神田千里のレビュー一覧
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趣味のラノベ書きです。
転生もので織田信長を登場させようと思い、キャラ作りのために読み始めました。
元々、通説のフワッとした信長像しか持っていなかったので、簡単に本書の「新説(信長は天下狙っていなかった)」に納得してしまいました。
唯一疑問が解けなかったのは、p121「本能寺の変の直前には四国の長宗我部氏にまで軍勢を送ろうとしたのは一体なぜなのか」と疑問の提起だけはれていて、(見落としているだけかも知れないが)武田攻めや毛利攻めはともかく、四国の長宗我部を攻める意味は本書の説明ではあまり納得できず、それこそ天下統一の野望的な理由以外にないのでは?と思えてしまったこと。
明智光秀の裏切りの -
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政治との関わり合いから宗教の影響・弾圧・果ては天草四郎時貞まで
日本独自の宗教(八百万の神っていうもんだし、まぁそりゃそうよな)って
凄い独特であって海を越えてきたキリシタンの方々は
うん、日本の宗教って意味不明!!ってなるのもまぁ分からんでもない。
カトリックが日本の寺社仏閣をバンバン破壊して日本の天道・王道を否定。
もう何でもかんでも否定よ。
結局は切支丹禁止に繋がっていったのではないかという話。
一番勉強になったというか
ほぉ~!!!って思い知らされたのは島原の乱。
弾圧したって一括りになる理由がやっとわかった感じ。
他教の信者を認める・認めないって今でも宗教争いは世界規模であるけども
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戦国時代というと、やはり信長、信玄、謙信といった戦国の英雄に目が奪われがちであるが、本書は、戦乱に逃げ惑った民衆が、乱世の真の主役ではなかったかとの問題関心の下に、戦国時代の様相を叙述したものである。
第一章では、徳政を求める土一揆が起きる背景や、参加者がどのような者たちだったのか、流民や足軽との共通性が指摘される。第二章では、様々な争いに巻き込まれるおそれのあった村が、どのようにして平和を維持しようとしたのか、意外にも過去の遺物のように思われる本所の公家や僧侶の権威を頼ったことを、例を上げて明らかにする。
第三章では、この時代においても、将軍が京都住民の保護に任ずる責務を負っていたこ -
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信長は従来語られてきたような(自らが天皇に取って代わる野望を抱いた)稀代の異端児ではなく、天皇、室町将軍家を重視した、当時における常識をわきまえた武将であった。
その旗印である「天下布武」の天下とは京都を含む近畿5国のことで、天下布武とは武力をもって近畿5国を平定した信長の治世の下、天皇家、将軍家に祭祀、政を執り行って頂くことであり、決して武力を以って全国制覇することを意味しない。
毛利攻めも武田勝頼との長篠の戦も、国境の勢力争いに過ぎなかった。
比叡山焼討ち、キリスト教庇護、本願寺との対立等あるが、信長は宗教に対して特段の思い入れがあるわけではなかった。
マルクス・唯物弁証法的史観を背景と -
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織田信長は、革命家とか天才とかのイメージが世間にはあるが、実際はそうではないことを古文書から解読し説明した本である。
大学教授で専門家の筆者は、豊富な文書類をいつどのような状況で書かれたかを示しながら、織田信長は足利将軍や天皇を敬い、庶民の世評を気にする常識的で有能な政治家であると世評とは逆さとも言える評価をする。
とくに天下布武が野心の表れとの世評に対し、天下は日本全国ではなく畿内を示しているとの指摘や、分国拡大は国境紛争の結果に過ぎないとか、いろいろと目新しく感じた。
ただ、前にも述べたとか後で記すようになどと、行ったり来たりするところが、ややくどいというかもう少し整理して書いてほ -
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戦国時代において、宗教が当時の戦乱にどう関わってきたか、戦国大名達(主に信長、秀吉)がどう対処してきたかを数々の文献から探る。
前半は信長と本願寺との争い、後半は秀吉の伴天連追放令や島原の乱などキリスト教の話題が多い。数々の戦や一揆に各宗教が持つ排他性(かなり苛烈なもの)が原因になっているという分析だ。他の文献ではキリスト教宣教師達は人身売買をはじめとした闇貿易の尖兵という見方もあるが、本書ではキリスト教内の対立が欧米でも激化している排他性がピークに達していた頃の日本での布教活動、という見方だ。
宗教に限らず、自分と異なる考えの者を排除しようとする人間の行動は今も昔も変わらない。しかし生活 -
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当時の人々は、色々な仏教宗派の説法を数多く聞いており
教義に通じていたため、
宣教師たちが彼らをキリスト教に改宗させるために説法することは、
苦労の多いことだったようです。
そしてこの時代は、
「天道」思想というものが一般にひろく受け入れられていました。
「天道」に背くものは神仏の罰があたり、
「天道」を守るものはその加護がある。
日本の神仏をまるごと信仰し、崇拝することが「天道」に適い、
「天道」の加護を受けるためには、世俗道徳の遵守も必要である、というもの。
秀吉の伴天連追放令や、禁教令の要因は、
キリスト教の日本在来の宗教との共存を拒否し、
その撲滅をめざすという行動様式のため、とい -
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戦国時代、キリスト教が入ってきたことで、神仏とキリスト教との間で軋轢が起った。
従来の宗教を尊ぶ者と、新しい宗教に心を傾ける者。
この宗教における、戦国時代の人々の心理を解説している。
戦国時代を生きる人々の宗教観を現代を例にとりながら解説しているのだが、あーなるほどといった感じで、感動はない。
「結局、戦国時代も現代も一緒だよね」に落ち着いてしまう。
いやいや、そうなのか?
共通点はあるだろうが、しかし違うからこそ歴史は面白いのでは?と突っ込みを入れたくなる。
感想としては、むしろ違いこそを強調してほしかった。
戦国時代の宗教に関する入門書としては、いいのかもしれないが