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Posted by ブクログ
結城・伊達・六角・今川・武田の5戦国大名の領国だけに通用する分国法を順に取り上げて考察している。分国法のねらいは、①自力救済の抑制(たとえば私闘の禁止)②大名権力の絶対化(たとえば治外法権の極小化)③公共性の体現(たとえば公正な裁判や職権主義の実現)④既存の法習慣の吸収・再編などであるが、結局のところ上手く機能することはなかったようだ。領国の法制度を整えるより、近隣大名との争いに悩殺されたからである。では、分国法というのは無駄だったのか。いや、江戸時代になってこれらの試みの経験は大いに生かされたようである。それにしても、それぞれの大名の面白い実態や、意外と村共同体が強かったことなどが、読んでいて面白かった。清水氏の文章は、そういう細部のところが魅力があっていい。
Posted by ブクログ
戦国大名が分国法を定める。
法で国を治めるなんて、とても先進的で素晴らしいと、思っていたのだけれど、読み終わってみたならば、分国法が残っている大名は、みな滅んでしまっていた。自らの支配に法を持ち込んでいるほうが、色々と治めやすく、混乱も少なく、商業も農業も発展していくのではなかいかと、現代を生きる私は安直に思っていたのだけれど、『戦国時代』は決してそうではなかったらしい。
裁判でどっちが正しいかを決めるより、暴力(物理)で相手を黙らせた方が速いし、自らの正当性を訴えて根回しし、小さな土地の所有権を認めてもらうよりも、戦で攻め入って新たな土地を奪ってしまったほうが早くて実入りも良い。
自身が生きる時代が『戦国』である自覚があったのならば、法治に自身の権力基盤をのせねばならない時点で、とても不安定なことの現れともいえるのかな?
時代によってほ、法律を越えた先の無法の世界の住人が、時代に求められていることがあるのだな。
時代と法について、新たな目が開いたような気がする。
Posted by ブクログ
戦国時代の大名の中には、六角氏式目とか甲州法度之次第とか自国内の法律を作っているところがある。この法律を分国法と呼ぶが、本書では5つの即ち5家の分国法を詳しく読むことで、各家が当時おかれていた状況や課題、当主の悩みや統制上の問題点などを平易に解説してくれる。
条文とはいえ、単なる愚痴だったり何を言いたいのかわからず法律の体を成していない箇所も少なくないが、かえって当主がさまざまな雑事のような小問題にも悩まされていたことが判り、読んでいて殿様もいろいろたいへんだなあと思ってしまう。
今から見るとこの時代の分国法は稚拙ではあるが、慣習をも含んで成文化したわけだから歴史的に重要なステップであることは間違いない。
歴史好きな人はぜひとも本書を読んだほうがいいと思う。
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