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Posted by ブクログ 2024年04月24日
フェルマーの最終定理を証明したのはワイルズ個人の功績だが、証明するのに使われた数理それに関わった数学者のストーリーが面白く、それを駆使して証明されたのが凄くエモい。難解な数論が出てくるが不必要に詳しく説明せずに読み易い。
第1章、原文なのか和訳なのかは分からないが、本来の意味と違って「和音」という...続きを読む言葉を使用している。本書で書かれている音の調和は「和音」ではなく、本書での記載通り同じ音の倍音(オクターブ違い)
Posted by ブクログ 2024年03月14日
ああ面白かった。
積み重ねとしかいえない歴史が、過不足なく回収されていてとてもよかった。
中世にいたっては赤裸々すぎて多少血の気を引く描写もあったけれど。
とても学びのある時間でした。
Posted by ブクログ 2024年02月12日
いろんな人の熱意と苦しみの物語が描かれており、何かに一生懸命打ち込むことの楽しさと苦しさを感じた。
ワイルズの発表から完結まではとてもハラハラした。
証明は誰が見てもわかるように証明することで、みんなの爽快感にも繋がるので、コンピューターでの計算ゴリ押しをよく思えない数学者の心もわかる気がした
Posted by ブクログ 2023年12月09日
誰もなし得ない偉大なことを成し遂げるには、子供の時の好奇心を持ち続けること、積み重ねた歴史や今起きていることを柔軟に吸収できる能力が必要なのだと感じた。そんなことが出来る人でも、誰もが感じるような苦悩や葛藤を持っていて、家族への愛情も大切にしてたことが知れたのは勇気づけられました。また、日本人の関...続きを読むわりも大きな要素だったことも誇らしく感じました!
生きている上で必要ないだろうと思っていた数学がどれだけ自分たちの生活を豊かにしてくれているのか、当たり前に使っている数字が実は大発明の上に成り立っているものだと分かり、知り合いに言いふらしたい!!
Posted by ブクログ 2023年11月30日
数論の難問“フェルマーの最終定理”--「xⁿ+yⁿ=zⁿ n>2のとき、この方程式を満たす整数解x・y・zは存在しない」--をめぐる壮大なノンフィクション。フェルマーの最終定理と証明を発表した数学者アンドリュー・ワイルズの証明の経緯を中心に、古代ギリシャから中世・近代・現代まで連綿と続く数学...続きを読むの歴史が綴られている。
著者サイモン・シンは数学科出身ではないらしく、それ故か全体的に門外漢にも解り易い表現が用いられている(訳文も然り)。私は本書で扱う数論はおろか数学全般について全然明るくないが、「もう一度少しだけでも勉強してみようかな」と思わせるような魅力溢れる文章だった。ページを繰る手が止まらない読書で心地良かった。
Posted by ブクログ 2023年11月24日
フェルマーの最終定理にまつわる数学者たちの歴史の面白さを、専門的な数学の理解をせずとも肌で感じさせてくれる本です。
大志を抱いた多くの数学者たちが人生をかけて挑み、世界全体がフェルマーの最終定理の証明へと一歩一歩進んでいくのがありありと見えて非常に興奮しました。
数学の知識は不要なので、どなたでも...続きを読む簡単に読むことができます。専門用語もでてきますが、「何かそういう概念があるんだなー」程度の受け止め方で全然構いません。(本もそこの正確な理解は求めていませんし、理解しようと思うなら何年も数学を勉強しなければなりません。)
Posted by ブクログ 2023年11月19日
3世代に渡って数学の難問を、その時代の大天才達が生涯をかけて取り組んだストーリーになっています。最後はアンドリュー•ワイルズが証明を成功されるが、それまでに出てきた大天才も主人公クラスの人生を精密に記されているので、とても読みやすい本でした。
数学と聞くと苦手意識を感じる方にこそ、是非手にとっ...続きを読むて読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ 2023年09月03日
何気なく立ち寄った本屋にて中古価格で購入。嬉しいことに想像以上の大当りを引いた。
そもそもフェルマーの最終定理とは何ぞやということから説明すると、かの有名なピタゴラスの定理を少しばかり変形したものであり、命題としてはすごくシンプルに見える。
【ピタゴラスの定理】
直角三角形の直角を挟む2辺の長...続きを読むさの2乗の和は、斜辺の長さの2乗に等しい。
x² + y² = z²
【フェルマーの最終定理】
下記の数式を満たす2より大きい自然数nは存在しない。
