歴史は相性が悪く、読んでいてすぐ眠くなってきてしまうが、この本は実に面白い。一見、現代の日本人からするととんでもない、室町時代の日本人がコミカルに紹介される。
一見、と書いた。たしかに今の尺度からするととんでもないが、当時の尺度からすると当たり前の行動、合理的な、至極真っ当な考え方だったのであろう。
...続きを読む
日本史上の大転換点にあった室町時代の日本人の考え方や行動原理を知り、私が現代で当たり前とするものや考え方もまた絶対の当然のものではないと再確認させられる。色々な考え方の人がいて、色々な正しさがある。こういう考え方って、今の、視野狭窄とも感ぜられる世の中には大事なものなのかな、と。
そして、一見我々からすると妙だが、根本では似たような考え方や行動をしていると知り、ご先祖様たちに親近感もおぼえる。
長々と書いたが、ただの歴史本にあらず、世の中の見方、物の考え方について、持っておいたほうが良い「寛容さ」、相対的な視点の大事さを改めて教えてくれる一冊であった。