筑摩書房作品一覧

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  • はじめての考古学
    4.2
    ヒトは縄文土器の文様にどんな思いを込めたのか? 人類はなぜ戦争をはじめてしまったのか? 古代、男女の関係はどのようなものだったのか? 考古学は新たな知を取り入れ、俄然面白くなっている。
  • 着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕
    4.2
    半世紀近くにわたって読み継がれた、至高の現代文教本がここによみがえる! 「文章を読む」とは、書かれた言葉の何を拾い上げ、それらをどう関係づけることなのか――。数々の小説や評論を題材に、重要な箇所をどのように見分けるかを、実演を織り交ぜながら徹底的に解説する。本書は、「文学的な文章」「論理的な文章」の2パートに分かれ、高校教科書の定番教材も多数収録。読者は、目の前にある文章について、内容や表現だけでなく、その表現を選んだ書き手の感性や想像力までも、つかめるようになるだろう。
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    4.2
    緊張で体が固まったり言葉が出なかったり。そう、体は思い通りにならない。でも体にだって言い分はある。しゃべること歩くことがどんなに大変か私たちは知らない。さあ体の声に耳をすまそう。思いがけない発見が待っている。きっと体が好きになる14歳からの身体論。
  • 北方領土交渉史
    4.2
    雪解けが近づいたこともあった。しかし現在、ロシアとの交渉には冷たい氷の壁が立ちふさがり、「固有の領土」はまた遠ざかってしまった。戦後、歴代総理や官僚たちが使命感のために、政治的レガシーのために、あるいは野心や功名心に突き動かされて、この困難に挑み続けてきた。そして、ゆっくりとであっても前進していた交渉は、安倍対露外交で明らかに後退してしまったのだ。その舞台裏で何が起こっていたのか。国家の根幹をなす北方領土問題を、当時のインサイダー情報も交えて子細に辿りながら、外交交渉の要諦を抽出する。
  • リスク心理学 ──危機対応から心の本質を理解する
    4.2
    人間には危機に対応する心のしくみが備わっている。しかし、そのしくみにはどうやら一癖あるらしい。感情と合理性の衝突、リスク評価の基準など、さまざまな事例を元に最新の研究成果を紹介。
  • 英語の思考法 ──話すための文法・文化レッスン
    4.2
    学校、ビジネス、英会話――こんなに勉強しているのに、いつまでたっても自然な英語がしゃべれないのはなぜ? それは日本語にはない英語コミュニケーション独特の「考え方」を理解していないから! 「独立」「つながり」「対等」という三つの核心をキーワードに、様々なシチュエーションでの会話やマナーを豊富な具体例とともに徹底解説。英語をマスターするにはまずは思考から! テレビ・ラジオなどで人気の著者が上達への道を伝授する。
  • バイアスとは何か
    4.2
    物事を現実とは異なるゆがんだかたちで認識してしまう現象、バイアス。それはなぜ起こるのか、どうすれば避けられるのか。本書では、現実の認知、他者や自己の認知など日常のさまざまな場面で生じるバイアスを取り上げ、その仕組みを解明していく。探求の先に見えてくるのは、バイアスは単なる認識エラーではなく、人間が世界を意味づけ理解しようとする際に必然的に生じる副産物だということだ。致命的な影響を回避しつつ、それとうまく付き合う方法を紹介する画期的入門書。
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    4.2
    私たちが使う「氏名」の形は昔からの伝統だと思われがちだが、約150年前、明治新政府によって創出されたものだ。その背景には幕府と朝廷との人名をめぐる認識の齟齬があった。江戸時代、人名には身分を表示する役割があったが、王政復古を機に予期せぬ形で大混乱の末に破綻。さらに新政府による場当たり的対応の果てに「氏名」が生まれ、それは国民管理のための道具へと変貌していく。気鋭の歴史研究者が、「氏名」誕生の歴史から、近世・近代移行期の実像を活写する。
  • 普段着の住宅術
    4.2
    目いっぱいおしゃれをして目立つ住宅ではなく、住む人の生活を穏やかに受け入れる家、一つ屋根の下に生活のすべてがすっぽりとバランスよく収まっている家――そんな家で暮らしたい。居心地のよい住宅づくりで定評のある建築家が、みずからの体験を踏まえた住宅論から、家具や愛読書に至るまでを語る。想像の中で自身が住み手となることで生まれてくる間取りや設計上の工夫とは、どんなものなのだろう。暮らす豊かさの滋味を味わう建築書の名著。文庫化に際し、「建築家の本棚から」など大幅に加筆。
  • 日本の教育はダメじゃない ――国際比較データで問いなおす
    4.2
    昨今、メディアや識者からは、日本の教育に否定的な意見ばかりが目立つ。その結果として、教育現場の実態とはかけ離れた教育政策にすがりついてしまう。しかし巷間言われるように、日本の教育は本当にダメなのだろうか? 国際比較データを駆使して新しい姿を描き出す。思い込みを解きほぐし、不安や疑問に答え、未来に向けて提言をする。専門分野も国籍も異なる気鋭の研究者2名が、教育をめぐる議論に新しい視点を提供する。
  • 地方を生きる
    4.2
    いま、余白がある「地方」にこそ可能性が広がっている。これまでの居場所を違った角度で見つめなおすと、新たな面白さ、そして課題と魅力が浮かんでくる。仕事、暮らし、苦労話まで、すべて洗いざらいお伝えします。
  • 貧困の戦後史 ──貧困の「かたち」はどう変わったのか
    4.2
    敗戦直後の貧困は「食べるものすらない」という「かたち」で現れた。こうした中で、戦争により生み出された浮浪者や浮浪児の一部は炭鉱へと送られた。そこで生まれ育った若者の多くは集団就職で都会へと出ていき、その一部は「寄せ場」の労働者となった。高度経済成長により実現した大衆消費社会は多重債務問題をもたらし、バブル崩壊はホームレスを生んだ――。戦後日本の貧困の「かたち」がいかに変容したかを描き出し、今日における貧困問題の核心を衝く。
  • ドキュメント 感染症利権 ──医療を蝕む闇の構造
    4.2
