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文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!
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Posted by ブクログ
暗号解読(上) 著:サイモン・シン 出版社:新潮社 新潮文庫 シ 37 2 国家にとって、国を治め、軍を動かすためには効率的な通信手段が不可欠であることを支配者たちは知っていた。それと同時に支配者たちは、メッセージが正当な受信者以外の人物に渡ったり、貴重な秘密がライバル国家に奪われたり、重要な情報...続きを読むが敵の軍隊に漏れたりすればどうなるかもよく理解していた。 孫子は、謀攻篇に彼我の情報量が勝利へ直結すること、そのために、用間篇に何種類ものスパイの運用方法をも、記載している。 重要な情報を敵に知られることなしに、離れた味方に伝える手段こそ、暗号なのである。 暗号は、数学、言語学、情報理論、量子論などの広範な学問を支えとして、いまも重要なポジションにとどまったままだ。 本書は、 第1次世界大戦は、毒ガスなどの化学者の戦い 第2次世界大戦は、核兵器などの物理学者の戦い 第3次世界大戦がおきるとすれば、情報を中心とした数学者の戦いになるであろうと語っている スコットランド女王メアリのエリザベス1世への反逆について、つたない暗号を使った手紙が証拠となった。エリザベスは、メアリを処刑することまでを考えてはいなかったが、その手紙をもって、処刑執行書へサインをせざるをえなかった。 古代ギリシアとペルシアの戦い、ペルシャの意図を事前に察知し、軍艦を建造して、ペルシア軍の到着を待ち構えていたギリシャ軍は、一夜にして、ペルシアの大軍を大敗に追い込んだ クリプトグラフィ(暗号化)、ステガノグラフィ(蝋や薬品をつかった隠ぺい)前者が歴史の主役だ カエサルの換字式の暗号、カエサルのシフト・サイファーという 2001年宇宙の旅での、IBM→HALだ。 アラビアにも、アダブ・アル・クッターブという行政書に暗号の説明がある 旧約聖書にも、暗号の記載がある。ヘブライ語の換字式暗号、アトバシュである。 施政者は、いかなる時代でも、情報の重要性に最新の注意をはらってきたのである 暗号技術は、15世紀のヨーロッパで高度化をおこなう 単語の文字に着目するもの、もっとも多いのがe、アルファベットの各文字の出現率でその暗号を特定する時代 現在も、LLMなどに用いられている、コーパスなどで、単語通しの出現の頻度などが、暗号解読の手引きとなっていく。単アルファベット換字式という。 ホモフォニック:aやeなどの出現率の高い単語に其の率に応じて、記号を割り当てていく方法、そこから連接特徴という解読法が生み出されていく ルイ14世の大暗号:単なるホモフォニックでも換字式でもない極めて強度の高い暗号であった 多アルファベッドで暗号化されたメッセージをモールス信号で送信する、これがヴィジユネル暗号と呼ばれる、当時解読不要といわれた暗号である ヴィジュネル暗号が解読されてからしばらくは、暗号の発展はなかった 19世紀に3つの文書を組み合わせはビール暗号が世に出た そして、3つのスクランブラーを組み合わせたドイツのエニグマという暗号が登場した 1926年にドイツの使用しているメッセージの中に解読不能なものが混じるようになっていた。それがエニグマであった。 エニグマは、最初誰にもよめなかった。当時最強といわれたドイツ軍は、アルザス・ロレーヌの回復後、割譲されたポーランドの旧領の回復をもくろんでいた。そのために、ポーランドは、エニグマの解読により、ドイツの意図を探ろうとしていた エニグマは、軍内の裏切り者、恐怖のポーランドによる努力、そして、戦時中のコードブックなどにより少しづつ解読されていった。 