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いま、余白がある「地方」にこそ可能性が広がっている。これまでの居場所を違った角度で見つめなおすと、新たな面白さ、そして課題と魅力が浮かんでくる。仕事、暮らし、苦労話まで、すべて洗いざらいお伝えします。
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Posted by ブクログ
とても面白かった。 「地方を面白がって生きる」ことにまつわる思想が、筆者の経験を辿りながら綴られている。究極のローカルとは、自分自身であって、地方で自分らしく生きることの魅力が(課題も包み隠さず)述べらている。 ・ローカル:自分が主体的に関係を持っている場 ・郷に入りては郷を楽しめ ・よそ者によ...続きを読むる新発見は、地元民にとっての再発見 ・外臓 ・自分達がまちを楽しむことが最大のプロモーション ・「やるコミュニティ」と「いるコミュニティ」 ・「おいしい、楽しい、面白い。これがなければ人は参加してくれません」p.189 ・エラー:通常では起こり得なかったこと。エラーが個人の人生や地域を面白くする。
地域「のために」生きるわけではない。地域「で」生きるほど、甘い世界ではない。地域「を」生きる、主体性、面白がりが必要だと説く。テレビ局出身の著者が書く地域論はメディア論としても読める。
「エラー」や「不確実さ」を面白がる。地域のため!と大上段に構えるのでなく、まず身近で自分のために面白がりながら活動する、それが後付けに公共性を帯びてくる。なるほど!
福島県いわき市でローカルアクティビストとして活動している著者。『地方を生きる』というタイトルからすると、地方の魅力と大変さ、その苦労話や生き方のコツを(ちくまプリマーだから中高生向けに?)紹介している本のように印象付けられるかもしれません。 そのことについては書かれていますが(「第四章 ローカル『...続きを読むクソ』話」のエピソードや、具体的で実践的な方法、たとえば「晴耕雨読2.0」「勝利ラインを下げる」などよいのです)、それだけの本なのかというと、すこし違います。 わたしはこの本を読んで、とても勇気づけられました。それをなかなか言葉にできなかったのだけれど、著者が本書を「個人と社会の結びつけ方」を書いた本として紹介していることを知り、そうかと思いました。 「ぼくが最も伝えたいことを前もって書いてしまうと、地域のためとか、復興のためとか、家のためとか日本のためとか、そういうことは一切考えなくていい。あなたは、あなただけの人生を堂々と歩むべきだ。それが、地域と共に生きること、課題とともに生きることなんだということです。」(P173、第五章 地域の「復興」とは) この本では繰り返し、「自分が楽しむこと」「自分の人生を楽しむこと」を肯定しています。「大事なのはあなた自身です。どこまでも、自分の関心や興味や、自分の課題や生きづらさから出発すればいいんです」(P174、第五章)。そして、自分が楽しんだ「結果として」、地方=ローカル=現場が豊かになるのだ、と。そういう態度で一貫しています。 それは単に、楽しめば豊かさが生まれるというより、地域にはみ出し楽しむなかで、かならず「課題」にぶつかってしまうことを意味しているのだと思います。その課題と楽しさとは「紙一重」であり、「紙一重ということは、ふたつに分けることができない」(P157、第四章)ものだと著者は言います。 だから、「課題とともに生きる」ことを著者は推奨します。それは、課題を課題として諦めるのではなく、課題を持ち寄りコミュニティを作ったり、イベント化することで、公共性に開いていく営みを意味しています。「一生付き合うのだとすれば、課題を面白がったり、課題解決のためのプロセスそのものを楽しんだりするほうが圧倒的にヘルシーではないか、とぼくは考えています」(P87、第二章 ふまじめな場づくり)。 最終章である「第六章 エラーと生きる」では、最後に著者が魚を持って笑顔を見せる写真とともに「自分の人生という現場(ローカル)を楽しむ」というキャプションが付せられています(P227) 。自分の人生という現場を楽しむ、噛み締めたい言葉だと強く感じました。
ローカルアクティビストとして活動する著者が地域に入るまで、入ってからの実際を語る。都市も田舎も良いところと悪いところは紙一重。そこをひっくるめてどう暮らしていくかが大事なところだと思った
世の中には面白い人がいるなあと またしても思う。 面白い人とは、動く人。 無理だと思っても、とにかくやってみる人。 発想を変えて、実現に近づこうとする人。 すごいなあと思うだけでなく、 自分も少しでも動かねばならんよね。
自分の人生を生きることは、ローカルライフそのもの、という見立てには、納得します。自分の人生という現場(ローカル)をどう楽しく生きようか、という本かな。読み進めながら、この生き方はとても面白い、と実感させられました。コロナが収まったらば、常磐線に乗って小名浜に行きましょう ☆4つであります。
1979年生まれ、大学卒業後は福島でテレビ記者、上海で日本語教師とライター、その後2009年にいわきに帰郷し木材店、かまぼこ会社、ローカルアクティヴィスト。そんな筆者の人生行路がブログ風に書かれている。帰郷後の活動拠点の契約日寸前に震災に見舞われ、その後の世界観の変化が言語化されている。エラーによっ...続きを読むて「翻弄」される人生を幸せに楽しもうという前向きなメッセージもあり、「ローカルクソ話」で後ろ向きな現実も覆い隠さず。
評論というよりは、筆者の半生を綴ったエッセイという感じ。「晴耕雨読2.0」として出てくる概念は実は新鮮で、なるほどそういう暮らし方もあるんだなと思った。途中から時間軸が行ったり来たりするので、少しだけ混乱した。
今住む所の魅力を感じながら過ごしていきたい。 この本の主な舞台である福島県いわき市には多少の縁があるので、又訪れる事があったらここに書かれている事を思い出しながら巡ってみたい。 田村書店天下茶屋店にて購入。
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