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作品一覧

  • 昭和天皇 増補版 「理性の君主」の孤独
    NEW
    -
    1巻1,650円 (税込)
    新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。 しかし、時代はそれを許さなかった――。 本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に着目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。 そしてそれは天皇の実際の振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたのか――。 旧版刊行後の約15年で、新たに発見・公開された重要史料や史実を増補。 はじめに 昭和天皇の実像とは  あくまで実証的に  思想形成過程に注目 第一章 思想形成 一 東宮御学問所 生い立ち  東宮御学問所に進学  杉浦重剛の倫理学杉浦の天皇観・国家観  白鳥庫吉の歴史  清水澄の法制経済 二 訪欧旅行 発端  宮中の職制と元老  外遊の成功 三 摂政就任「君臨すれども統治せず」  神格化を否定  皇室改革に意欲  研修活動  立作太郎の外交史  清水澄の憲法進講  明治天皇について学ぶ  生物学を趣味とする  アイドルとなる  牧野伸顕の内大臣就任  政治思想の確立 第二章 天皇となる 一 田中内閣への不信 施政方針を明示  直訴頻発の意味  当時の日課  田中義一首相への不信  優諚問題  中国の主権を尊重  即位大礼  剛毅な昭和天皇像の誕生 二 首相𠮟責事件張作霖爆殺事件  つのる田中首相への不信感  昭和天皇の政党政治観  張作霖事件の進展  𠮟責を決意ついに田中を𠮟責  昭和天皇の発言  田中𠮟責の意味  道徳的な政党政治を追求 三 ロンドン海軍軍縮条約問題 浜口を激励  反撥する軍令部  鈴木侍従長の対応 統帥権干犯問題  加藤軍令部長の辞意  右翼の宮中 側近攻撃  徳治主義の発露  クーデター未遂 第三章 理想の挫折 一 満洲事変 不拡大方針の挫折  最善を尽くしたか  揺らぐ昭和天皇の権威  連盟との対立を心配  犬養内閣の成立桜田門事件  「日支親善は出来得るや」  心労たまる昭和天皇 二 五・一五事件 政党政治を見放す  秩父宮との対立  連盟脱退へ 本庄侍従武官長の登場  なお協調外交を追求  軍の政治化に批判的 満洲問題   三 天皇機関説事件と二・二六事件 天皇機関説事件  在郷軍人会パンフレットを批判  孤立した昭和天皇  対中融和を追求  牧野内大臣の引退  二・二六事件勃発  即時鎮圧を決意  陸軍 への怒り  本庄武官長辞職  近衛首相に期待 第四章 苦悩の「聖断」 一 日中戦争 盧溝橋事件の勃発  対応の誤り  やつれる昭和天皇張鼓峰事件で陸軍と対立  長期化する日中戦争 二 防共協定強化問題 念書を書かせる  ノモンハン事件と天津租界封鎖問題板垣陸相に激怒  陸相人事に注文  首相の人選を主導  ドイツの快進撃に幻惑される  第二次近衛内閣の成立  三国同盟を容認 三 太平洋戦争開戦 日米交渉に期待  武力行使を強く否定  御前会議で異例の発言  開戦を決断  早期終結を指示  戦況の悪化を懸念  支持を失う東条首相 四 終戦の「聖断」一撃講和論をとる  早期講和論に転換  ポツダム宣言  一回目の「聖断」  昭和天皇の決断  二度目の「聖断」  「聖断」の意図 第五章 戦 後 一 退位問題 東条に責任を転嫁したか  マッカーサーに責任を認める  免責への動き  世論の動向  「人間宣言」  新憲法の制定  『独白録』の意味  退位論  退位せず  改憲再軍備と政治関与  留位の副産物  戦後巡幸  皇居再建の道のり 二 講和問題と内奏 新憲法下の天皇  一九四七年九月の発言  講和問題との関わり  戦後の内奏  内奏継続の意味 三 「拝聴録」への道 後半生の主題は戦争責任  世論調査に見る昭和天皇 二度目の訪欧  沖縄への関心  訪米  中国への謝罪  植民地支配への反省  「拝聴録」作成へ  厭世的になる  崩御 おわりに 理想実現に尽力  旧憲法と国民に裏切られる  君主としての責任を自覚 戦争責任と向き合う    昭和天皇についての研究史 参考文献目録 あとがき 人名索引
