サイモン・シンのレビュー一覧
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物心ついた頃、宇宙はビッグバンて始まり年齢は150億年、地球は50億年(精度は問題ではない)ということについて何ら疑うことなく受け入れていたので、ここに行き着くまでに物理学、天文学、また宗教までも巻き込んだ論争に発展していたことに不思議な感じがする。
時代が変わっても真理を追求し続ける科学者の姿勢は感動ものである。それ故に、戦争で研究が途絶えたり、遅れたりすることは残念であり人類にとって大きな損失である。また、科学に限らずパラダイムシフトに必要なのは世代交代であるということを改めて認識した。
カールセーガンの「コスモス」と同様、不思議さに対する好奇心を呼び起こしてくれる良書である。
次は「フェ -
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宇宙論は好きで、関連書を数冊読んだが、わかりやすさ、ワクワク感を含めた娯楽性の高さを考えると、最良の本。この分野に興味を持った人は、真っ先に手に取る本だろう。
本書は天動説から地動説への大転換に至るまでの長い史実の記述から始まる。そして地動説が決定的になった20世紀、科学者たちは宇宙の大問題に取り組むことになる。すなわち、「宇宙は過去のある時点で創造されたのか?」あるいは「永遠の過去から存在していたのか?」という大問題である。そして、ビッグバンモデルが考え出された以降も、科学者たちの大半は宇宙の始まりをビッグバンに求めず、静的で永遠な宇宙(定常宇宙モデル)を信じていた。
本書は、(出版され -
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宇宙が膨張しているというビッグバン理論が、全ての星々が遠ざかっているというハッブルの観測結果により、アインシュタインが間違いを認めるほど優勢になった。だが、証明が完了したわけではない。「宇宙の大きさが一定でも、速度が早い星々だけが遠方まで到達可能なはず」「遠くまで到達した光はエネルギーが失われるため、赤いほうにずれる」といった無理筋なものから「観測結果の年代測定では、宇宙の方が星よりも若くなってしまう」「ビッグバン理論で元素分布を証明できるか?」といった当然の疑問まで、多くの批判検証にさらされることとなる。
天動説がそうであったように、今から思えば明らかに間違いであったと思われるような理論で -
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現代において「地球は宇宙の中心に存在する」と言おうものなら変な宗教でもやってんのかと心配されるが、宇宙の中心でないことを証明できる人は、一体どれだけいるだろうか。
夜空に浮かぶ星に辿り着こうとするなら「光の速さで何年もかかる」ということに疑いを持つ人は少ないが、それを証明できないなら、それは星が遠くにあることを「知っている」でも「わかっている」でもなく、ただそう「信じている」だけだ。
アンドロメダが星雲でなく、90万光年よりも遠くに存在する別の銀河であることが「わかる」までに、どれだけの研鑽が必要だったのか。天文学の軌跡は科学のそれと同じく、予測と観測の共進化であった。
人類は『光る点の動き -
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前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であっ
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代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。
鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいのでは、という考えに対しては、適切な医療を受ける機会を逸することの危険性を指摘。医療行為が長期間の検証を経るのに対し、代替医療は自身の成功体験のみでOKなわけで、しかもそれを盲信するだけに始末が悪い。
翻訳者のあとがきにあるように、医療崩壊で医師は患者と十分に向き合えない。それに対して患者と十分に向き合 -
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1950年当時は宇宙論の世界は「定常宇宙モデル」と「ビックバン・モデル」に二分されていた。
1992年になって、ようやく「ビックバン・モデル」に軍配が上がる。
本書の下巻は、「ビックバン・モデル」が正しいだろうという結論に至るまでの各種の観測事実が示される。
「ビックバン以前はどうなっていたのか?」という問いがあるが、ビックバン・モデルではこの問いに意味はない。
ビックバンでは空間と同時に時間も生じたので、ビックバン以前には時間は存在しなかったからだ。
北極点で「北はどっちだ?」と問うようなもんだ。
本書は「地球は丸い」「地球は太陽の周りっを回っている」と気づいてから「宇宙はどのようにして -
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過去の人々は宇宙をどのように捉えていたか、ということから始まるが、
紀元前300年頃に地球の大きさを測るという偉業を成し遂げている。
地球の大きさのほか、月や太陽の大きさや地球からの距離まで求めている(すごい!)
最初は、地球の周りを月や太陽が回っている宇宙だったが、太陽の周りを地球が回っていることがわかる。
太陽系にいくつもの惑星があることもわかり、その大きさも求められた。
太陽のような恒星は信じられない程遠くにあることも分かってくる。
水素原子は陽子と電子からできているが、水素原子の大きさを東京ドーム程とすると、陽子はビー玉くらいで電子はゴマ粒みたいなもんだと聞いたことがある。
太陽系 -
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無限と戦った数学者たちの物語。ど文系だが面白かった。
3 以上の自然数 n について、
x^n + y^n = z^n
となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない。
ディオファントスの「算術」の余白が狭かったせいで、300年以上世界中の数学者たちを翻弄してきたこの問題。n=3の証明、n=5の証明、、、個別の証明はされていくが、立ちはだかるのは無限の壁。数多の天才たちが壁に挑むも完全な証明には至らない。もはや証明不可能とまで言われはじめたフェルマーの最終定理。
幼少期にこの問題に魅せられて数学の世界に入ったアンドリュー・ワイルズ。7年間屋根裏で進められた孤独な研究。ケンブリッジ大学