小松原織香の作品一覧

「小松原織香」の「当事者は嘘をつく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

ユーザーレビュー

  • 当事者は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    毒親論にも適用されうる、回復の物語の外側の生を肯定してくれる一冊。泥沼のような状況下で加害者を「赦す」。一見非合理に見えるこの行動こそが、時間の流れを伴う継続的関係を見据えた、責任を伴ったものであること。こうした言説こそが当事者を救いうるのではないか。タオを生きる我々は割り切れない曖昧さを抱えるものなのである。

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    2025年03月05日
  • 当事者は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    同意のある性交で性暴力を受けた筆者の壮絶な心象が、誠実な言葉で綴られている。同様の経験をしない私には、初めて知ることがたくさんあった。性暴力被害はドーナツの穴のように、存在の証拠でありながら語りえないものであること。相手を殺さないために赦そうとしたのは、無力感の反転だったこと。社会制度改革に関わるなかで一時的に自己の問題から離れられたこと。真実より物語(例え画一的だとしても)が必要だったこと。
    印象的だったのは、支援者が被害者を「珍しい生き物を解説」したり、力を奪っていくように感じ、必要な支援はエンパワメントだ、と猛烈に憤った点。弱き存在として「矮小化」されたという感覚や、回復させたいという「

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    2024年10月18日
  • 当事者は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    NHKの放送を観て本書を知り、一気に読みました。

    トラウマとなる体験を通しての心の動き、

    言葉にできない、正しく説明なんてできない、
    記憶が飛んでいる、
    解離、、

    深刻さの矮小化。

    性暴力と性被害。立証が難しいことに震撼

    殺すか、赦すか。死ぬか。

    たまたま被害に遭ってしまうだけで、取り返しのつかない深刻なダメージになる、、こわい。死につながる。

    私は全然想像できてなかった。
    たとえ前もって知識があっても、いつ大切な人が、そんな被害に遭うとも分からない。

    そこからのサバイバル。
    自助グループの存在。
    同じ立場の人の存在が、自分の内面に入ってくる。
    自分の外に目を向けることにもつな

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    2024年06月15日
  • 当事者は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    「あなたには分からない」と、その人(たち)をはね除けることは、結局のところ「私のことを分からないあなたのことが、私は分からない」と自分の心の不透明な部分をはね除けることと等しいのではないだろうか。
    自分の心の中に空洞が残るのは、正にこういった所作によるものかもしれんと思われた。

    「私のことが分からないあなたのことを私は知りたい」なぜならそれが、「私を知る」ことに繋がるからだ…という路があるような気がするな。

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    2023年08月21日
  • 当事者は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    「当事者は嘘をつく」というのは著者が、体験した性被害の経験について語るとき、自分は嘘をついているのではないか、という考えが拭えないということを意味したタイトルである。

    性被害にあった人間が修復的司法というケアの方法を通してどのようにサバイブしていけるのか、ということを主軸に、そこから無限に枝分かれするさまざまな重要な事項へ触れていく。それらのことは読者自身が何らかの被害体験を持っていなかったとしても、特別に響いてくるものがある。なぜなら、それは誰もが経験する「傷つけること/傷つけられること」に結びついていて、それらをどう扱うかということをこの本は語っている。

    また、自助グループでの体験やケ

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    2023年07月11日

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