田口茂の作品一覧
「田口茂」の「現象学という思考 ──〈自明なもの〉の知へ」「〈現実〉とは何か ──数学・哲学から始まる世界像の転換」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「田口茂」の「現象学という思考 ──〈自明なもの〉の知へ」「〈現実〉とは何か ──数学・哲学から始まる世界像の転換」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
自明なもの、時間、自我、他者など、改めて考えてみると正体が掴めなくなるものについて、専門的な学術用語は極力使わずに説明している。当たり前の根底にある現象を正確に捉えようとしたとき、何が言えるかについて丁寧に向き合っている。
めちゃくちゃ難しいことを扱っているはずなのに、読んだ後わかった気にさせられる文体や表現力が凄い。
筆者はこの本の内容をそのまま飲み込むことは求めていない。意識に昇らない自明なものを探りたいなら、この本を足がかりにもっと深みにハマってみなさいと諭されている感じがする。
“自己と他者の重なる領域に自己の意識が留まることは、相当な苦しみを負うからなのかは定かでないが、到底できない
Posted by ブクログ
20世紀以降の哲学を学ぶにあたっては、現象学をしらないと始まらないのだが、これが苦手で、フッサールとか1パラグラフもわからない。解説書を読んでも、最初のほうはわかるのだが、だいたい20〜30ページ読んだところでギブアップしていまうことが多い。(それでも、残りをざっと速読するのだけど)
そんな感じで、現象学には、なんか問題意識というか、思考の方向性が合わないという感じがあった。
そういうなかで、最後の期待(?)をかけて、読んでみた。
基本、フッサールの現象学をベースに説明していくわけだが、かならずしもフッサール用語をつかわず、フッサールの説明方法とは違う組み立てをしながら、現象学とはなにか
Posted by ブクログ
「フッサールと筆者の共同作業」と著者が語っているように、フッサールの思想を著者みずから歩みなおし、著者自身のことばで語りなおした本です。「本質直観」や「超越論的主観性」といった現象学の用語についても、フッサールの難解な議論を参照するのではなく、著者自身の解釈がわかりやすいことばで語られています。
まず、「物」とはなにかという問題がとりあげられます。著者は「物」を、さまざまな射影の背後にある実体であるとする考えをしりぞけ、さまざまな射影がシステマティックに現われたり現われなかったりする「構造」が、「物」の概念の根本だと論じられます。また「本質」についても、現象の背後にイデア的な実体を想定するの