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薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける──そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年05月18日
本好きの友だち二人がお薦めしていたので購入…したあと積読になっていた。
ホロコーストについて、ドイツ警察予備大隊の隊員たちの証言をもとに客観性、信ぴょう性に重きを置きつつ、なぜそういうことが行われたのかということを検証している。
淡々と、当時の警察大隊がどういった事情で編成されたのか、そしてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月21日
ナチス政権下の人たちが隔絶して激ヤバイデオロギーに骨の髄までスポイルされて全く違う世界の別の生き物と化してしまったからこういう大量殺戮も可能になったということで「そういう社会」に生きてないわたしたちは別に安心していいんですよという話ではなくその逆、逆逆逆という本。
ホロコーストや最終解決の話になる...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月16日
初刷をはじめ途中までは第4SS警察擲弾兵師団を「警察近衛師団」という意味不明な「訳語」を使っていた。第三帝国時代の研究書の翻訳にはマニア向けの知識は必要だといういい例だ。どうしてそういう「訳語」が生まれるのかは知らないけれど。
増補で記されたページで読み取れるように著者やホロコースト記念館、ヤド...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月25日
何百万人ものユダヤ人を虐殺したのだから処刑に関与した人間は極悪人ばかりだと思いたいが、この本を読むとそうではないというのが良くわかる。
組織の歯車に収まってしまうとおぞましい程の蛮行も気にならなくなり、しまいには効率的で淡々とした殺戮者となってしまう。そこには順応への圧力や面子を失うことの恐れなど自...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月30日
原著初版1992年、あとがきを加えた第2版が1998年、更に「25年の後で」という文章が2017年追加された。
ナチスのユダヤ人大虐殺を扱った著書として非常に有名で、いろんなところで言及されており、とりわけ社会心理学系の本にはあの有名なミルグラム実験と共に、よく引用される。
普通に善良なドイツ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月17日
ナチス政権下でのホロコーストの実態を理解する上で、1992年に出版された本書は2つのことを教えてくれる。一つはホロコーストに関して、我々はアウシュビッツやビルケナウ等の強制収容所ばかりをイメージするが、実際には被虐殺者の20-25%は、ユダヤ人が暮らしていたゲットーやゲットー近辺の森林での”射殺”に...続きを読む
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