    救命か、金儲けか。新型コロナ感染爆発に際して露わになった、危機下における医療と政治のせめぎ合い。政官財学の構造的絡まりによる邪悪な「利権の闇」「見えない壁」が立ち現れ、救命のための公平な医療を阻む。明治・大正期の公衆衛生の草創期、「七三一部隊」にみる医学の暴走と悪用、戦後医療界に残った細菌戦人脈、官僚主義と隔離政策の誤謬、グローバル化する薬の特許とバイオテロ……。近現代日本とともにあった感染症のウラで蠢く黒い構造を、白日の下に暴く。
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    4.2
    「平均的な生き物」なんて存在しない。個性の数は無限大。唯一無二の生命をつなぐために生き物たちがとってきたオンリーワンの生存戦略。
  • 香港と日本 ──記憶・表象・アイデンティティ
    4.2
    二〇一九年の「逃亡犯条例改正案」への反対デモは熾烈を極め、多くの負傷者を出し、その戦いの終わりは未だに見えない。香港がこのような事態になったのは、どうしてなのか? 中国大陸の同化政策は、人びとにどのような影響を与えたのか? 本書は、香港人としての実感と研究者としての分析で、現在に至る香港の変遷を考察する。また『ドラえもん』『進撃の巨人』と香港政治運動の意外なつながり、大日本帝国の記憶など、香港における「日本」の表象を詳細に分析する。香港出身の気鋭の若手研究者による、日本人のための香港入門。
  • 「さみしさ」の力 ──孤独と自立の心理学
    4.2
    自分の内面に目が向かうようになる青年期。誰とも違う個別性の自覚とともに、痛切な「さみしさ」が生まれてくる。わかり合える友だちを求めながらも、心の中をのぞかれることへの抵抗感や比較意識からくる不安も強い。自立へと歩み出すために、さみしさの意味を見つめなおす。
  • 考え続ける力
    4.2
    前著『問い続ける力』は、「考える」ためには「問う」ことが不可欠だという一冊だったが、この本ではいよいよ「考える」ことそのものを追求していく。まずは著者自身が目標とする「創造性のスタイル」を明らかにする。さらに、安宅和人、濱口秀司、大嶋光昭、小泉英明、篠田真貴子との対談を通して、「考え続ける賢人」たちの頭の中を見せてもらう。知的刺激に満ちた「思考シリーズ」新書の第2弾。
  • 一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ《聖マタイの召命》
    4.2
    バロックを代表する画家カラヴァッジョの名画《聖マタイの召命》。この謎の多い絵画に込められた豊かなメッセージを受け取ろう。美術をみる目を助ける基礎的かつ普遍的な知識を紹介し西洋美術史の豊かな世界に誘う一冊。
  • 増補 普通の人びと ──ホロコーストと第101警察予備大隊
    4.2
    薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける──そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。
  • どこからが病気なの?
    4.2
    私たちは元気なときもあれば、病気のときもある。「がんです」と診断されても自覚症状がない場合もある。その境界線はどこにあるのだろう? 病理医ヤンデルが教える病気のしくみ。
  • ことばの教育を問いなおす ──国語・英語の現在と未来
    4.2
    学習指導要領の改訂や大学入学共通テストへの記述問題・民間試験導入で大きく揺れ動く国語教育・英語教育。本書では、この危機の時代に、国語と英語という「ことばの教育」にはそもそもどんな意味があるのか、そしてどうやって「ことばの力」を鍛えるのかを、それぞれの分野の専門家三名がリレー形式で思考する。私たちの思考の根本をつくるのは「ことば」である。その教育が、子どもたちの未来をつくる。「ことばの教育」を考えることこそが、いま大切なのである。
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学
    4.2
    痴漢は犯罪であり、同時にその一部は「性的依存症」という病気でもある。東京都心のとある精神科クリニックで開かれる、通称「痴漢外来」。ここでは性的依存症の「治療」プログラムによって、通常30%台と言われる痴漢の再犯率を3%にまで抑えている。痴漢行為を行うのは、どんな人なのか。彼らに共通する「認知のゆがみ」とはなにか。どうすれば痴漢をやめさせることができるのか。最新の研究成果に基づき、痴漢をはじめとする性犯罪・性的問題行動の実態に迫る。
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か
    4.2
    我々がこの世界で何をなし、何を受け取るかは、「運」というものに大きく左右されている。しかし、あるべき行為や人生をめぐって議論が交わされるとき、なぜかこの「運」という要素は無視されがちだ。特にその傾向は、道徳や倫理について学問的な探究を行う倫理学に顕著である。それはいったいなぜだろうか。本書では、運が主に倫理学の歴史のなかでどう扱われ、どのように肯定や否定をされてきたのか、古代ギリシアから現代に至る人々の思索の軌跡を追う。そしてその先に、人間のあるがままの生をとらえる道筋を探る。
  • ルポ プーチンの戦争 ──「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか
    4.2
    ハイブリッド戦争の内幕とは。毎日新聞モスクワ特派員が両国政府と親露派の要人を取材、砲撃と空爆で破壊された街に潜入して、戦闘員と市民の声を聞く。激動のロシア情勢を伝えるルポルタージュ。
  • 反原発の思想史 ──冷戦からフクシマへ
    4.2
    日本の反原発運動は、毛沢東理論の「誤読」による近代科学批判が大きな転機となった。それが「1968年」を媒介にニューエイジ・サイエンスやエコロジーと結びつき、工作舎や「宝島文化」を背景にしたサブカルチャーの浸透によって次第に大衆的な基盤をもつようになったのである。複雑に交差する反核運動や「原子力の平和利用」などの論点から戦後の思想と運動を俯瞰し、「後退りしながら未来へ進む」道筋を考える。
  • 使える!「国語」の考え方
    4.2
    国語の授業はとかく批判されがちである。つまらない、役に立たない、小説を読む意味はない、といった声が聞こえてくる。そのため、論理力をつけるための内容に変えるべきだという意見も強まっている。でも、それで本当に国語の力はつくのだろうか? そこで、文学、論理といった枠にとらわれないで、読む力・書く力を身につけるための新しい考え方を提案する。これまでなかった国語の授業がここにお披露目される。
  • あなたの勉強法はどこがいけないのか?