大事なこと ①戦争を始める前は、暗号体系を一新して、時間を稼ぐ ②解読しても解読できたことを決して悟られてはいけない。なぜなら、これまでの努力をふいにすることだから ③暗号は暗号化し、そして、平文に復元する。多忙を極めるオペレーター、うっかりミスを起こすことある。そこがつっこみどころだ。 結果として、独伊日の枢軸国がつかっていた暗号は、すべて連合国に解読されて、かれらの意図する方向へと 導かれた。 偶然を意図されたミッドウェイ海戦、山本提督の死、コードブックを奪われる条件で作戦を立案すべきであった。 情報とは、まさに国家の生死をきめる、重要な事項なのである。 ISBN:9784102159729 判型:文庫 ページ数:352ページ 定価:750円(本体) 2007年07月01日発行 目次 <上巻> はじめに 第1章 スコットランド女王メアリーの暗号 “秘密の書記法”の進化 アラビアの暗号解読者たち 暗号文の頻度分析 西洋のルネサンス バビントン陰謀事件 第2章 解読不能の暗号 ルイ十四世の大暗号と鉄仮面 ブラック・チェンバー バベッジ対ヴィジュネル暗号 私事通信欄から埋蔵金まで 第3章 暗号機の誕生 暗号の聖杯 暗号機の発達―暗号円盤からエニグマまで 第4章 エニグマの解読 鳴かないガチョウたち コードブックの奪取 匿名の暗号解読者たち <下巻> 第5章 言葉の壁 失われた言語と古代文字の解読 線文字Bの謎 “つなぎ”音節 馬鹿げた脱線 第6章 アリスとボブは鍵を公開する 神は愚か者に報いたまう 公開鍵暗号の誕生 最有力候補―素数 公開鍵暗号―もう一つの歴史 第7章 プリティー・グッド・プライバシー 大衆のための暗号―か? ジマーマンの名誉回復 第8章 未来への量子ジャンプ 暗号解読の未来 量子暗号 付録 暗号に挑戦―一万ポンドへの十段階 補遺 謝辞 訳者あとがき 文庫版のための訳者あとがきー「史上最強の暗号」解説
暗号の歴史はすなわち作成者と解読者の争いの歴史。重要な役割を果たした暗号ごとにその仔細が描かれ、「これは解読できないだろう」を裏切り続ける構成でめちゃくちゃ面白い。特に悪名高いナチスドイツのエニグマや、ピエログリフの解読は最高のドラマ。 かくしてサマーウォーズにも出てきたRSA暗号が君臨し、作成者...続きを読むが勝利を掴んだ。素数の掛け算は一瞬でもその素因数分解には地球上のすべてのコンピュータを繋いでも途方もない時間がかかる、単純な理屈に基づいているのがこと美しいが、それを文明もろとも瞬殺できる量子コンピュータが誕生したときにどちらが勝利するのか、あるいは両成敗なのか、(コンピュータ自体が存在しないのに)その答えまで示されていて天晴れである。
タイトルで暗号物の推理小説かと思って買ったら、まさかの解説本。 が、実際あった暗号の解法や歴史が書かれていて、物語としても面白く、章毎に異なる種類の暗号を取り上げていて、章別に繰り返し読み返している。
まだ上巻だけだが、かなり面白かった。 子供の頃、僕は暗号作りをしたことがあった。日本語の平文をまずローマ字に置き換えて、母音と子音に分解した。それぞれの母音に1から5の数値を与えて、一桁目として、子音を同じように数値化して二桁目に使用した。友達に見せたら、仕組みを見破られた。一桁目の数値のパターン...続きを読むが少ないこと、濁音の表現が"を使っていたことで、大体わかったのだそうだ。 それから数年後、ひょんなことから点字の並びを見かけて、とてもおどろいた。日本語の点字は、まさにぼくが子供の頃作った暗号と思想が似ていた。数値ではなく点になっているだけだ。ぼくは、誰にもわからないように作った暗号は、盲目の人の会話をするための文字だった。それ以来暗号は作っていない。いまこうして、誰かが本に興味を持ってもらうような文章をなんとか自分の経験と照らして、できないかと考えている。 