xⁿ + yⁿ = zⁿ
ピタゴラスの定理が簡単に証明可能だったため、フェルマーの定理も簡単に証明可能だと思われたが、これが難攻不落の要塞だった。
世界中の数学者が挑戦するも、証明のどこかに論理の破綻が見受けられて失敗を繰り返してきた。また、最新のコンピューターによる総当りを駆使したとしても、無限大に続く数の中でひとつでも成り立つ数が存在した時点でその命題は真では無くなってしまう。(実際これ以上ないと思われる数まで総当りで調べて真だと考えられていた命題が、覆された例も本書で紹介している。)
最終的には、フェルマーの死後(フェルマーは18世紀フランスの数学者)、約200年後に1人の数学者によって証明されることになる。
証明論文は100ページ以上にもなり、これまで数多の数学者達が試行錯誤の末、導きだした数式や予想などが駆使されており、最先端の数学理論をフルに活用しつつ証明されたものである。
本書はこのシンプルな命題のために多くの人達がたどってきた道のりがありありと描かれており、最後の証明完了に至ったときの感動は計り知れないものだった。
でもやはり不思議なのは、18世紀の数学者が現代の最先端数学に通じていないにも関わらず、何故この命題について証明することができたのか、それともその証明自体に穴があったのか、それも今となっては検証することもできない。
(フェルマーは他人に自分の証明方法をほとんど見せることもなく、この命題に対してもメモ書きのようなものしか残していないとのこと)
※本書の所々に出てくる補遺についてもパズルを解いていく快感が得られるので、解答をすぐには見ずに挑戦してみることをオススメする。
Posted by ブクログ 2023年08月19日
最後まで興味深い数論と人間ドラマ。
巧みな構成でテンポよく進む、
よい訳も助けになり、誰にでも人類の長く深い数の世界に触れることができる秀逸なドキュメンタリー。
おすすめ!
Posted by ブクログ 2023年08月16日
フェルマーの最終定理をめぐる数々の有名な数学者のお話が描かれてます。
全然数学が苦手な人でも読めます!!!
3世紀以上にわたる数式の証明。。。ロマンが詰まった作品です!!!!!
数々の天才の武勇伝が覗き見れますので、私も少し賢くなった気がします!!!!!!笑
Posted by ブクログ 2023年08月05日
数学の苦手な私でも感動した!!
天才と呼ばれる人たちはそれ相応の死ぬような苦労と努力をしていることを認識させられた。同時に、成果や過程が未来に残るような仕事をしている人たちがこんなにいるのに、私は社会に何か残せるような生き方をしているだろうか。
Posted by ブクログ 2023年08月04日
フェルマーの定理がどんな内容なのかは文系の私にはさっっっぱり分からないけれど、数学がロマンと葛藤と冒険に満ち溢れた熱くて激しくてロックな学問なことだけはわかった。
数学なんて学生時代に冷や汗しかかいたことなかったのに、まさかこんなに手に汗握るとはな〜
Posted by ブクログ 2023年07月10日
この難解な定理が生まれる歴史、その解法を求めて人類史の名だたる天才達が挑んだ経過、そしてそれらの叡智を結集してこの謎が解き明かされる、そして最後に巨人の肩の上に立ち壮大な景色を眺めるという流れに感動した。その中で日本人数学者が重要な役割を担っていることも何とも誇らしい気持ちになった。
Posted by ブクログ 2023年05月07日
文句なしに面白い。難問が解かれる、というだけでなく、解く過程でもたらされた副産物が数学界を豊かにしたという事実や、いくつもの時代を超えてこの問題に関わった人たちの人間模様も面白い。
ヴォルフスケールの賞金が発表されたときに押し寄せたアマチュア数学者や、それらのアマチュアを首尾よく扱おうとする努力な...続きを読むんかはちょっと笑えてしまうけど、ただ雑にあしらうのではなくて、一応そこに解が埋まっている可能性があることを認めつつ大学院生たちに処理させているというのが、適切な手続き論に則ったやり方である気もしてよかった。
訳者あとがきでも触れられていたが、西洋の男性だけでなくて、この問題に貢献した、(当時は肩身を狭い思いをせざるを得なかった)女性数学者や、日本人の数学者の物語も厚く記載されていて、この点も素晴らしかった。
色んなサイドストーリーもあるので、ぜひ映像、できれば映画じゃなくてNetflixとかの連続ドラマシリーズみたいな感じで観てみたい。
Posted by ブクログ 2023年04月23日
動画でこの本の名前をみたので記録として
本当にあった出来事が書かれていて
達成..成功..が書かれている本は
心が躍る
この本は数学の難しいことが
書かれているけれど..
