遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

小説・文芸
3,300円 (税込)

16pt

遺伝とはくじ引きのようなもの――だが、生まれつきの違いを最先端の遺伝統計学で武器に換えれば、人生は変えられる。〈遺伝と学歴〉〈双子〉の研究をしてきた気鋭の米研究者が、科学と社会をビッグデータでつなぎ「新しい平等」を指向する、全米で話題の書。サイエンス翻訳の名手、青木薫さんも絶賛する、時代を変える一冊だ。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とても読みやすい、とは言えないけど、必読。こうした遺伝の影響を考慮に入れずに、平等とか教育などは議論できない。ただ、とてもセンシティブで、繊細な理解が必要で、単純化するととても害のある暴力的なものになってしまう。理解も難しいが伝え方も難しい。平等も教育も、それこそこれからの国家や人類の行く末にとっても重要な課題で、この本に書かれているのはその根幹をなす知識なわけで、本当に重要なんだけど、単純化しないでちゃんと理解する必要がある。地道に読んで理解する価値あるし、そういう人が増えてほしい。

    0
    2024年07月05日

    Posted by ブクログ

    遺伝に関する言説について、特に優生学に繋がっていくような言質が蔓延っている中、決定論的に全てを形作るものではないが、人生の成り行きを形成する重要なファクターであるということを認識した上で、どう平等を実現するか、という思考への過程が記されていて、目が覚める思いでした。

    遺伝による差は確かに存在するが、その生まれながらに得た人間の価値と、社会的に価値づけられた価値を混同してはならない、という言葉には、昨今の社会的な雰囲気に一つ明かりが見えた様な感覚になりました。

    0
    2024年01月01日

    Posted by ブクログ

    三代遡れば8人分。我々は先祖代々受け継がれるものをランダムに配置されてきた。人は生まれながらにして違う。それを認めなければ格差はなくならない。得手不得手は遺伝子が決める。機会均等にしても結果には運が左右する。何が優位かは時代で変化する。バリエーションの多さは種の存続のため。更に、自由主義経済では消費が生産を促す。富の独占では生まれる価値に偏りが出る。優勢思想は今この時代をも衰退させる。苦手なことは補完されて、得意なことは活かされる。出来も不出来も受け入れて、素の姿を尊重する。そんな社会を目指していきたい。

    0
    2024年08月13日

    Posted by ブクログ

     著者はテキサス大学の心理学教授。本作が処女作ということになるようだ。訳者は「フェルマーの定理」の訳で有名な青木薫氏、最近ではブライアン・グリーンの大著「時間の終わりまで」などがあり、科学啓蒙書の翻訳には定評がある。本書もそれらの例に漏れず訳がこなれていて読みやすい。
     
     著者の主張は本書で幾度となく言及されているように、政治哲学者ジョン・ロールズの思想の強い影響下にある。ロールズによれば、「遺伝子セット(自然的偶発性)」と「社会的環境(社会的偶発性)」は、内在的であるか構築的であるかの違いはあれど、どちらも人間の表現型(実際に発現し測定可能な特質)に作用し、人生の広範な局面に影響を与えるのであり、道徳的見地から甘受すべからざる不平等の原因であることには変わりない。

     従って、前者は絶対的で後者は相対的だとする〈優生学〉の立場は、遺伝の存在を理由にそこから生ずる社会的不平等を放置する無責任なニヒリズムだということになる。また、本来価値中立的な遺伝的情報の差異を即座に社会構築的な(主に西洋白人種を中心とする)価値のヒエラルキーに還元してしまう伝統的な価値基準についても、遺伝子が社会的「価値」に与える影響を吟味せず、生得的なものに盲目的に価値を割り振ろうとする硬直的な価値判断基準であると批判する。
     さらに、そもそも不平等の原因を炙り出すような遺伝子セットの研究自体を不道徳であるとして忌避しようとする〈ゲノムブラインド〉の立場も、不平等と「暗黙の共謀」関係に立っているとして強い批判の対象とする。個体差に遺伝の影響が存在することを認めることと、遺伝の結果生じる不平等を放置することは全く異なるというわけだ。
     上記2つのアプローチを批判した上で、著者は〈アンチ優生学〉の立場に立って公平性に関する政策を遂行すべきだと説く。

     双子研究の成果によれば、現在各国で用いられているゲノムブラインドなアプローチは、貧困世帯における認知能力の遺伝率(=遺伝子の表現型に対する影響度合)を低める、いわば優秀な遺伝子の発現率を阻害するように作用しているという。著者はそのように「高い方を削って全体を均す」のではなく、社会にとって遺伝的に最も不利な因子を持つ人々を遺伝子検査によって特定した上で、それらの人々が幸福な生を生きるために必要なリソースを割り振ろう、と主張する。このように本書には、「構築的であるにすぎない現代社会の価値観に照らして、生得的に有利な因子を持って生まれてきた幸運な個人は、その恩恵を社会に還元すべきである」という、ノブレス・オブリージュ的な発想が根底にある。