    4.2
    勉強ができない理由を、「能力」のせいにしていませんか? 「できる」人の「知識のしくみ」が自分のものになる方法を、認知心理学から、やさしくアドバイスします。
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす
    4.2
    バブル崩壊後、日本経済が停滞を脱することができないのは、生産性向上をなおざりにしたからである。アベノミクスでも成長戦略は後回しにされ、日本は世界から取り残された。誤解されがちな「生産性」概念を経済学の観点から捉えなおし、その上で、市場の新陳代謝、既存企業による開発や多角化、経営能力の向上など、生産性向上策について最新のデータをもとに論じる。日本経済が活力を取り戻すための新たな方策を提言する一冊。
  • ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ
    4.2
    中学時代、ファミコンではなくセガやMSXパソコンを持っていたというちょっと変わったゲーム少年だった著者が、自らのゲーム歴を振り返りつつ、独特の視点でゲームを愛でまくったエッセイ集。ゲームデザインのこと、ユーザーとメーカーのこと、ゲーム作家の戦略等々、ゲームをめぐって交錯するさまざまな思いを独特の筆致で活写。文庫化にあたり大幅増補。図版多数。電子版書き下ろしエッセイを追加。
  • ベルリンは晴れているか
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
  • あるフィルムの背景 ──ミステリ短篇傑作選
    4.2
    検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。普通の人々が歪んだ事件を引き起こす恐ろしさと悲しみを巧みに描き、読者の予想を裏切る驚愕の結末を鮮やかに提示する。昭和の名手の妙技を堪能できる、文庫オリジナルの短篇傑作選。
  • ソーシャルワーカーという仕事
    4.2
    ソーシャルワーカーは、社会の中の居場所を見失った人を、支え育てて、暮らしてゆく環境を整える仕事。困っている事情、家族関係や社会関係は多岐にわたるので、具体的な行動はさまざまですが、でも大切なことはひとつです。今後ますます必要とされるこの仕事に、ほんとうに大切なこと、教えます。
  • いろんな気持ちが本当の気持ち
    4.2
    2011年デビュー10周年を迎えた著者の、創作の原点がわかる、第一エッセイ集。じたばたと考え、小説を書き、小説を読み、記憶をさぐり、そして日常を送る……。世界のなにに注目し、それをどう描いていくのか。新鮮な驚きと独特のこだわりに満ちた、長嶋有ワールドは、どんなに短いエッセイでも健在。文庫化にあたり、書き下ろしエッセイを追加。
  • 平和をつくるを仕事にする
    4.2
    ウガンダやコンゴでの子ども兵への社会復帰支援などを資金ゼロ、人脈ゼロから始めたNGO代表が語る、今世界で起きていること。そして私たちにもできること。
  • 大人の恐竜図鑑
    4.2
    三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の恐竜時代。温暖な気候のもと海も空も陸上も恐竜が制覇。哺乳類の祖先などは捕食者たちから、ただ逃げ回るしかなかった。もちろん恐竜同士も喰うか喰われるかの弱肉強食。白亜紀後期に最強の肉食恐竜であったティラノサウルスでも、トリケラトプスの角に突かれれば命を落とした。石頭のパキケファロサウルスも頭突き攻撃で怪我をした。人気恐竜の生態や進化、近年発掘された画期的な化石や地層、絶滅の真相など、最新研究の成果を大迫力のイラストで再現する大人のための図鑑!
  • 絶滅危急季語辞典
    4.2
    『ぎぎ・ぐぐ』ゴンズイ科の海水魚。胸鰭の棘を動かして「ぎぎ」「ぐぐ」と鳴く。『オランダ雉隠』アスパラガス。ちなみにブロッコリは『子持花椰菜』である。『われから』藻に鳴く虫といわれる、謎多き虫。『雪坊主』雪国の妖怪。『大根祝う』鏡餅の上に輪切りの大根を飾る、元日の宮中の風習。──消えゆく季語に新たな命を吹き込む読み物辞典。超絶季語続出の第二弾。
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略
    4.2
    「抜いても抜いても生えてくる、粘り強くてしぶとい」というイメージのある雑草だが、実はとても弱い植物だ。それゆえに生き残りをかけた驚くべき戦略をもっている。厳しい自然界を生きていくそのたくましさの秘密を紹介する。
  • 貞観政要
    4.2
    唐代、治世の問題を真正面から取り扱い、帝王学の指南書となった『貞観政要』。幾多の戦乱を乗り越え、太平の世を現出させた太宗(李世民)が名臣たちと交わした問答を史家・呉兢が編纂。爾来、中国のみならず日本においても為政者たちが折に触れて立ち返る古典の地位を得てきた。「指導者の条件」「人材の登用」「後継者の育成」など、およそ組織運営に関わる人間なら必ず迷い、悩むであろう問題に古人はどのように臨んできたのか。本書には汲めども尽きぬ教訓が今も満ち溢れている。本文庫は明代の通行本(戈直本)を底本とし、全篇より七十篇を精選・訳出。
  • 13歳からの「学問のすすめ」
    4.2
    新しい地平を切り開いていくのに必要なのは学ぶこと。それではどう学んで、生き方にどう結びつけたらいいだろう。明治初期から読みつがれている日本最強の教育書をもっともわかりやすくコンパクトな現代語訳と解説で伝える。
  • 花の命はノー・フューチャー ──DELUXE EDITION
    4.2
    絶版だった名著に、新たな書き下ろし、未収録原稿を約200頁も加えた最強版! 移民、パンク、LGBT、貧困層……地べたからの視点から“壊れた英国”をスカッとした笑いと、抑えがたい抒情ともに描く。「花の命は……苦しきことのみ」の言葉とともに渡った英国ブライトンで、アイリッシュの連合いと過ごす、酒とパンクロックの日々。
  • 仕事人生のリセットボタン ──転機のレッスン
    4.2
    安定した会社に入ったから「もう人生は安泰だ」なんてことはもはやない時代。本当にこれから給料が上がっていくのか? と不安に思う人も多いだろう。そうした状況でも生き抜くために、自分のこれまでの人生を振り返り、適切なタイミングで方向転換するための考え方を身に付ける必要がある。若いうちに仕事をリセットしなければならないアスリートの言葉と、人材育成を研究する学者の言葉が交差するところに、そのヒントがたくさん詰まっている。
  • ほんとうの憲法 ──戦後日本憲法学批判
    4.2
    日本の憲法学では「国民が権力を制限することが立憲主義だ」とされ、「抵抗」を英雄視する物語が延々と語られている。あたかも憲法9条が国際法をも超越した存在であるかのようなロマン主義を流布しつつ、自衛隊や日米安保を否定し、安全保障問題を語ってはいけない裏事情であるかのように扱ってきた。なぜこのような憲法学がまかり通るようになったのか。その歴史的経緯を解明し、日本が国際社会の一員として国際協調主義を採り、真に立憲主義国家になるための道筋を問い直す。
  • 知的トレーニングの技術〔完全独習版〕
    4.2
    知的創造は形式的な模倣ではなく、その根本まで突き詰めることで初めて可能になる──。そんな明快な観点に立ち、一世を風靡した名テキストが遂に復活! まずは、計画の立て方、発想法、モチベーション管理といった知的生産に欠かせない土壌づくりからスタート。そのうえで、実際的な文章の書き方、読み方から批判的思考の秘訣にまで踏み込んでいく。さらに、付録としてフロイトやボルヘスなど偉大な先達が用いた手法をまとめ、自分なりの思考法を磨けるように構成した。文庫化に際しては、定評ある旧版の内容をさらに精選し、新たにコラムも増補。知的生産のすべてをこの一冊に!