わからないところは
わからない塊として軽く流し..
読み進めた
(本は楽しむ為のものだと思うので)
自分の時間の殆どを使い...続きを読む
取り組んでいたこと..
その答えがわかった時の嬉しさ
何百年も多くの人が
挑んできた答えが
見つかった時の感動..
(それに過去の日本の人達が関わっている)
それが今生きている時に味わえる
読み終わった後
立ち上がって拍手したくなる(拍手した)本
本当にあったことが書かれていて
達成..成功..熱い思いが書かれている本は
凄く好きで 良い本だと思う
Posted by ブクログ 2024年03月20日
300年以上解かれなかったフェルマーの最終定理について、生まれた経緯やいろいろな数学者の挑戦の歴史、アンドリュー・ワイルズが証明するまでの苦難、その他の数学会の謎や論争をまとめた一冊。数学の知識がなくてもドキュメンタリーとして楽しめる。
Posted by ブクログ 2024年01月06日
長い間、手に取れていなかった一冊。本書は、数学の専門家でなくとも、理解できるように専門的な用語や数式を可能な限り使わずに、フェルマーの最終定理の証明に向けた、道筋や歴史を解説しており、数学の専門家ではない私にとっても、読みやすく感じた(公理•定理や無限、集合などの数学用語に馴染みがあったため読みやす...続きを読むかった点はある)。
加えて、フェルマーの最終定理にとどまらず、ラッセルのパラドックスやゲーデルの不完全性定理をはじめとした数理論理学の発展など、当時の数学界の流れにも触れる形で個人的にはより満足した。
Posted by ブクログ 2023年11月14日
ノンフィクションゆえに心に響きます!この何百年かにわたる壮大な挑戦の中で、日本人の数学者が大きな役割を占めていることは全く知らなかった。谷山さん、志村さんのこと、ぜひ知ってほしいですね。
Posted by ブクログ 2023年10月18日
とてつもない情報量。古代ギリシャに遡り、数学の天才たちのこれまで歩んできた道のりが分かりやすくまとまっていて、大変興味深く読めた。
何年もかけて取り組むという粘り強さ。これだけ一つのことに人生をかけて没頭できること自体がとても凄い。
世の中のこと、元を辿れば数学に行き着くのかと果てしない気分になった...続きを読む。数学者の目には世界がどう見えているのか。
日本人の名前が出てきた時はやはり注意を引いた。戦争中の勉強ってあまりにも困難な道に思えて想像できないけれど、数学は本さえあれば進められる(実験設備などが必要ない)という話にはなるほどと思った。
様々な数学者のドラマチックな人生を読むのが楽しかった。ロマン溢れる一冊。
Posted by ブクログ 2023年10月15日
ずっと読んでみたかった本、背伸びして読んでみた。
何人もの人が難題に挑戦し、少しづつ解決のヒントを掴んでいく様子は、歴史小説、ミステリー小説でもある。
Posted by ブクログ 2023年10月02日
数学にあまり興味がない人にとっては読みづらいページも多々あるかと思うが、フェルマーの最終定理というあまりにも巨大な壁をぶち破るために、数世紀に渡り、数々の数学者がアイデアを編み出し、そしてそれらが受け継がれていき、最終的に一人の男がそれらを繋ぎ合わせて証明を完成させる様は圧巻。人間の一つの物事のため...続きを読むに全てを賭けて挑み続ける信念の偉大さに驚嘆した。
Posted by ブクログ 2023年09月02日
友人に勧められて読んだ本。数学苦手すぎて、「苦手なのにこの厚さ耐えられるかな?」と不安でした。でも、数論と人との関わりの歴史から始まり、フェルマーの最終定理との関わりの流れがわかりやすく、グイグイ読んでしまいました。数学ってキッチリはっきりしてるものでちょっと冷たいイメージがありましたが、証明してや...続きを読むるぞと頑張る研究者達の熱い思いがすごく伝わりました。とても面白かったです。
Posted by ブクログ 2023年07月30日
評判通りのおもしろさでした。私のような数学が苦手な人にも、意味がわかるように書かれているのが、すごいと思います。
数学の歴史を知ると、日常で数字を見る感覚がちょっとだけ変わります。
Posted by ブクログ 2022年06月05日
