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Posted by ブクログ
「雑草は競争に強くない、環境変化に強い」というところから、雑草にはどういう特性があり、それが種の生き残りにどう寄与しているかを説明している。
特に他の植物を比較対象としているため、生物全般というよりは、植物の中での雑草ということで議論をしている。
しかし「ナンバー1 or オンリー1」に対する考え方など、生物の生存戦略や、人生訓になるようなメッセージも多くあった。
植物学はもちろん、進化論や遺伝学に関する様々なキーワードが出てきた。
シダ植物から被子植物への進化をたどるところもあり、進化論についても改めて得るものがあった。
また「自殖」「他殖」に関する議論から、遺伝子の挙動に関する議論もあり、近交弱勢についてちゃんと理解できたように思う。
Posted by ブクログ
同じ著者の『世界史を大きく動かした植物』がとても面白かったので手に取ってみたところ、予想に違わず揺さぶられっぱなしの本でした。
曰く「雑草はとても弱い」。
曰く「雑草は踏まれたら倒れたまま立ち上がらない」。
先入観を覆される気持ちよさにあふれた良書です。
先入観を覆される例をいくつか。
雑草の種をまいて育てようと思ってもまず成功しないんだとか。なぜなら雑草はどんな環境でも誰かが生き延びるという生存戦略をとっているので、決まった時期や決まった温度や決まった日照時間などのトリガーに反応しないから。(撹乱性)
セイタカアワダチソウは故郷のアメリカ北中部では「ふるさとを思い出せさる可憐な黄色い花」なんだとか。日本で3-4mにまで大きくなったのは生育環境を同じくするススキが生えていた土壌が豊かだったからで、その後に繁殖しすぎて近年は衰えてしまっており、逆にアメリカにススキが帰化植物として侵入しセイタカアワダチソウを脅かしているそうな。へぇ〜。
「雑草はとても弱い」理由とは、①個体としてはとても弱いので②あらゆる機会をとらえてあらゆる手段を駆使して生き残りを図っているから③種として強いというもの。
本編では②の具体的な生き残り戦略を豊富な事例を挙げて解説してくれるので、「どうしてこんなところに生えているのか」「どうしていつでも生えているのか」「どうして刈っても刈っても生えてくるのか」という日頃の疑問がなるほど〜と納得できる。
本書が面白いと思えるかどうかは、著者が面白がっている雑草の定義を聞いてもらえればわかる。雑草の一般的な定義は「邪魔な草」「望んでいないのに生えてくる草」だと思うが、本書はアメリカの哲学者ラルフ・W・エマーソンの「雑草とは、いまだその価値を見出されていない植物である」を紹介して「雑草かどうかを決めるのは私たちの心なのである」という。ここでフフフと笑えた方は本書向きです。
さらに、私の考える本書の白眉は「あとがき」。著者の来歴が書かれており、ご本人は師に恵まれたと謙遜しているがご本人もなかなかの人物。同じ筑摩プリマー新書の『先生はえらい』で内田樹は「教え子は先生が教えていないことを学んでしまう、弟子が『師は私の知らないことを知っている』と思い込むことによって」と言っていて、ちょうどそれを体現しているかのよう。
さらに、スティーブ・ジョブズの「connecting dots」と同じことを違う表現で「私の人生は道草ばかりだったが無駄な経験は一つもなかった」とも書いている。
表紙(装丁)がクラフト・エヴィング商會で、雑草がテーマの本だけにカラフルなMMやMMMやMが散りばめられているのもご愛敬。wwやwwwやwだとちょっとニュアンスが違っちゃったから、さすがいいセンスしてます。
Posted by ブクログ
雑草に関する本。
今まで生きてきて、雑草とは学校のグラウンドや畑に生えるしぶとい草…くらいに思ってなかった。
しかし、どこでも生えているように見える雑草は荒れ地にしか生えないという事実に驚いた。緑化が進むと、雑草に日光が及ばないほど背の高い植物が生え始めるからだ。定期的に手入れがされ、環境がリセットされる人間の領域で雑草は生えやすい。だからこそ、人間にとって身近な植物になっている。その環境の中で、人間によって間引かれる植物は生き残るために、人間の活動に合わせた進化をしてきた。それが雑草という植物。
目に見える世界が全てではない。雑草を見たときに、それが草であることや、自分の身にとって直接的な脅威にはならないことを経験上知っている。しかし、それしか知らない。この本を読んで、自分が意識していないだけで目に見える世界のほんの一部分の世界は、とんでもなく深い世界の歴史や知識へつながっていることを自覚できた。
Posted by ブクログ
雑草は普通の草では生育できないところに育つがそれは他の草と競争すると勝てないので、ニッチを見つけたということ。必ずしも「雑草魂」と言われるような強さではなく、賢さとしている。人間がその生息範囲を広げ自然を変えていくのに対応して雑草も適応してきた。
競争力、撹乱対応力、ストレス耐性の三つが植物の生存するキーとなる。通常の土地であれば、早く成長し他よりも養分の取れる植物が勝つが、毎年耕されている土地、砂漠などの気候の厳しい土地では、後者の二つが重要となる。
雑草の戦略は、土地が変化すると発芽、ランダム性の高い発芽確率、他の株がなくても種を作れる(自殖)、などなど。
新書なので内容はあっさりとしているが、著者の雑草への愛が伝わるので星一つプラス。
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