解読者の知恵比べの物語。本書の半分以上はナチスドイツの暗号機械「エニグマ」の機構と、ポーランド軍とイギリス軍による解読プロセスについて。エニグマの機械そのものではなく、「鍵」こそが解読にとって重要であったというのはなるほど!だった。

0
2019年05月01日

Posted by ブクログ

スコットランド女王メアリーの処刑など暗号解読にまつわるエピソードに絡めて暗号を解説。エニグマの仕組みの概要がわかるので映画イミテーションゲームの暗号解読機がガチャガチャ回転しているのが、何をやっているのか理解できる。チューリングのエニグマ解読の背景にポーランド人の貢献があったのを初めて知った。
(2015年6月)

0
2020年03月24日

Posted by ブクログ

ずっと放置していたのをようやく読んだ
暗号の起こりと解読の歴史
上巻のラストが第二次大戦ということで、下巻はコンピュータ関連目白押しになるのかな

エニグマって言葉は聞いたことあったけどよくわかってなかった
暗号生成の仕組みから解読方法までしっかり解説されてて満足

0
2025年05月11日

Posted by ブクログ

『フェルマーの最終定理』が面白かったので、こちらも読んでみた。
結果的にいうとフェルマーの最終定理ほどはハマれなかったが、アメリカ軍が先住民族の言葉を暗号に使った話や、古代文字の解読などはとてもおもしろくよめた。上下どちらも⭐︎3にしているが、厳密にいうと上⭐︎3、下⭐︎3.5といったところ。
戦時中暗号に纏わる場所で活躍していた人々が、秘密保持の観点からその活躍を世間に長い間知られてはいけなかったのは切ない話である。
下巻のエピソードの感想は下巻のレビューに。

0
2023年06月20日

Posted by ブクログ

暗号の歴史、諜報活動の物語。暗号方式の説明は理解が厳しく、読み飛ばすが、人間模様はなかなか面白い。サイモンシンさんの著書は、フェルマーの最終定理がとてもおもしろかったので、これも読んでみ。あれほどハマれなかったな。

0
2021年01月01日

Posted by ブクログ

難解さゆえに知的好奇心をくすぐる作品です。
人類が生み出した最も知的パズルである暗号の歴史をできるだけわかりやすく解説しようと努力している意図が伝わり(にもかかわらず、十分に難解です)、その発展の歴史は戦争という野蛮な行為抜きには語ることができないのも皮肉ですが・・
暗号は、他人に知られたくない秘密の文書を直接伝えることのできない相手に届けるために発明されたものですが、暗号を考える人と解き明かす人との攻防により、より高度で難解な暗号として発展することになりました。
特に、死命を決する戦争という状況での伝令はまさに国家の存亡がかかっているわけで、科学者や数学者たちが戦争協力者として極秘に招集されチームとして解読に当たっていましたが、(下巻で難攻不落で有名な「エニグマ暗号」にチャレンジした孤高の天才、アラン・チューリングがでてくるあたりではやっと知っている事例がでてきたこともありホッとします)、結局は彼らの功績や貢献は戦後も機密扱いとされ正当な評価を受けずにいたという事実は悲しい話です。
それにしても、当時のドイツ軍暗号の難解さは、ゲルマン民族の知的水準の高さを表しており(音楽や小説などの芸術分野でも秀でている)、連合軍が苦しめられていた様子がよくわかります。
そして、現代における暗号はネット社会での安全性の担保(個人情報が漏洩しない、勝手に国家権力に利用されることがないなど)という大事な役割を担っているようです。とはいえ、こうした暗号の発展を手放しで喜ぶのは危険で、近未来での量子コンピューターの登場は、おそらくネット社会の存続自体を不可能にしてしまう危険性がある(どんな暗号も意味をなさない)点は留意しておくべきでしょう。
1999年出版の原書では、作者から懸賞問題が提示されており、(2000年10月1日までに全問(または最も多く)正解した人に1千ポンド(約15万円)と栄誉が与えられるとされ、2000年10月7日にスウェーデンの5人組によって全問正解された)、巻末にには問題と解答と解説が収録されていますが、私はさっぱり内容が理解できませんでした。
サイモン・シンの翻訳を数多く手掛ける青木氏が本書のあとがきで、暗号の歴史を読み解くアプローチには軍事面や数学面にフォーカスすることもできたのだろうが、あえて人間に焦点を置くことで、「血なまぐさい謀略や裏切りの連続であるはずの暗号の歴史が、卑小も偉大もひっくるめた愛すべき人間の営みとして浮かび上がってくる」からこそ感動があると、本書の魅力を的確に言い表しています。
そう、これだけ難解な本がベストセラーになるのにはちゃんとした理由がありました。

0
2019年11月05日

Posted by ブクログ

セキュリティを一から理解するために。本書上巻では、戦時中くらいまでの暗号解読の歴史を振り返っている。一言でまとめると、何らかの規則性が見つかる(たとえば文字の頻度分析など)と、そこを起点に暗号は解読されてしまうということ。読み物としても面白かった。

0
2021年08月08日

Posted by ブクログ

上巻は、初歩的な暗号の構造と、初期の素朴な暗号から一段ずつ複雑になっていき第二次大戦頃の機械化されてその複雑さを一挙に増した暗号までの歴史が語られている。暗号にまつわるおもしろいエピソードを入れながら、複雑で難しい暗号の仕組みを分かりやすく説明していて、相変わらず(つまり、『フェルマーの最終定理』と同様)科学の楽しい読み物になっている。ただ、時代とともに複雑になっていく暗号の解読法の発見のされ方が、色々なところに存在している“パターンの抽出”ということで、毎回似通っているように思えてくるのが難点。

0
2023年10月13日

「ノンフィクション」ランキング