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目いっぱいおしゃれをして目立つ住宅ではなく、住む人の生活を穏やかに受け入れる家、一つ屋根の下に生活のすべてがすっぽりとバランスよく収まっている家――そんな家で暮らしたい。居心地のよい住宅づくりで定評のある建築家が、みずからの体験を踏まえた住宅論から、家具や愛読書に至るまでを語る。想像の中で自身が住み手となることで生まれてくる間取りや設計上の工夫とは、どんなものなのだろう。暮らす豊かさの滋味を味わう建築書の名著。文庫化に際し、「建築家の本棚から」など大幅に加筆。
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Posted by ブクログ
いい仕事をする人は、いい意味でオタクなんだなあ。 建築や家具や雑貨などなど、ありとあらゆるモノに対しての愛があふれていて素敵だなあと感じたし、中村さんにお任せして家をつくれたら、きっとすごく居心地のいい家になるだろうな。 あとは思いがけず吉村順三の話がいっぱい出てきてうれしい!今まで中村さんの本を...続きを読むそれなりに読んできたけど、ここまで吉村順三の話が出てきたことがなかったから。 吉村順三は当代一の住宅設計建築家だったんだなあ…名匠による建築、、、どこかで一般住宅が見れたりしないだろうか。。とりあえずは俵屋に泊まりたい。
うんうんとなってしまうフレーズがいくつもありました。「建築家の本棚から」に読んでみたい本がありました。
素敵な建築家なのだろうと、安曇野ちひろ美術館の家具などから思っていたが、「(小屋とは)営巣本能」「風景の中の家」といった指摘にいきなり心をつかまれる。 入込暖炉(イングルヌック)や上げ板(床下での貯蔵)、フェルメールのような高窓・腰壁、アンドリュー・ワイエスのようなピクチャーウィンドウといった語彙の...続きを読む指摘や紹介も、素敵なイラストや写真もあって惹き込まれる。 先述の家具のことも、「居心地」重視の姿勢(建築の魅力を損なわない)の現れとわかり納得。 玄関の子供椅子(およびその発想源となった幼稚園の古い椅子)への目線も然り、PINE HOUSEの松家さんとの書簡然り、 生活の質への目線がしっかりしている人々の仕事は、いいなと思った。 自分も本当は、そういう空間作りがしたい。
ちょうど我が家のリフォームに取り掛からんとするころに書店で見かけて読み始めたもの。 「アメリカの建築家、エーリッヒ・メンデルゾーンの残した「建築家はワンルームの建物によって記憶される」という名言を想い起こしたいものです。」 「箱」から「小屋」へという序盤の考察は、ほぼほぼワンルームに、キッチ...続きを読むン、ダイニング、リビング、小上がり(さらにはキャットウォークまで)を配した「箱」のような我が家の構造にマッチしていて、間違いなかったのかなと思えた。「家というものは、結局のところは箱なのだ、いや、箱でよいのだ」というル・コルビュジエの考え方も、大いに参考になった。 「無駄のないシンプルな建物に、虚飾のない自然体の暮らし。それは棲み家と人の生き方が分かちがたく結び合った理想的な関係だと思うのですが、いかがでしょう。」 大いに首肯できるところ。これから住み続ける我が家が、そうなるように努力もしていきたいと思う。 「生活のすべてが「ひとつ屋根の下」にすっぽりと居心地良く、バランス良くおさまっていて、そのことがどこにいても気配として感じられる「家」が、私の身の丈に合った普段着の住宅ということになるのでしょうか。できれば、そんな住宅を丁寧に作り続けていきたいと思います。」 旧宅より狭くはなるが、「ひとつ屋根の下」「どこにいても気配として感じられる」感は増したと思う新居。 コロナ禍が過ぎ去った後のNew Normalな暮らしを楽しみにしよう。
普段着。それは気兼ねなくさらりと着れて、何度も着ることのできる服。そしてそれは常に取りやすい場所に置かれる。玄関のハンガー、ソファの上、机の横、椅子の上。 そんな何気なく、でも自分自身の一部でもあるかのような普段着の住宅。 そんな住宅に住んでみたい。自分なりの普段着とはどんな服なのか、住まいなのか考...続きを読むえることが、家づくりの第一歩ではないかと改めて思った。 この本に出てくる事例の施主さんは中村さんのセンスにすべておまかせではなく、はじめからいくつかの普段着のイメージを持っていて、中村さんとの対話の中でそれをさらに洗練・具体化している。 そんな対話ができる建築家さんと出逢いたいと思った。 自然素材は、ただそれだけで、いいもの、であることを皮膚感覚として感じるべきもの。 建築家は、卓越した人間観察家。 住まいや暮らしに陰影を与える精神の拠り所としての特別な場所を住まいの中に持ちたいもの。 なんとなく気持ちがいい。その、なんとなく、をデザインすること。
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