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Posted by ブクログ
『老人喰い』は特殊詐欺に関するノンフィクション…らしいが取材を元にフィクション化されている不思議な本。
この本に登場する特殊詐欺グループのメンバーはほぼ20代の若者。詐欺グループに入るきっかけは様々だが、彼らは「新人研修」で古参メンバーからある洗脳教育を施される。いわく、若者は経済的弱者、詐欺の対象である高齢者は経済的強者。弱者が強者から奪うことに良心の呵責を覚える必要はない。「老人こそ日本のガンだ」云々。
詐欺の対象となるのは資産がある、過去に詐欺被害に遭っている、単身である、親族と疎遠である等の属性の高齢者たち。詐欺メンバーは金を持っている高齢者からのみ奪っていることを免罪符にしているが、そもそも金を持っていない高齢者を詐欺にかけたところで支払えないのだからこの大義名分はおかしい。
Posted by ブクログ
数ある名作ルポの中でもダントツに面白いのでぜひ読んでもらいたい作品。読みやすいのですからぜひ。
「オレオレ詐欺って犯罪なのに腹が立たないな」と漠然と感じてた理由が見事に言語化されています。
筆者がいうように、優秀(?)な人材の無駄遣いとも思うけど、巷の会社の仕事のくだらなさを考えると㈱詐欺本舗でモチベーション高く頑張った方がよいのでは(笑)とすら感じてくる。ただ、ご多分にもれず、儲かるところには内紛・階層構造・中間搾取が激しくなり、成長産業や優秀な組織であってもダメになっていくのは、ビジネスの必然と無情を感じることろであった。(もちろん警察や関係各機関の皆さんのご尽力によりビジネスがしにくくなったという側面も多い。)
どうでもいいけども、作中の人物が語る「隠語」の面白さに笑いっぱなしであった。「バグる」「オカワリ」って(笑)
Posted by ブクログ
NHKドラマのサギデカを観て、手にとってみた。2015年に書かれた本だけど、その頃すでに特殊詐欺が始まって十数年たってたということに驚く。モシモシ、オレオレなんてそんなに騙され続けるような詐欺?と思っていたけど、いまもって増える一方。
詐欺のプレイヤーの気質というか属性というか、そういうものを本書で知り、だからなくならないし高度化しているのかと納得。詐欺は犯罪だけど、凄まじいほどの世代間格差が元凶で、筆者の言う通り、与え育てること、を社会全体で考えることが数少ない処方箋かもしれない。想像もつかぬほどの格差と分断が進み、自己責任、言葉がこれ以上跋扈しない世の中になることを祈りたい。
Posted by ブクログ
オレオレ詐欺などカネのある高齢者を狙う詐欺犯罪が広がっている。日本社会において、「老人喰い」は若者向けのビジネスであり、決して無くなることはない。と、著者は断言する。本書はそんな裏社会の取材を通して、その理由を明らかにする。
感心しちゃいけないことだが、詐欺グループの人材採用・教育、実行システム、成功報酬などの一連のシステムは合理的ですばらしい。人事や営業に困っている企業はぜひ参考にすべきだ。
手にできるのがゼロか百万円かというシビアな状況ほど人が成長し、能力を発揮する場所はない。詐欺の動機だって、資産も将来の保証もない若者が余生わずかな資産家から富の一部を分けてもらうことと定義してしまえば、道徳観さえ満たされてしまう。メンバーにとって「老人喰い」は利益率の高い正義の仕事なのだ。
著者は「老人喰い」を評価しているわけではないが、高齢者を優遇する社会に反省すべき点はないかという疑問を投げかけている。
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