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Posted by ブクログ
筆者の経験による部分が前半を占めているが、後半はしっかり具体的な解決策を提示してくれている。親以外との関係にも応用できそう。
全編漫画かつボリュームが少なくまとまっており大変読みやすかった。
以下、自分用の要約メモ。
・親の行動の種類や酷さの度合いは関係なく、子は親から自分の気持ちに耳を傾けて貰えないこと、関心を持って貰えないことに傷付く。
・人と比べて「私は辛いと思ってはいけない」と思わなくていい。自分が辛いなら「辛い」でいい。
・自分の気持ちに耳を澄まして、自分自身の味方になってあげよう。自分が1番自分の事情を聞いてあげられる
・世の中は2面に分けられる。
どうにもならないことも2つに分けると思考が整理できる。
A面:決まり事だらけの相対的な面「仕事」「納税」「学校」「時間」など、社会システムや共有する認識、法則、ルールや通念
B面:地球や人間の揺るぎない面「天気」「災害」「感情」「欲求」「事故」「老い」「特性」など逆らえないもの
A面はB面を守るためのものであるが、同時にB面を利用、抑圧、コントロールもしている。これらを繋ぐのが医療、インフラ、福祉、公衆衛生、保育、介護など……
・親は子供に社会の「A面」、つまり世間の声を教える役割
「世間の声」と親自身の気持ち(B面)が強い時に親はうるさくなる
・落ち着きたい時は自分の事情(どうしてその言動を取るのか)に耳を傾ける
・自分の中にある「世間の声」は自分のもの、それを人に押し付けてはいけない。他者と自分を同一視してはいけない
・自分の理想像を人に押し付けるのはとても失礼なこと。別にその人はその姿を目指していない!
・相手を理解することとその行為を否定することは両立出来る
・自分をダメだと思いすぎたり、理想が高すぎたりすると他人にも厳しくなってしまう
・「世間の声」は自分の立場(年齢など)が変わる度渡されるものだが(例:20歳すぎたら自分の責任、母親の一番の仕事は育児など)、自分で探し出せるものでもある(例:親のこと嫌いでも大丈夫)。また、自分の体験や「これっておかしい!」などの考えから新しく生み出せるものでもある
・まず自分の「B面」つまり自分の気持ち、事情に耳を傾け、分かってあげることが何より大事。誰かに分かってもらおうとしたり、逆に相手の事情を考えるのは二の次
そうすると自分から他者への態度も変わったり、自分の芯が確認できたりする
・いろんな「世間の声」をゲットして、自分にとっていいと思えるものを選んで生きていこう
Posted by ブクログ
〈親との関係に悩むあなたへ〉
子どもの頃から母親から苦しまされていた筆者が、大人になり、母親になり、子供の頃の自分の気持ちや母親の気持ちを分析し、「親と子の関係」を書いた一冊。全編漫画書き下ろしです。
親はうるさい。
本書でも最初に色々な親のうるさ型を示します。
「早くしなさい」系うるさい、ねちねちうるさい、爆音系うるさい、すぐねかしてきてうるさい、アドバイスうるさい
それに子どもが反応すると親はこう返すとも言っています。
あなたのため返し、お父さん巻き込み返し、極端返し、ひやかし返し、割り込み返し、急に弱り返し
そのような親の姿を見て、子どもは何も言い返せなくなってしまいます。
本書の第1章は、子供の頃の筆者が母親からどのような「うるささ」を受けてきてかが描かれています。読んでいると筆者が置かれていた状況が厳しく、読んでいて辛くなるところがあります。
筆者の体験を「分かる」と思う人もいれば「私の家はそれほどでもない(からそれほど辛くないのかもしれない)」と思う人もいるかもしれません。後者の人は筆者と自分の体験を比較して、辛くないと思っているのでしょう。けれど、本書の中でこういう考え方が示されています。
"「つらい」は人と比べなくていい"
"自分がつらいなら「つらい」でいい"
"親のことがイヤならイヤでいい"(p.43)
筆者の辛さと比較した人は、ぜひ自分自身がどう感じているかを大事にしてほしいと思います。
第2章では、大人になった筆者が、子どもの頃の自分は母親にどうしてほしかったのかを振り返ります。そこで、筆者は自分自身の事情を聞くということをします。
第3章では、子を産み母親になった筆者が、うるさかった母親の気持ちを分析します。自身の幼少期からの経験から「子の気持ちに耳を傾けるぞ」と決心していた筆者にも、子どもの気持ちに寄り添えない現実に直面します。
筆者は世の中を2つの面に分けて考えてみます。
人間がみんなで生きていくためのシステムや社会通念によって決まりごとだらけの「A面」
自然の摂理や生理現象など揺るぎなく逆らえない「B面」
の2つです。
そして、「B面」の塊である子に「A面」の意見を渡し伝える係が親にはあると気づきます。例えば、おもちゃで遊びたいために友達が遊んでいるおもちゃを取ってしまった子に「いきなり取ってはいけない」と教える親のように。
筆者はこの気付きから、筆者の母親が「A面」からの力が強くて、うるさくかったのではないかと分析します。例えば、屈託なくしゃべる子どもの筆者に対して、「相手の気分を悪くするようなことは言ってはいけない」というA面の気持ちが強くなっていたでのはないかと推測します。
第4章では、うるさい親との関わり方を示します。
筆者は距離をとっていた母親と、悩みつつも改めて会うことを決心します。母親からはあれこれと言われますが、対等に返答することで母親は納得し、両者は対話ができるようになります。
その後に、実際に今を生きる十代にむけて、親との付き合い方や自分の気持ちへの向き合い方を提案します。
本書の良いところは、筆者が極端な結論に至っていないところです。
「母親はひどい親だった。毒親だ」と断罪するわけでもなく、かといって「母親には母親の悩みがあったのだろうからしょうがない」と筆者の苦痛をなかったことにもしません。子どもの時の自分、母親、母親になった自分の立場からそれぞれ分析し、より良い方向に生きていこうと、ちょうといい塩梅を探っています。
今まさに親の立場にある方が読んでも、子との関わり方について考えさせられるのではないでしょうか。
読むと、親との関係や心理的な距離に悩んでいる十代に「幸せになってほしい」という筆者の念が感じられる本です。
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