あらすじ
17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!
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Posted by ブクログ
数学の知識がなくても理解できる構成と
読み易い翻訳文章。
数学の美しさとそれを証明する困難な道程の臨場感。
そして、数学者たちとその学問の包括力と孤独。
わたしが知るよりも
世界は温かく、深く、厳しい。
数学の定理の話で、ウルっと来てしまうのは歳を取ったせいだろうか。。。
また、読みたい。何度でも、読みたい、そんな物語。
Posted by ブクログ
おもしろかったです。
有名なフェルマーの最終定理について、数学史とともにわかりやすく書かれていました。
問題を提起したフェルマー
その問題を証明したワイルズ氏
その問題の背景から証明にいたる話を、一般人にも理解できそうに書いた作者のサイモン・シン氏
そんな本を翻訳してくださった青木氏
天才方の仕事のおかげで素敵な時間が過ごせました。
興味深く素敵な話ばかりですが、読むのが辛い人には4章から読んでも楽しめると思います。
第5章にある、数学的にあまり意味のないとみられていたフェルマーの最終定理の証明が、実は20世紀における意義深い証明であったという箇所と、第8章にある志村先生の言葉がたまりませんでした。
Posted by ブクログ
フェルマーが証明を残さなかったことで350年間、数学者たちを悩ませ続けたフェルマーの最終定理を、1993年にアンドリュー・ワイルズが証明するまでの軌跡。一つ一つ積み上げていって、ワイルズが100ページ超の論文として発表することからは、後書きで訳者言っていた通りまさに、ニュートン曰くの「巨人の肩に乗った」というのがふさわしい。偉大な先人たちが少しずつ少しずつ証明していった知識を活用して一歩一歩進んでいく感じが、なんというか頭の中はサカナクションの「怪獣」だった。全ての楕円方程式はモジュラー方式である、という谷山=志村予想が最後の鍵になっていくように、この定理には実は日本人も寄与していたことも初めて知った。女性の数学者も古代からいたんだなっていうのも初めて知った。
数学苦手すぎるけど、補遺にあるピタゴラスの定理の証明は納得できた。数学きっと楽しいんだろうな。