【感想・ネタバレ】増補 普通の人びと ──ホロコーストと第101警察予備大隊のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年03月14日

辛かった。そして最後の問いかけが重かった。
「どのような人びとの集団ならそうならないと言えるのであろうか。」

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Posted by ブクログ 2019年07月21日

ナチス政権下の人たちが隔絶して激ヤバイデオロギーに骨の髄までスポイルされて全く違う世界の別の生き物と化してしまったからこういう大量殺戮も可能になったということで「そういう社会」に生きてないわたしたちは別に安心していいんですよという話ではなくその逆、逆逆逆という本。

ホロコーストや最終解決の話になる...続きを読むとき思い浮かぶのはやはり絶滅収容所で、概念としてもめちゃくちゃインパクトがあるので頭に残りやすいけれど、絶滅収容所に至るまでにはもっと直接的に一斉射殺という手段が取られていたわけで、そこに関わった人たちの証言を多く読めたのはよかった えぐかったが。

いや、射殺に関する臨場感あふれる証言が最たる押しポイントというわけではなくて、まさにタイトルで、普通の人たち(別に軍人でもなく戦争前は違う仕事をしてて家庭もある中下流階層で前線には耐えられないような中年の人たち)がどう目の前の殺戮を自分の中に落とし込んでいくかという過程と考察の緻密さ、これに尽きます。

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Posted by ブクログ 2019年05月24日

よく語られる収容所での大量虐殺とは異なり、警察部隊による虐殺に焦点を当てている本。
警察部隊はその成り立ちから熱心なナチ党員により構成されていたわけではなく、人員不足を補うために招集された普通の仕事を持つ人達が多かった。にもかかわらずこの部隊が熱心に虐殺に励んだのは、命令下における同調圧力が個人の倫...続きを読む理観を抑えるという普遍的な現象によるものだと指摘する。
罪の文化が恥の文化に置き換えられてきたともしており、この虐殺は組織犯罪や企業の不正の延長線上にある、私たちとも決して無関係とはいえないことなのだと思えてくる。
また後書きおよび増補において筆者はゴールドハーゲンの、ドイツ人が持つユダヤ人に対する憎悪が原因だとする主張に明快に反論していて興味深い。

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Posted by ブクログ 2020年02月15日

ナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺。前線投入されない一般市民から成る警察大隊。市井の人々はどのように虐殺に加担したか。衝撃のノンフィクション。

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Posted by ブクログ 2019年08月17日

ナチス政権下でのホロコーストの実態を理解する上で、1992年に出版された本書は2つのことを教えてくれる。一つはホロコーストに関して、我々はアウシュビッツやビルケナウ等の強制収容所ばかりをイメージするが、実際には被虐殺者の20-25%は、ユダヤ人が暮らしていたゲットーやゲットー近辺の森林での”射殺”に...続きを読むよるものであるということ。そしてもう一つは、そうした”射殺”に関与したのが、民族浄化や反ユダヤ思想に特段染まっていたわけではない市井の人々によって構成された警察予備大隊であったということ。

ある暴力についてそれが特殊な事情(政治思想、宗教、貧困等)の影響によって、限定的に持たされるものであるという言説は、一般的に我々を安心させる。そうした状況に陥らなければ、我々が暴力に駆り立てられはしないという安心感を与えてくれるが故に。一方、本書は全く真逆の事実を提示する。中年層の職人や商人などの一般人であり、かつ年齢も比較的高い故に、若年層のようにナチスドイツの思想に耽溺したわけではない人々により構成された警察予備大隊が、なぜ3.8万人のユダヤ人らを射殺し、4.5万人のユダヤ人らを強制収容所送りにしたのか。

本書は、歴史学者とである著者が極めてオーソドックスな歴史学のメソドロジーに基づき、市井の人々が血生臭い暴力の執行者になり果ててしまうのかというメカニズムを明らかにしようとした労作であり、ホロコースト研究、ひいてはそれは暴力という行為そのものに迫る心理社会学的な側面すら明らかにしようとする。決して心地良い書物ではないが、得てして本当の事実とは人を不快にさせる。そうした優れた歴史学の一冊として、永遠に語り継がれるべき研究所である。

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Posted by ブクログ 2019年06月26日

普通の人びとが、軍隊に入り、制服を着ることにより、社会的死を回避するよう、団結力を発揮させ、ホロコーストを進めてしまう様は、大量殺戮で結ばれた国民的同胞愛を感じてしまう。
写真はつらい。特に列車に乗るよう追い立てられるユダヤ人の様子は。

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Posted by ブクログ 2019年05月30日

521ページの内、305ページからあとがきが始まるというある意味スゴい構成の本。そのあとがきが同じ史料から真逆の結論を導き出した同業者の研究への批判で埋め尽くされてるといてかなりおもしろい。
本自体の中身としては、タイトルの「普通の人びと」が如何にしてユダヤ人虐殺に手を染めたのか、それを拒否したのか...続きを読むというところを証言に基づいて検証。嫌がる人、嬉々として協力する人、出世のために協力する人、兵役さえ終われば日常生活に基盤があって軍隊内部での出世なんか気にせず拒絶する人、きっちり計画された虐殺、行き当たりばったりの乱射、教科書の「ユダヤ人に対する虐殺行為が行われた」の一文の裏側の個別事情が言葉は悪いけどいちいちおもしろい。

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