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Posted by ブクログ
紀元前500年頃のピュタゴラスから影響を受けた、17世紀頃のフェルマーが証明したとされる定理を、三世紀半をかけて証明される。
多くの天才が一歩ずつ様々な研究を進め、その点と点を繋げて、完全証明に至るまで、凄く壮大でロマンがある物語だった。
証明したワイルズだけの半生でも、読み応えがあるが、三世紀半の間に関わった一人一人の歩みや人生についても細く書かれている。
算数レベルしか分からないが、出てくる定理等は補遺を交えて細く説明されている。「なるほど」と分かる事もあれば、何となくも分からない内容もあった…ただ細かな理論が分からなくても十分に楽しめた。
Posted by ブクログ
フェルマーが余白に何を見ていたのかは、いまだわからない。
17世紀、フェルマーは「余白には入りきらない」と書いた。300年以上、オイラーもクンマーも、途中までは進む。部分は埋まるが、全体は埋まらない。谷山豊と志村五郎は、楕円方程式とモジュラー形式が同じ数列を持つのではないか、と言い出す。1984年のフライ、1986年のリベットを経て、フェルマーの式を直接解かなくても、谷山=志村予想の必要な部分を証明すれば、フェルマーの最終定理も証明できる。
1986年、ワイルズは7年間、130ページで半安定楕円曲線とモジュラー形式の対応を示した。130ページかけてフェルマーの式を計算したのではない。1993年6月23日、ケンブリッジで「ここで終わりにしたいと思います」。秋に欠陥が見つかり、1994年9月19日に直す。一筋縄ではいかなかった。この接続を私は力業と呼びたい。
1482配置を人間が1つずつ検算できない四色問題、130ページを分担査読したワイルズ。どこまで人が確かめられる証明なのか。そこがなんとわくわくさせてくれる。フェルマーが「余白には入りきらない」と書いた証明が何だったのかは、いまだわからない。
Posted by ブクログ
数学の本なのに、読み終えて残るのは数式ではなく、人間の執念だった。
たった一行の命題が、三百年以上にわたって人を惹きつけ、人生を狂わせ、ときには世代をまたいで受け継がれていく。
この本がが描いているのは、難問が解かれるまでの歴史というより、人はなぜ答えがあるかどうかも分からない問いにここまで心を奪われるのか、という物語だと思う。
アンドリュー・ワイルズが少年時代に出会った一つの問題を、長い年月を経て自ら解く。
その筋書きだけを見れば、あまりに出来すぎている。
けれど実際には、孤独な時間も、失敗も、証明の欠陥もある。
だからこそ最後の到達は、華々しい勝利というより、長く離れていた場所へようやく帰ってきたような感覚になる。
数学とは、単純な論理の積み重ねだと思っていた。
この本を読むと、論理のその奥には、憧れや意地や式の美しさへの執着といった、ひどく人間的なものが流れていることに気づく。
答えそのものよりも、答えを求め続けた時間のほうが尊い。
そんなことを思わせる一冊だった。
Posted by ブクログ
数学者という人達はパズルを解くのが大好きなのだと書かれていることに心から共感!それに尽きると思う。ただただ未解決の問題が好きで、それに挑み、解けてみるとなんて美しいんだろうと信じられない気持ちになる、数学者を奮い立たせているのは発見の喜びというのはまさしくかと。それをしかもビスケットとアールグレイティー片手にアイディアを仲間に聞いてもらったり吟味しあったりと、なんとも優雅で楽しく。ワイルズは、秘密主義で進めたようだが、それもまた良し。好きだから知りたいからという純粋な気持ちだけが解く鍵になっていることが、わかりやすくドラマティックに数学がわからなくてもわかるように書かれている。
美しさを求めつつも、ピュタゴラスは無理数を見つけた弟子が許せずに溺死による死刑を宣告していたり、アリストテレスが0ゼロの概念を含めるとおかしなことが起こるからと使用禁止にしていたりと人間臭いところも知れて面白い。また、最大のパズルの創始者(14-15ゲーム)サムロイドの初期のゲームは世界一のショー(サーカス興行士)P・Tバーナムのために作られたとあり、あれ?それって映画グレイティストショーマンの人じゃない?とか気がついたり。本題以外のところでもとても楽しめた。気になるところ、言葉や展開が美しいところをと書き留めた読書メモが4ページにもなり(私のメモ帳が手帳サイズで小さいので笑)
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