  • デヴィッド・ボウイ ──変幻するカルト・スター
    4.2
    二〇一六年一月、アルバム『★(ブラックスター)』発表のわずか二日後に逝去したデヴィッド・ボウイ。彼は、一九四七年に生まれ、ロックン・ロールの勃興からデジタル音楽配信の時代までを生き抜き、最後まで創造をやめなかった。きらびやかなグラム・ロックの英雄ジギー・スターダストの衝撃、『レッツ・ダンス』での世界制覇、そして最後に残された『★』……今もなお輝きを放つ数々の作品をもって愛され続けるボウイの創造の旅をたどる。
  • 仁義なきキリスト教史
    4.2
    「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)──イエスの絶叫から約二千年、人類の福祉と文明化に貢献したキリスト教は、一方できわめて血なまぐさい側面を持つ。イエスの活動、パウロの伝道から、十字軍、宗教改革まで、キリスト教の歴史をやくざの抗争に見立てて描く、一大歴史エンターテインメント!
  • 多摩川飲み下り
    4.2
    奥多摩駅から多摩川沿いに、のべ27日間かけて、ひたすら歩いちゃあ酒を飲む。目指す終点は川崎駅のそのまた先の多摩川河口だ。歩いた後は、居酒屋でビールにハムカツ、河原でコロッケと酎ハイを楽しむ。これがなぜかたまらず美味い! 河原で草野球や、魚釣りの親子を眺めながら寝転がれば極楽気分。非日常の旅はこんな近くにあった。ほぼ書き下ろし。
  • オシリスの眼
    4.2
    エジプト学者ベリンガムが不可解な状況で忽然と姿を消してから二年が経った。生死不明の失踪者をめぐって相続問題が持ち上がった折も折、各地でバラバラになった人間の骨が発見される。はたして殺害されたベリンガムの死体なのか? 複雑怪奇なミステリに、法医学者探偵ジョン・ソーンダイク博士は証拠を集め、緻密な論証を積み重ねて事件の真相に迫っていく。英国探偵小説の古典名作、初の完訳。
  • イノベーションはなぜ途絶えたか ──科学立国日本の危機
    4.2
    かつて「科学立国」として世界を牽引した日本の科学とハイテク産業の凋落が著しい。経済の停滞にとどまらず、原発事故のような社会への大打撃を招きかねないイノベーションの喪失。その原因は企業の基礎研究軽視にとどまらず、政策的失敗にあったことをベンチャー支援策に成功した米国との比較から解明する。さらに科学の発見からイノベーションが誕生する原理を明らかにし、日本の科学復興に向けた具体的な処方箋を示す。科学と社会を有機的に結びつける“国家再生の設計図”。
  • モテる構造 ──男と女の社会学
    4.2
    女は女らしく、男は男らしく──。旧態依然とした価値観だが、どっこい今も生き残っている。どうしてなのだろうか? 性別の「らしさ規範」(女らしさ・男らしさ)が社会から消えないのは、どういう相手を性愛の対象として好きになるかという、人間の「感情」に固く結びつけられているからだ。しかも面倒なことに、性別規範は男女非対称にできている。だから「できる女はモテる」ということにはならない。本書では、社会的な性別機能の身も蓋もない現実を、透徹した視線で分析。男女それぞれの生き難さのカラクリを解剖し、社会構造変化の中でそれがどう変わりうるのかを俯瞰する。
  • 千駄木の漱石
    4.2
    英語・英文学教師から国民的人気作家へと転身した場所、東京市本郷区千駄木町。代表作『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』もここで書かれた。多くの弟子にも恵まれ、嫌いな大学も辞めた、博士号も辞退した。それなのに、千駄木はイヤだ、豚臭い、そうか、それなら慈悲のために永住してやる……と。書簡、作品、明治の千駄木から描き出す素顔の漱石とは。文庫のために「千駄木以後の漱石」を加筆。
  • カレーライスの唄
    4.2
    会社倒産で職を失った六助と千鶴子。他人に使われるのはもう懲り懲り。そこで思いついたのが、美味しいカレーライスの店。若い二人は、開業の夢を実現できるのやら? そして恋の行方は? 邪魔する奴もいれば、助けてくれる人もいる。夢と希望のスパイスがたっぷり詰まった、極上エンタメ小説! 食通で知られた、文豪・阿川弘之が腕を振るった傑作!
