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当時最強を誇ったドイツ軍の暗号機はいかにして破られたのか。「戦争の世紀」が「情報の世紀」へと移り変わるなかで、数学者たちの攻防は続く。RSA暗号、PGP暗号、量子コンピュータ、量子暗号……。ネットや銀行を始め、知らずに我々の周囲に溢れる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に秘められた人間ドラマを解き明かす傑作ノンフィクション。巻末に「史上最強の暗号」とその解答を収録。
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Posted by ブクログ
暗号解読 下 原作:サイモン・シン 訳:青木 薫 出版社:新潮社 新潮文庫 シ 37 3 下巻のはじまりは、暗号ではなく、言語と、古代文字の解読である。暗号は、言語に通暁している者が適しているといわれていて、ヒエログリフなどの解読の手法と暗号との対比による解説である。 もともと、敵が知り得ないよ...続きを読むうな言語があれば、その言語で対応していれば、平文でも全く問題はない。太平洋戦争の中で、ナヴァホ暗号といわれた言語がそういった使われ方をしている。 そういえば、映画でマンハッタンで、敵にかこまれた工作員どうしが、アフリカ戦線で覚えた言語でコミュニケーションを図っているのを思い出した。 次にヒエログリフである。その解読は、ロゼッタストーンである。エジプトで発見されたその石板には、ヒエログリフ、デモティック、ギリシア文字の3段に同じものが書かれていると推定されていたが、依然としてヒエログリフの解読には時間がかかった。なぜなら、解読者たちは、ヒエログリフは、アルファベットと同様な表音文字ではなく、漢字と同様、表意文字であるとおもっていたから。 やがて、王の名前を記載したカルトゥーシュに、パターンを見出す。解読事業を引き継いだシャンポリオンは、そのパターンが有名な王、ラムセスであること突き止める。最初のヒエログリフが解読されたのだった。 シャンポリオンは成果として、「ヒエログリフ体系要約」を発表し、実に1400年ぶりに、ヒエログリフは、言語としてよみがえった。ヒエログリフとは、コプト語の表音文字であったのだ。 その後、アテネの線文字Bなどの解読がすすめられていく。記号に数字が振り分けられて、そのパターンを推定していく。暗号解読と同様の手法が適用されていく 次に、20世紀のドイツの暗号、エニグマの解読現場にもどってくる。 エニグマ解読のために作られた、コロッサスという機器、それが、やがて、プログラミングができるコンピュータへと結びついていく。世界最初のコンピュータはENIACではなく、コロッサスなのだ。 コンピュータについては、DES暗号、公開鍵と、秘密鍵の組み合わせによるもの、素数のかけ算としてのキーだったり、モジュラー算術というのがでてきて、素数の剰余系など鍵の配送問題の結果の発明であったことなどの解説が続く RSA暗号がきれいな公開鍵システムと解説がある 最後は量子暗号での解説で終わる。その解読能力は、解読不能な暗号を指数的な能力で行うことが予想されて、銀行などが水面下で研究を進めている状況と伺う。 楕円暗号(ECC)などの記述はすくなかったが、現代数学の発達により、符号化、暗号化の発展が目のつかないところで進められているに違いない。 ISBN:9784102159736 判型:文庫 ページ数:384ページ 定価:710円(本体) 2007年07月01日発行 目次 <上巻> はじめに 第1章 スコットランド女王メアリーの暗号 “秘密の書記法”の進化 アラビアの暗号解読者たち 暗号文の頻度分析 西洋のルネサンス バビントン陰謀事件 第2章 解読不能の暗号 ルイ十四世の大暗号と鉄仮面 ブラック・チェンバー バベッジ対ヴィジュネル暗号 私事通信欄から埋蔵金まで 第3章 暗号機の誕生 暗号の聖杯 暗号機の発達―暗号円盤からエニグマまで 第4章 エニグマの解読 鳴かないガチョウたち コードブックの奪取 匿名の暗号解読者たち <下巻> 第5章 言葉の壁 失われた言語と古代文字の解読 線文字Bの謎 “つなぎ”音節 馬鹿げた脱線 第6章 アリスとボブは鍵を公開する 神は愚か者に報いたまう 公開鍵暗号の誕生 最有力候補―素数 公開鍵暗号―もう一つの歴史 第7章 プリティー・グッド・プライバシー 大衆のための暗号―か? ジマーマンの名誉回復 第8章 未来への量子ジャンプ 暗号解読の未来 量子暗号 付録 暗号に挑戦―一万ポンドへの十段階 補遺 謝辞 訳者あとがき 文庫版のための訳者あとがきー「史上最強の暗号」解説