本書では、稀代のサイエンスライターのサイモンシンさんの名著だ。前回オックスフォード大卒業の彬子女王の本を読んだので、ケンブリッジ大学の方の本を読もうと思ったのだった。 最高に面白い。どんどん深刻なことを扱うことになる暗号と、大型化して複雑になっていく仕組みと、結局は鍵とか暗号表のノートを盗まれたら終わりという、アナログというか初歩的なことに落とし穴があって気が付かなかったり。 上巻があまりにも暗号の終わりとしてどうしようもない状況だったので、下巻でまだ話すべきことがあることに、本当の著者の腕がかかっているのだなと思うところだ。
上巻では単アルファベット暗号のエピソードからエニグマ暗号まで。非常に面白い。電報・無線によって通信速度・範囲が飛躍的に伸びたことで暗号の必要性がそれまで以上に高まったという。 色々な暗号が考案されているが暗号解読者は暗号作成者の癖や暗号の利用法の癖・そして頻度分析によって解読していく。 非常に面白い...続きを読む本。エニグマの理屈もよくわかった。
暗号技術(解読)の発展を、その必要性や重要性を歴史的背景や関わった人物を描写しながら、知ることが出来る良書です。実は、量子コンピュータって世界のどこかで、もう出来てるんではないかと思いました。
夢中になって読めた。こんなの絶対に解けないだろうと自分でも思える暗号が、幾度も解かれていく様は気持ちがいい。説明もわかりやすい。
人類の歴史を振り返ると、通信の秘密が敵に知られないことは何よりも増して重要な課題だった。 通信内容が知られるか知られないかで、膠着状態にある物事が一気に解決に向かう。場合によっては、暗号が破られないか否かに人の生命がかかっており、暗号作成と解読を繰り返しながら複雑に進化してきたのが暗号の歴史といっ...続きを読むてもいいのかもしれない。 最初はごく簡単なカエサルシフト暗号から第二次世界大戦におけるドイツ軍のエニグマまでの変遷が上巻は描かれる。
### 上巻 歴史において長い間、暗号作成者と暗号解読者の戦いは、暗号解読者優位が続いていた。(多くの暗号は解読方法が発見されてきた)というのが、現代とギャップがあって面白いポイント。 暗号史において、エニグマ解読にまつわるエピソードがやはり上巻の中で一番の読みどころ。 ### 下巻 暗号解...続きを読む読ではないが、類似のものとして古代文字の解読が取り上げられている(古代エジプトのヒエログリフ、古代ギリシャの線文字B)。また、誰も理解できない言語を操るアメリカ先住民ナヴァホ族を暗号通信担当として軍に迎え入れたアメリカ軍の話も面白い。 そして、暗号というものが生まれてからずっと付きまとってきた「鍵配送問題」をついに解決した、RSA暗号の話が暗号史におけるクライマックス。 最後の章では、RSA暗号を解読する可能性を持つ量子コンピュータを紹介する一方、量子コンピュータが更なる強固な暗号を生み出す可能性についても触れている。
サイモン・シンの『暗号解読』を一気に読んだ。 これまでにサイモン・シンは『ビッグバン宇宙論』と『数学者の楽園』と『フェルマーの最終定理』を読んだ。サイモン・シンはハズレはないが、その中でも今回の『暗号解読』は最高に面白かった。 紀元前のオリエンタルの古代の単純な暗号から、最新の量子暗号まで、時代を追...続きを読むって色々な暗号技術の歴史が語られている。 しかも基礎知識のない素人でもその暗号の技術がよく理解できるだけでなく、新しい暗号技術の開発とそれの解読に挑戦した科学者たちのドラマと歴史に及ぼした影響を目の前の出来事のように楽しめる。 特に最終章の量子コンピューターと量子暗号に関しては、たった1章が割かれただけなのに、これまで読んだ色々な本と比べても面白くてわかりやすかった。
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