  • 脳は、なぜあなたをだますのか ──知覚心理学入門
    4.2
    どんなに報道されても「オレオレ詐欺」は後をたたず、 マインドコントロールが犯罪につながる事件が起こり、手品にも繰り返しだまされる。これらはすべて、あなたの脳があなた自身を裏切るからである。「ベクション」という視覚による錯覚現象を入口に、心理学者である著者が、この仕組みを楽しく解説する。知覚心理学、行動経済学、脳科学の最新研究もわかる。
  • 悦ちゃん
    4.2
    悦ちゃんはお転婆でおませな10歳の女の子。ちょっぴり口が悪いのはご愛嬌、歌がとても上手で、周りのみんなも目が離せない存在。早くに母親を亡くして、のんびり屋の父親と二人で暮らしているが、そこへ突如、再婚話が持ち上がったから、さあ大変。持ち前の行動力で東京中を奔走、周囲を巻き込みながら最後には驚きの事件が! ユーモアと愛情に満ちた初期代表作。
  • 完全教祖マニュアル
    4.2
    多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける──教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方──あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。
  • 武士の娘
    4.2
    杉本鉞子は、1873年、越後長岡藩の家老の家に生れ、武士の娘として厳格に育てられた。結婚によりアメリカに住むようになり、すべてがめずらしく目新しい暮らしの中で「武士の娘」として身につけたものを失うことなく、また自分にとじこもることもなく、みごとに自立した考えを身につける。今日に通じる女性の生き方を見る上にも、当時の風俗や生活のありさまを知るためにも、高い価値をもつ。
  • 弱虫でいいんだよ
    4.2
    「強い」のは良いこと、「弱い」のは悪いこと、とされているけれど、本当だろうか? 生物に優劣がつけられないように、強弱も絶対ではないことを心に留めて、「弱さ」について考えてみよう。
  • いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか
    4.2
    霊学研究の諸成果に関心を寄せる人々の中には、そのような人生の高次の謎を口にする者が一体どこからその知識を得たのか、という点に疑問をもたざるをえない人もいるであろう。本書はまず第一にこのような人のために役立ちたいと望んでいる。霊学は人生の高次の謎の本質に深く係わろうとする。この霊学からの発言の根底にある諸事実を吟味しようとする人は自力で超感覚的な認識を獲得しなければならない。本書はそのための道を記述しようとしている。四大主著の一冊。
  • 相対主義の極北
    4.2
    すべては相対的で、唯一絶対の真理や正しさはない――この相対主義の「論理」を相対主義自身にも適用し、極限まで追いかける。その最果ての地で、どのような風景が目撃されるのか? 本書では、ルイス・キャロルのパラドクス、マクタガートによる時間の非実在性の証明、デイヴィドソンの概念枠批判、クオリア問題等を素材に、「相対化」の問題を哲学する。相対主義を純化し蒸発させることを通して、「私たち」の絶対性を浮き彫りにすると同時に、その「私たち」も到達しえない“他なるもの”の姿を鮮やかに描き出す。ダイナミックな哲学の思考運動が体感できる名著。
  • 鎌倉仏教
    4.2
    法然、栄西、親鸞、道元、日蓮、一遍―彼らを開祖として鎌倉時代に相次いで勃興した新たな宗教運動は、日本思想史上の頂点をなすと広くみなされている。「鎌倉(新)仏教」と呼ばれるこの潮流は、民衆を救済対象に据えたという点において、とりわけ高く評価されてきた。だが、新仏教の意義は、はたしてこの民衆的性格に言い尽くされるのか? 本書では、旧仏教との異同を深く掘り下げて考察することで、鎌倉仏教の宗教的特質の核心をあざやかに浮き彫りにする。思想家である前につねに実践の人であった偉大な宗教者たちの苦悩と思索の足跡をたどり、中世仏教の生きた姿をとらえた好著。
  • 朱子学と陽明学
    4.2
    儒学は、中華帝国の正統思想として2000年の長きにわたり君臨してきた。その儒教史上に燦然とかがやく二つの学派がある。南宋の朱子によって体系化され、やがて明・清および朝鮮で体制教学となった朱子学であり、それを明の王陽明が批判的に継承し展開した陽明学だ。日本を含む東アジアの思想文化に決定的影響を及ぼしたこれらの流派は、はたして何を唱えたのだろうか。朱子学・陽明学が誕生した時代背景とその問題意識に焦点をあてることで、通俗的理解とは大きく異なる実像が見えてくる。両教説の異同を明快に説き、壮大な思想体系の全体をあざやかに一望する、入門書の決定版!
  • ディスコルシ ――「ローマ史」論
    4.2
    『君主論』をしのぐ、マキァヴェッリ渾身の大著。フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、神聖ローマ帝国など、群雄が割拠し、戦いに明け暮れていたルネッサンス期。権謀術数が飛び交う中、官僚として活躍したマキァヴェッリは、祖国が生き残る方法を模索し続け、古代ローマ史にその答えを求めた。不利な状況での戦い方、敵対する勢力を効果的に漬す方法、同盟の有利な結び方、新兵器への対処方法、陰謀の防ぎ方と成功のさせ方、そして、最強の国家体制……。権力がぶつかり合う壮大な歴史ドラマの中で磨き上げられた、パワー・ポリティクス永遠の教科書。
  • 憲法で読むアメリカ史(全)
    4.2
    建国から二百数十年、自由と民主主義の理念を体現し、唯一の超大国として世界に関与しつづけるアメリカ合衆国。その歴史をひもとくと、各時代の危機を常に「憲法問題」として乗り越えてきた、この国の特異性が見て取れる。憲法という視点を抜きに、アメリカの真の姿を理解するのは難しい。建国当初の連邦と州の権限争い、南北戦争と奴隷解放、二度の世界大戦、大恐慌とニューディール、冷戦と言論の自由、公民権運動――。アメリカは、最高裁の判決を通じて、こうした困難にどう対峙してきたのか。その歩みを、憲法を糸口にしてあざやかに物語る。第6回読売・吉野作造賞受賞作の完全版!
