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  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

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    とても読みやすい、とは言えないけど、必読。こうした遺伝の影響を考慮に入れずに、平等とか教育などは議論できない。ただ、とてもセンシティブで、繊細な理解が必要で、単純化するととても害のある暴力的なものになってしまう。理解も難しいが伝え方も難しい。平等も教育も、それこそこれからの国家や人類の行く末にとっても重要な課題で、この本に書かれているのはその根幹をなす知識なわけで、本当に重要なんだけど、単純化しないでちゃんと理解する必要がある。地道に読んで理解する価値あるし、そういう人が増えてほしい。

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    2024年07月05日
  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

    Posted by ブクログ

    遺伝に関する言説について、特に優生学に繋がっていくような言質が蔓延っている中、決定論的に全てを形作るものではないが、人生の成り行きを形成する重要なファクターであるということを認識した上で、どう平等を実現するか、という思考への過程が記されていて、目が覚める思いでした。

    遺伝による差は確かに存在するが、その生まれながらに得た人間の価値と、社会的に価値づけられた価値を混同してはならない、という言葉には、昨今の社会的な雰囲気に一つ明かりが見えた様な感覚になりました。

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    2024年01月01日
  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    優生学は、理論的根拠として遺伝学を取り込み、間違った考えや歴史を生み出した。いまだに私たちの無意識にも、そのような悪しき優生思想の片鱗が存在しているかもしれない。

    自己責任という言葉もそう言った優生学の考えが下敷きにあるからこそ、出てきて、物事の本質を見ないで責任をその人自身の責任にすり替える言葉だと思う。

    この本は、遺伝学をニセ科学の優生学から取り戻すための、挑戦の書である。

    親ガチャの呪いから我々は脱却することができるのだろうか?そのヒントがこの書には丁寧に記述されていました。

    人はこの世に誕生する時、2種類のくじを引かされる。「社会くじ」と「遺伝くじ」だ。

    社会くじは、格差や不

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    2024年09月28日
  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

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    ネタバレ

    子どもが育つ社会的環境的条件と、子どもの人生には関係があることは前提=社会くじ。
    遺伝子の偶然も子どもに影響するか。遺伝子の影響も子どもは選べない=遺伝くじ。
    遺伝子の影響を議論すると優生学的とみなされる。
    人種間に遺伝的な違いは無い=人種とは、人類が分類したモノに過ぎず、遺伝子的には広汎な選択肢がある。

    遺伝子は多様正がある。ふたりの親から生まれる子どもの遺伝型は70兆以上の組み合わせがある。一つの特徴的な遺伝情報は、プールの中の一滴のインクのようなもの。エンドウ豆のように単純ではない。
    遺伝子はたんぱく質をつくるレシピ=レシピが同じでも同じ料理はできない。GWAS(ジーワス)=ゲノムワイ

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    2024年09月17日
  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―

    Posted by ブクログ

    三代遡れば8人分。我々は先祖代々受け継がれるものをランダムに配置されてきた。人は生まれながらにして違う。それを認めなければ格差はなくならない。得手不得手は遺伝子が決める。機会均等にしても結果には運が左右する。何が優位かは時代で変化する。バリエーションの多さは種の存続のため。更に、自由主義経済では消費が生産を促す。富の独占では生まれる価値に偏りが出る。優勢思想は今この時代をも衰退させる。苦手なことは補完されて、得意なことは活かされる。出来も不出来も受け入れて、素の姿を尊重する。そんな社会を目指していきたい。

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    2024年08月13日

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