"その瞬間について語るとき、あまりにも鮮烈な記憶にワイルズは涙ぐんだ。
「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。とてもシンプルで、とてもエレガントで……。どうして見落していたのか自分でもわからなくて、信じられない思いで二十分間もじっと見つめていました。それから、日中は数学科のなかを歩き回り...続きを読む、何度も机に戻っては、それがまだそこにあることを確かめました。ええ、ちゃんとありましたよ。私は自分の気持ちを抑えられなくて、とても興奮していました。あれは私の研究人生で最も重要な瞬間です。あれほどのことはもう二度となしえないでしょう」(p.415)"
"私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない"という文句とともに有名なフェルマーの最終定理が、数々の数学者の苦闘を経て、3世紀以上の後に遂に証明されるまでを描いたドキュメンタリー。
本書を読んで抱いた印象は、訳者の青木薫がほとんど代弁してくれている。
"正直言って私は少々むっとした。というのも本書のはじめの方では、数学にくらべて自然科学は劣っている、劣っていると繰り返し強調されているからだ。たしかに証明の厳密さという点では負けるかもしれないが、「自然科学には自然科学のすごさがあるのだ!」と、数学への対抗意識が燃え上がった。(略)これほど美しく、しかも科学の道具としてはおよそ役に立ちそうもない大定理が証明されたのだから、数学者が得意絶頂になるのも無理はない。そう自分に言い聞かせて、とりあえず先に進むことにした。しかしまもなく私は、対抗意識などどこへやら、数学と数学者の世界に引き込まれてしまったのである。(p.486)"
一応大学で物理学を学んでいる身としては、証明が厳密であること一事を以て数学が自然科学に対して優越しているとする気はないが、確かに数学には他の自然科学にはない独特の純粋さがあることは認める。それは、論理とアイデアだけを頼りに、頭脳の中で一個ずつブロックを積み上げていく純粋さである。
フェルマーの最終「予想」がこれほど多くの数学者を惹きつけたのは、その主張が極めてシンプルであることが大きいと思う。主張だけなら、おそらく数学を学び始めの中学生でも理解できる。しかし、それは300年以上もの長きにわたり数学者たちのアプローチを跳ね除けつづけた。
"「その問題はとても簡単そうなのに、歴史上の偉大な数学者たちが誰も解けなかったというのです。それは十歳の私にも理解できる問題でした。そのとき私は、絶対にこれを手放すまいと思ったのです。私はこの問題を解かなければならない、と」(p.37)"
2012年にABC予想の証明を発表した京大の望月教授が若い頃に「シンプルだがその奥に深い構造がある問題に取り組みたい」と口にしていたというのをNHKの特集で見たが、フェルマーの最終予想などはまさにそのような問題の一つだと言えるだろう。
この本には難解な数式など一切登場しない。にもかかわらず、物足りなさは感じなかった。それは、一つにはサイモン・シンの筆力によるものだ。フェルマーの最終定理を巡る歴史をまとめ上げる構成力・表現力は、数多のサイエンスノンフィクションの中でも群を抜いている。また、数式は確かに使っていないのだが、例えば数学的帰納法や背理法といった、なぜ定理の証明がこれほど困難を極めたかを理解するうえで必要な数学の知識は抜かりなく解説しているのは見事である。そして何よりも、最終定理に挑み続けた数学者たちの人生そのものがドラマに満ち溢れているからだ。フェルマーの最終定理の完全な証明を成し遂げたのは、アンドリュー・ワイルズである。だが、この偉業は彼一人に帰されるものではない。各時代の数学者たちが着実に一つ一つ進展を積み重ねていき、次の時代の数学者にバトンのように繋げていく。その様には、本当に圧倒される。読み始めたとき、1995年の出来事を語るのに紀元前6世紀を生きたピュタゴラスから語り起こすのは些か大袈裟に思ったのだが、本を閉じるときには納得させられるのである。
定理が証明される過程で、谷山=志村予想の谷村・志村をはじめとして多くの日本人が重要な役割を果たしたことには、同じ日本人としてとても誇らしく思う。