  • チームの力 ――構造構成主義による“新”組織論
    4.2
    一人の人間にできることは限られている。でも、チームを作れば“巨人”にもなれる。チーム作りとは希望を作ることでもあるのだ。「日本最大級の支援プロジェクト」を運営した著者が、独自のメタ理論「構造構成主義」をベースに説く、チームのための新しい組織論。チーム作り、リーダーシップ論、戦略の立て方、モチベーションを引き出す極意、トラブル解消法など、チームの力を最大限に伸ばす原理と方法を明らかにする。
  • 織田信長
    4.2
    時代に先駆けた思想をもち、伝統的権威や因習に囚われずに「天下統一」を目指した「革命児」信長。だが、この広く行きわたったイメージは、はたして歴史的な事実といえるのだろうか? 将軍足利義昭を擁しての上洛、対毛利戦や対武田戦による支配領土拡大、比叡山の焼討など史実を再検討していくと、実は伝統的権威と協調もし、諸大名との共存をも視野に入れ、世間の評判や常識にも敏感だった、時の武将の一面が見えてくる。中世的な価値観が近世へと向けて大きく変化する戦国時代を生きた、信長の真の姿を描く。
  • 正義を疑え!
    4.2
    「正義」とはいったいなんだろう?「秤」と「剣」に象徴される正義概念は、今日、都合の良い解釈によって混乱をきわめている。「均等性」の一義的解釈から生じる「悪しき平等主義」や、あるいは「力」で相手をねじ伏せようとする「他者批判の正義」など、巷に溢れる正義概念に対する誤解や曲解を一刀両断し、己の不完全性に目を向ける「まっとうな正義」を説く。目からウロコの「正義論」入門。
  • サンカの民と被差別の世界 ――隠された日本 中国・関東
    4.2
    【著者のことば】私は、隠された歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題まで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられる旅でした。
  • 現場主義の知的生産法
    4.2
    現場には常に「発見」がある!国内五〇〇〇工場、海外一〇〇〇工場を踏査した“歩く経済学者”が、現場調査の勘どころを初めて明かす。実際に行ったモンゴル二週間四〇社調査をケースに、海外調査のルートづくり、インタビューの要諦、調査結果のまとめ方など、その全プロセスを公開する。調査が終わったらとにかく早く形にする、整理はしない、現場は刈り取るだけではなく育てるもの、等々、IT時代だからこそ心に染みる、超アナログ知的生産のすべて。
  • ブッダ ──大人になる道
    4.2
    ブッダが唱えた原始仏教の言葉は、合理的でとってもクール。日常生活に役立つアドバイスがたくさん詰まっています。今日から実践して充実した毎日を生きよう。【目次】第1章 ブッダ―大人になる道/第2章 ブッダはなぜ出家したのか/第3章 ブッダ心理学、基礎の基礎―心とは何か?/第4章 世界に居場所を見つける―地球サイズの人間になろう
  • カント入門
    4.2
    真理の最高決定機関であるはずの理性が人間を欺く二枚舌をもつとしたら、一大事ではないだろうか。この理性の欺瞞性というショッキングな事実の発見こそが、カント哲学の出発点であった。彼の生涯を貫いた「内面のドラマ」に光をあて、哲学史上不朽の遺産である『純粋理性批判』を中心に、その哲学の核心を明快に読み解く。
  • 憲法と平和を問いなおす
    4.2
    日本国憲法第九条を改正すべきか否か、決断を迫られる時代が近づきつつある。しかし、立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点が見落とされてきた。その核心にある問いにたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。
  • 組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために
    4.2
    日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していこう。本書は、常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる誤解を解き明かす。決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。
  • 日本近代史
    4.2
    日本が最も激しく揺れ動いた一八五七(安政四)年から一九三七(昭和一二)年までの八〇年間。近代日本の劇的な歩みを六つの時代に区分し通観する。わずか数十年の間に「近代化」を実現しながら、「崩壊」へと突き進まざるをえなかった原因はどこにあるのか。史料を精緻に読み解くことで近代史をダイナミックに捉えなおす。
  • 日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話
    4.2
    仏教の本質は修行である。苦を生み出すものが「この私」であるなら、心を鍛え、私自身を変えることで、苦しみから自由になれるはずだ。現代に生きる私たちにとって、ひたすら信じる救済の宗教よりも、釈迦本来の合理的な教えの方が、むしろ馴染みやすい。初期仏教の思想をベースに、生活に結びつく叡智一〇〇話を紹介。
  • パンツの面目ふんどしの沽券
    4.2
    十字架上のイエス・キリストの下着はパンツか、ふんどしか、腰巻か。幼少期に芽生えた疑問を手がかりに、長じて作家となった著者がパンツ・ふんどしをめぐる世界史的な謎の解明に挑む! 前人未到の試みとして連載中から話題騒然となり、没後、「最も米原さんらしい本」と評される、抱腹絶倒&禁断のエッセイ。
  • 敗戦後論
    4.2
    「戦後」とは何か? 敗戦国が背負わなければならなかった「ねじれ」から、われわれはどのような可能性を受けとるべきなのか? 自国の戦死者への弔いが先か、被侵略国の犠牲者への謝罪が先か。発表後、大きな反響を巻き起こしたラディカルな議論の原点が蘇る。靖国問題や政治と文学について考えるための基本書。
  • 千一夜物語(1)
    4.2
    1~10巻990~1,265円 (税込)
    妻の裏切りに心を狂わせたシャハリヤール王は、一夜に一人の処女をはべらせたあげく殺していた。これに心を痛めたシャハラザードは、みずから王のそばに上る。聡明な彼女の語る話の面白さに王は毎夜、殺すのも忘れて聞き入り、千一夜目に達したときには、ついに王の心は温かく溶けていたのだった。東西のあらゆる物語の中で最も多くの驚きと不思議に満ちた大ロマン。定評あるマリュドリウス版からの個人全訳に詳細な訳註を付す。
  • 記憶の絵
    4.2