暗号の歴史の鉄板本。歴史ではなく暗号の作り方・解き方まで分かる。しかもそれがとても面白く描かれている。2000年以上にわたる暗号の歴史をまとめているため、個々のエピソードは専門書を読んだほうがもちろん詳しいが、この本だけでも十分にその面白さが伝わるし暗号や古代の言語が理解できる。素晴らしい本だ。 ...続きを読む古代の失われた言葉も暗号として、その解読の歴史を紹介。ヒエログリフ・線文字B。戦時中に使われたナヴァホコード。 暗号の大問題「鍵配送問題」=鍵をどうやって送るのかの解決の歴史。RSA暗号の解説。 暗号とプライバシーの解説(この章はかなり時代遅れ) 最後に量子暗号の紹介。
上下巻をやっと読み終えた。上巻でエニグマ暗号を扱った時点で、もうネタがないのではないかと思ったら、さらに現代使用されている「公開鍵」を使用した暗号のことを扱い、ビットコインの仕組みまで解説されている。補講や懸賞問題もあって至れり尽くせりだ。 フェルマーの最終定理が抜群に面白かったので読み始めたが、...続きを読む本質や骨子を理解できる優しい例えが導入されていて、科学をなるべく面白く語るスタイルは貫かれている。
上巻読破後に購入。 暗号とは別視点の他国言語、古代語を取り上げた章があり、これがかなり面白く、言葉も一種の暗号かと思うと日常目に飛び込む外国語を見ると少しワクワクする。
### 上巻 歴史において長い間、暗号作成者と暗号解読者の戦いは、暗号解読者優位が続いていた。(多くの暗号は解読方法が発見されてきた)というのが、現代とギャップがあって面白いポイント。 暗号史において、エニグマ解読にまつわるエピソードがやはり上巻の中で一番の読みどころ。 ### 下巻 暗号解...続きを読む読ではないが、類似のものとして古代文字の解読が取り上げられている(古代エジプトのヒエログリフ、古代ギリシャの線文字B)。また、誰も理解できない言語を操るアメリカ先住民ナヴァホ族を暗号通信担当として軍に迎え入れたアメリカ軍の話も面白い。 そして、暗号というものが生まれてからずっと付きまとってきた「鍵配送問題」をついに解決した、RSA暗号の話が暗号史におけるクライマックス。 最後の章では、RSA暗号を解読する可能性を持つ量子コンピュータを紹介する一方、量子コンピュータが更なる強固な暗号を生み出す可能性についても触れている。
単アルファベット暗号から量子暗号まで、非常にわかりやすい文体で書かれており、暗号・数学に無知な素人でも最後まで楽しく読むことができた。 量子力学に簡単に触れている部分では、多少頭が混乱したが、そう言うものだと思って割り切って読めば案外なんとかなった。 汎用的な量子コンピュータが開発されるのはまだま...続きを読むだ先のことかもしれないが、量子コンピュータ≠既存のコンピュータということを理解するためだけでも、この本を読む価値はあったと思う。 もちろん、難攻不落とされる量子暗号の解説も非常にわかりやすく、量子コンピュータの可能性についても大いに考えさせられた(取らぬ狸の皮算用かもしれないが…)。
サイモン・シンの『暗号解読』を一気に読んだ。 これまでにサイモン・シンは『ビッグバン宇宙論』と『数学者の楽園』と『フェルマーの最終定理』を読んだ。サイモン・シンはハズレはないが、その中でも今回の『暗号解読』は最高に面白かった。 紀元前のオリエンタルの古代の単純な暗号から、最新の量子暗号まで、時代を追...続きを読むって色々な暗号技術の歴史が語られている。 しかも基礎知識のない素人でもその暗号の技術がよく理解できるだけでなく、新しい暗号技術の開発とそれの解読に挑戦した科学者たちのドラマと歴史に及ぼした影響を目の前の出来事のように楽しめる。 特に最終章の量子コンピューターと量子暗号に関しては、たった1章が割かれただけなのに、これまで読んだ色々な本と比べても面白くてわかりやすかった。
中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。 下巻では、アメリカ先住民のナヴァホ族の言葉があまりに聞き分けづらくて、世界対戦でも暗号として利用されていたエピソードが好き。
線文字Bの解読、公開鍵を持つ暗号の開発、そして実用化されつつある量子コンピューターと量子暗号について解説されている。 技術的(数学及び量子力学)なことにも踏み込んで説明されており、読み応えがあるが、丁寧に読んでいけば十分に理解できる。 これだけ調べ上げ、わかりやすく表現した著者に脱帽である。また...続きを読む、訳者もわかりやすい日本語に翻訳することに注意を払っていることがわかる。
暗号技術についてはもちろんのこと、歴史、数学、軍事、政治、計算機技術等々、多様な分野への興味を掻き立てられた。
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