     先述のロールズの提唱した有名な概念に「無知のヴェール」があるが、遺伝子検査にはこれと同じような機能があるのだ、というのが本書の梗概なのだと思う。無知のヴェールを被れば個々の前提条件が取り除かれ、最も不利な立場に立って公平とはなにかが考察できるようになる。同様に、遺伝子検査によってどのような遺伝子型が最も不利な表現型につながるのかがわかれば、その遺伝子と表現型の間の長い因果の鎖のどこにどのように介入すべきかを判断する際の不確定要素が取り除かれる事になるのだ。「遺伝子研究の歩みを止めるな、なぜならそれは単に功利的ではない公共の福祉、真に道徳的な公平性につながるのだから」という力強いメッセージを感じた。

    0
    2024年06月11日

    Posted by ブクログ

    遺伝と「平等」と言うと、優生学とか過去の色んな犯罪学とか絡んできて若干引くところがある。

    筆者も、それは否定しないし、実際過去にはそれが利用されて来たのも事実。

    だが、社会的成功や人生に、「遺伝」が絡んでいることは、否めない事実であり、それに目を瞑ることもまた、誤りにつながると論ずる。

    前半は、様々な遺伝に関わる研究の成果、手法の進歩、問題点について触れ、遺伝の影響を排除は出来ないことを述べ、後半でそれを前提にした上で、では、どう言う社会を作っていくのが望ましいのかを説明していく。

    いい内容だと思う。

    環境ガチャと遺伝ガチャは事実であるが、いくつかの特定の遺伝子に起因する病例などを除くと、極めてたくさんの因子が絡んでくる為、簡単にこの遺伝子が決定的とは言えない。あくまで統計と確率の問題ではあるが、それでも確実に、傾向はある。

    遠くから見ればはっきりするが、近づくほどぼやけると言う言葉もいいな。

    そうして、そうして「不平等」を一番背負った人が幸せになるための適切な介入はなされるべき。

    生まれ持ったものを「手柄」には出来ない。
    自分が何であるか、何になるのかが不明な状況で社会は設計されるべき。

    感謝と謙虚と援助だな。

    0
    2024年02月20日

    Posted by ブクログ

    遺伝的性質は、人々の人生における運の問題であると説く本。
    この本のおかげで社会学?の講義の内容をやっと納得できました。

    0
    2026年03月03日

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    各種研究の結果は肌感覚に照らしても納得感が強かった。現代の知識社会で高い評価を受けがちな能力・特性に、遺伝はまあまあ影響している。

    個人的には「遺伝学を優生学と混同しないで!」と言うためにどれだけ紙幅を割くのか……と感じてしまった。
    内容の割に文が重たい。それだけアメリカの状況が複雑だということなのかもしれない。

    0
    2024年05月06日

    Posted by ブクログ

    優生学や人種主義と結びついた遺伝学の悪歴史が「人は皆同じ」に固執させ、最新テクノロジーとなった遺伝学の活用を妨げている。同じ遺伝子でも社会や成育環境が異なれば成り行きが変わるとはいえ、適切に使えば効率的な介入や政策が可能になる。

    社会のタブーになってたり、一部の人たちだけのメリットになってたりじゃなくて、ほんとに、適切に扱えるようになるといいと思います。

    0
    2024年01月02日

    Posted by ブクログ

    遺伝の影響は軽視もできず、かといってタブーもしてはいけない。咀嚼が難しい本。ただ、我々はたまたまうまくいっている、という点を心には留めておきたい

    0
    2023年12月31日

    Posted by ブクログ

    少し内容的には難しかったが、今まで人を分ける時にはそれは優生論となってしまい、あまり遺伝と人の関係は研究されて来なかった。

    だけども、人は誰しも違う遺伝子に生まれ、それが個性として現れることは事実である。
    生まれた時の遺伝子と生きる環境によって人の人生は変わってくる。
    よく言われる親ガチャは悪い意味で使われがちだが、人が親からもらってるもの、遺伝子が違うのは事実である。

    それをうまく利用することで社会を良くすることはできるかもしれない。
    そう思わずにはいられないが、持つものが結局は負担が大きくなる。それには結局は反感を買ってしまう部分があり、どうなのだろうと思ってしまう。

    0
    2023年12月30日

遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す