趣味のラノベ書きです。
転生もので織田信長を登場させようと思い、キャラ作りのために読み始めました。
元々、通説のフワッとした信長像しか持っていなかったので、簡単に本書の「新説(信長は天下狙っていなかった)」に納得してしまいました。
唯一疑問が解けなかったのは、p121「本能寺の変の直前には四国の
...続きを読む長宗我部氏にまで軍勢を送ろうとしたのは一体なぜなのか」と疑問の提起だけはれていて、(見落としているだけかも知れないが)武田攻めや毛利攻めはともかく、四国の長宗我部を攻める意味は本書の説明ではあまり納得できず、それこそ天下統一の野望的な理由以外にないのでは?と思えてしまったこと。
明智光秀の裏切りの理由は分かっていないそうですが、たくさんある説の中に「四国の長宗我部を攻めることに反発」というものがあるそうです。
神田氏とはまた別の学者さん(金子拓氏)が「信長にはそもそも天下統一の野望がなかったが、四国攻めの時点で初めてその野望を抱き、その『ご乱心』に光秀が奮起した」という説を書かれていて(今手元になくてうろ覚えですが)私にはそれが有力な説に思えています。今のところ。
こんな風に「当たり前」とみんなが思っていた信長像が、実は違ったのかもという話を読めるのは、知的好奇心が刺激されるし、とても面白いです。
相変わらず野心的で独創的な信長が描かれている漫画などを見るたびに「本当は違うかも知れないのにみんな通説に『洗脳』されてる」と複雑な気持ちにもなりますが。
子供向けの絵本の信長は、宣教師から地球儀を貰って、それを触りながら「いつか世界征服」とまで描写してるのですから、「こうやって野心的な信長像を我々は思い込まされていたのだな。全くのデタラメだとしたら、本当に罪作りだな」と思います。。
本書発売から10年近く経ちますが、なかなか覆らないものですね。
ちなみに、そもそも読み始めた動機である、小説に登場させようとしていた信長は、こちらの「新説」を採用することにしました。
「信長が天下狙ってなかったわけないじゃん。宗教も天皇も将軍も、全部自分より下のものとして見ていたに決まってるじゃん」みたいな感じの信長像は、簡単に覆らなさそうですが、私はあくまで創作しているに過ぎないので、信長像の論争には巻き込まず、見逃して欲しいなと都合の良いことを思っています(苦笑)。