山口裕之の作品一覧
「山口裕之」の「ベンヤミン・アンソロジー」「現代メディア哲学 複製技術論からヴァーチャルリアリティへ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山口裕之」の「ベンヤミン・アンソロジー」「現代メディア哲学 複製技術論からヴァーチャルリアリティへ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
社会には、相反する意見の中から一つを選ばなければならない場面がある。そのとき「人それぞれ」では済まない。著者は、絶対的な正しさを前提とする普遍主義でも、各人の価値観を等しく認める個人相対主義でもない、「より正しい正しさ」をつくるという第三の立場を提示する。
多様性を掲げる運動は、発展するほど内部にさらなる多様性を見出し、やがて個人相対主義へと行き着き、内部崩壊を招く危険がある。多様な人々が抑圧されずに連帯するためには、既存の名前やカテゴリー、すなわち権力が定めた社会的枠組みを一度は受け入れる必要がある。それを拒んで「人それぞれ」と言うだけでは、個々が分断され、連帯が生まれない。そして人々が分
Posted by ブクログ
発売日に「名著新訳」の帯に釣られて買って1年。Penguinさんのレビューを見るまで、すっかり忘れてました。こんな名作を1年積んでいたことを後悔しきりです。ありがとうございます。
収録は三作品。どれもグイグイ読ませる名作だと思います。ところで帯に「名著新訳」とありますが、岩波文庫の”青・白”は「名著」でも、”赤”はフィクションなので「名作」ですよね。
以下、あらすじと感想。
『ミヒャエル・コールハース』
舞台は16世紀のドイツ。馬商人のミヒャエル・コールハースは、取引先のユンカー(地主貴族)に理不尽な方法で馬を奪われます。後日、その馬や馬と一緒にいた下僕の酷い扱われように憤慨した彼は、法
Posted by ブクログ
筆者のクライストは18世紀末生まれ、この作品は19世紀(1800年代)初頭。
古い。しかも岩波の赤帯。構えるよね。わかる。わかるよ。
ただ、その先入観を一切捨てて読んで欲しい。
まずはとにかく最初の「ミヒャエル・コールハース」を読んで欲しい。
確かに舞台は古い。19世紀のクライストがさらに昔の中世のドイツを描いている。
やばい私この感覚理解できるかなって一瞬不安になる。
しかしそんなのは杞憂に終わる。コールハースが馬と妻を失ってからの復讐劇。
本から溢れ出る復讐へのパッション。打ちのめされる。
続く「チリの地震」と「サント・ドミンゴでの婚約」も同様。
舞台は古い。ただ、そこで生まれる、本に