    葬式饅頭を御飯にのせ、煎茶をかけて美味しそうに食べた父・鴎外のこと、ものの言い方が切り口上でぶっきら棒、誤解されやすかった凄い美人の母のこと、カルチャー・ショックを受けたパリでの生活、〈しんかき〉〈他所ゆき〉〈足弱伴れ〉などなつかしい言葉と共にあった日常のこと――。記憶の底にある様々な風景を輝くばかりの感性と素直な心でえがき出した滋味あふれる随筆集であり、いつの時代でも古びることのない本物の「洒落っ気」「哀しみ」「悦び」を味わえる一冊。
  • 日本の歴史をよみなおす(全)
    4.2
    日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)
    4.2
    ヴェニスの貴族でムーア人の将軍オセロは、元老院議員ブラバンショーの美しき娘デズデモーナと結婚し、幸福の絶頂にあった。だが、部下イアゴーの奸計により、愛する妻と信頼する副官が不義の関係にあると誤解。怒りと嫉妬の末に訪れる結末は……。シェイクスピア四大悲劇の傑作を待望の新訳で贈る。
  • ケルト妖精物語
    4.2
    月夜の緑の草原や青い海原の底でバラエティーに富んだ妖精たちと人間が織り成す、詩情ゆたかな物語の数々。アイルランドで何世紀にもわたって語り継がれ、今なお人々の心に息づいている祖先ケルト民族のさまざまな民間伝承や昔話の中から、妖精譚のみを集めた古典的名著。付録にイエイツの「アイルランドの妖精の分類」を収録。
  • 円のゆくえを問いなおす ――実証的・歴史的にみた日本経済
    4.2
    世界経済は不安定になるなか、私たちに最も大きな影響を及ぼしているのが円高・円安という円相場の動きである。円高は目前のメリット/デメリットに目がいきがちだが、デフレと経済成長率の低下という「失われた20年」の根幹をなす問題が横たわっている。円のゆくえを主軸に、日本経済の過去・現在・未来を総括する。
  • 荒涼館(1)
    4.2
    エスタ。この、出生の謎をもつ美少女の語りを軸として展開する多彩な物語。その背景となる「ジャーンディス対ジャーンディス事件」とは何か? 上流夫人の秘密とは? 野心的な弁護士の策動、奇妙な慈善事業家、アヘン中毒の代書人、相次ぐ事件……。イギリス19世紀を代表する作家ディケンズが、小説の面白さのすべてを盛り込み、読者に息もつかせぬ興奮の世界をくりひろげる。
  • 大菩薩峠(1)
    4.2
    原稿枚数一万五千枚に及ぶ世界最大の大河小説。魔剣「音無しの構え」に翻弄され無明の闇を遍歴する机竜之助を核に、多彩な人物が入り組み、展開される時代小説の最高峰。大菩薩峠の頂上で老巡礼を一刀のもとに斬り棄てた机竜之助の無双の剣は、魔剣と化した……。本巻には、一代巨篇の発端から江戸、京都、大和へと流転果てない運命をさすらう「甲源一刀流の巻」「鈴鹿山の巻」「壬生と島原の巻」「三輪の神杉の巻」を収める。
  • 大衆の反逆
    4.2
    一九三十年刊行の大衆社会論の嚆矢。二十世紀は「何世紀にもわたる不断の発展の末に現れたものでありながら、一つの出発点、一つの夜明け、一つの発端、一つの揺籃期であるように見える時代」、過去の模範や規範から断絶した時代。こうして、「性の増大」と「時代の高さ」の中から《大衆》が誕生する。諸権利を主張するばかりで、自らにたのむところ少なく、しかも凡庸たることの権利までも要求する大衆。オルテガはこの《大衆》に《真の貴族》を対置する。〈生・理性〉の哲学によって導かれた予言と警世の書。
  • ニーチェ入門
    4.2
    ルサンチマンの泥沼の中で「神」や「超越的真理」へと逃避するのか、あるいは「永遠回帰」という「神聖な虚言」に賭け、自らの生を大いに肯定するのか? 二十世紀思想最大の震源地であり、今日もなお、あらゆる思想シーンに絶大な影響力を誇るニーチェの核心を果敢につかみ、さらに未来へと開かれた可能性を大胆に提示する、危険なほどの刺激的な入門書。
  • 二十世紀(上)
    4.2
    二十世紀は戦争と革命の時代だったとも言える。一方で、一年ごとに見ていけば、意外にも大事件の起こった年は少ない。そんなふうに私たちは毎日を普通に生きているのだ。しかし、普通が激動に結びつくことは理解されにくい。一体、この百年で、何が変化し、何が変わらなかったのだろう? 生活レベルのことから、芸術、経済、政治まで、橋本治が、歴史の全体像を身近なものへと手繰り寄せる。
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    4.2
    現実と非現実のあわいの世界と人間の狂おしい心情を描く久生十蘭。その該博な知識と彫琢を凝らした世界の魅力を網羅した1冊。高等遊民の男と、非常な美しさをたたえた女性との数奇な運命を描いた「湖畔」「墓地展望亭」、戦後間もなく発表され代表作とされる「ハムレット」と、その原型となった「刺客」等14作品収録。
  • 人間の未来 ――ヘーゲル哲学と現代資本主義
    4.2
    資本主義は今、格差を拡大しつつ地球を消費し尽くそうとしている。その制御がかなわなければ、私たちが近代以降なんとか確保しようとしてきた「人間的自由」は、息の根を止められかねない。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示し、この問題を考える上でも欠かせない。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る迫真の思考。
  • 源氏の男はみんなサイテー ――親子小説としての源氏物語
    4.2
    なぜ『源氏』の男たちはかくまでサイテーか? 『源氏』の男たちは「親子関係」のなかでとらえて初めて、その男女関係も理解できるのだ。『源氏』は愛の物語、親子関係と恋愛関係、愛という同じ穴のむじなに生きる人たちの物語である。それは読み手の恋や親子関係に重なって、私たちの心をほぐし開いていく。幸せって何? という問いかけをはらみながら。
  • 現代語訳 福翁自伝
    4.2
    『学問のすすめ』『文明論之概略』などを著し、慶應義塾の創設にも力を尽くした近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉。激動の時代を痛快に、さわやかに生きた著者の破天荒なエピソードが収められた本書は、近代日本が生み出した最良の読み物のひとつであり、現代日本人が生きる上で最高のヒントを与えてくれるだろう。
  • 改訂版 金持ち父さんの子供はみんな天才 ――親だからできるお金の教育
    4.1
    この本は、「学校はあなたの子供に実社会への準備をさせているだろうか?」という質問に答えを与えてくれる。これからを生き抜くために勝利の方程式を手に入れる!
  • 選ばない仕事選び
    4.1
    (1)仕事選びに正解なんてない。仕事に触れ、仕事とは何かを少しずつ知り、自分の好き嫌いや向き不向きを知っていく。でも、何を選んでもたいして変わらない。それを知っていれば、急いで選ばなきゃと焦る必要もなくなるはず。どれを選んでも、多分、だいじょうぶ。 (2)将来のことなんて何も考えず、行き当たりばったりに生きてきて、仕事なんてやりたくないと今でも思いつつ、それでも何となく楽しく毎日を過ごしている僕自身について書こうと思う。仕事や働き方について僕がどう考えているのかを、そして、これまでどんなふうに僕がいろいろな仕事と出会ってきたのかを、君に伝えてみようと思う。もちろん僕だからこうなったわけで、君も同じようになるとは限らない。僕と君とは違う人生を歩んでいるわけだからね。それに、なによりも、大人のアドバイスは真に受けちゃいけないからね。 (3)出会った時が仕事の始まり 世の中にあるほとんどの仕事を僕らは知らない。だから、まだ決めなくていい。 【目次】Ⅰ 仕事について考えてみよう/Ⅱ どうやって仕事に出会うの?/Ⅲ 働かなくても生きていける?
  • カードゲームで本当に強くなる考え方
    4.1
    ゲームとして、競技として――多くの人が魅了され、勝利を目指して打ち込むトレーディングカードゲーム。ゲームの本質、確率的センス、認知バイアス、メタ読み、練習方法、言語化、デッキ構築の視点……どのTCGにも共通するセオリーがここにある。カードゲームの本質は「数理と心理」である――勝てると思ったのに勝てないのはなぜか。カードゲームはどのようなもので、その実力とは何か? プロプレイヤーとしての経験から得られたどのカードゲームでも充実して強くなれる理論をお伝えします。 【目次】第1章 カードゲームの本質/第2章 カードゲームの数理/第3章 カードゲームの心理/第4章 真に上達するための練習/第5章 デッキビルダーとして考える/あとがき――可能性への投資/後悔なく楽しむ/読書案内
  • 金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」 ――お金についての8つの新ルールを学ぼう
    4.1
    本書は、グローバル経済をロバート・キヨサキがどのように見ているかを示し、我々がなぜこのような荒れ狂う経済状態に巻き込まれてしまったのかを検証していく。そのうえで、それぞれの経済的な問題に対する解決策を提供し、この経済的混乱を創り出した元凶とその緩和策について解説する。さらに、最悪と思われる時にこそなぜチャンスが生まれつつあるのか、なぜファイナンシャル教育に投資する絶好の機会なのかについても詳しく説明する。
  • リッチウーマン ――人からああしろこうしろと言われるのは大嫌い!という女性のための投資入門
    4.1
    ロバート・キヨサキのパートナーで、投資家でもあるキムがはじめて書いた「女性向けの投資のすすめ」。これから投資を始めたい人への力強い励ましのメッセージ。
  • とんでもねえ野郎
    4.1
    江戸蒟蒻島「真武館」の道場主、桃園彦次郎はとんでもねえ野郎だ! 借金ふみ倒し、無銭飲食、遊廓泊りの朝帰り、……日々是やりたい放題。それでも妻の若菜はいつもニコニコと道場で子供達に剣術を教えている。時は幕末、しかしこの男にはな~んにも関係ない。起承転々、桃園彦次郎放蕩控。【対談:杉浦日向子・久住昌之氏】
  • 傷を愛せるか 増補新版
    4.1
    たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太
  • 東のエデン
    4.1
    文明開化……西洋がはいり込んできた〈東のエデン〉ニッポン、その時代の空気とそこに生きた人々の息づかいを身近に感じさせてくれる、味わい深い作品集。外国人の眼に映じた日本を描いた表題作をはじめ、若き書生たちのユーモラスな日常と揺れ動く心を描いた「閑中忙あり」「ぶどうのかおり」、異界をさりげなく垣間見させてくれる「やまあり」「仙境」など全9話。【解説:赤瀬川原平】
  • 自分にやさしくする生き方
    4.1
    セルフケアは「一人で頑張る」ものではありません。日常のストレスに気づき、心の根っこにあるもやもやを解消し、自分にやさしくする技術を身につける一冊です。こんな人におすすめ:寝る前も勉強や仕事が気になってリラックスできない/休むと自分を甘やかしているようで罪悪感がある/人に迷惑をかけるのが怖くてSOSを出せない/みんなはもっと頑張っているのに……と落ち込む 【目次】第I部 自分にやさしく気づきを向ける/第1章 ストレスに気づいて観察する/第2章 ストレスを感じる自分にやさしさを向ける/第II部 周囲からのサポートを受けることで自分にやさしくする/第3章 孤立せずに人とつながることの重要性/第4章 サポート資源を確認したり調べたりする/第5章 サポートネットワークを作成し、積極的に活用する/第III部 「自分にやさしくする」スキルを身につける/第6章 安心安全を自分に与える/第7章 中核的感情欲求に気づいて、満たす/第8章 セルフ・コンパッションを理解し、実践する
  • 風俗嬢のその後
    4.1
    夜の仕事に就く理由は様々だ。失業のため、虐待から逃れて生き延びるため、大学の学費や病気の治療費のため、ホストやバーの売掛金の支払いのため。性風俗で働くことには、昼の世界よりも圧倒的に高額な報酬を手にすることができる可能性がある反面、ストーカー被害や性感染症、社会的な信用といった面での大きなリスクが伴う。彼女たちはなぜ性風俗産業で働きはじめ、どのようにして卒業したのか。実際の体験談から脱がずに生きる方法を模索する。

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