  • 戦争と音楽 京極高鋭、動員と和解の昭和史
    -
    1巻2,530円 (税込)
    近代日本において、西洋音楽は「動員」と「和解」の2つの役割を担った。これを一身に体現したのが本書の主人公、京極高鋭である。京極は、戦前は国民精神総動員の方針のもとに作られた「愛国行進曲」のプロデュースを手がけ、戦後は東京オリンピックの開催に大きく関わった。祖父は初代東京帝国大学総長・枢密顧問官の加藤弘之、父は昭和天皇の侍医という名家。本人は幼少時、のちの昭和天皇の遊び相手でもあった。弟は喜劇役者古川ロッパである。白樺派の影響を受けて長じた「華麗なる縁の下の力持ち」京極の人生を通して、昭和史における動員と和解、日本が引き受けざるを得なかった矛盾を描く。 目次より はじめに 第一章 昭和天皇の「御相手」    一、洋学から洋楽へ    二、迪宮の「御相手」となる 第二章 華族は皇室の藩屏    一、学習院という学校    二、活動写真と戦争ごっこ    三、邦語部と柔道部 第三章 クラシック音楽との出会い    一、白樺派の影響    二、学習院音楽部    三、ミッシャ・エルマン、聞きのがすまじ    四、大学生活 第四章 音楽ジャーナリストになる    一、新聞記者になってはみたが……    二、欧米音楽旅行    三、メニューインもフルトヴェングラーも――会見の様子 第五章 著作権問題、結婚    一、洋楽の普及発達のために    二、結婚と襲爵 第六章 「愛国行進曲」のプロデューサー    一、歌詞と曲の懸賞募集    二、「国民歌」の決定まで    三、普及徹底の方針と大ヒット    四、「愛馬進軍歌」 第七章 貴族院議員になる    一、子爵議員に当選する方法    二、「紀元は二千六百年」――「軍歌撰定普及業」者として    三、音楽新体制 第八章 戦時下の音楽はどうあるべきか    一、南方音楽政策    二、厚生音楽運動    三、被災と敗戦 第九章 戦後の音楽界で    一、戦争責任と戦後改革    二、華族の身分を失って    三、メニューイン、シゲティらの招聘 第十章 スポーツと音楽、そして大団円    一、国際スポーツ大会への関与    二、晩 年 おわりに 京極高鋭略年譜 京極高鋭著作目録
  • 昭和全史
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    昭和とはいかなる時代だったのか。戦争の暗い影と復興の光、高度経済成長の熱狂を通じて、日常生活は根本的に変化した。個性的な政治家たちによる社会改革や、日本中を揺るがす未曾有の事件、文化や芸能の興隆と成熟――劇的な出来事の数々を全145項目で多角的に振り返りながら、現代日本の基礎が形作られてゆくさまを再発見する。ノスタルジーとともに、日本の近代史の核となる「昭和」を一望できる、全世代必携の一冊。
  • 「昭和天皇拝謁記」を読む 象徴天皇制への道
    5.0
    1巻2,860円 (税込)
    天皇・側近たちの貴重な肉声が残された現代史の第一級史料,「昭和天皇拝謁記」.翻刻などにあたった著者陣が読みどころをわかりやすく解説する.象徴天皇制を始動させるにあたり,天皇は何を考え,宮内庁はじめ周囲はどう動いたのか.最良の「拝謁記」副読本にして,現代の,そしてこれからの天皇制を考えるための必携本.

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  • 昭和戦後史(上) 復興と挑戦
    -
    ニュースになった話題、事件を集大成! 昭和の日本を俯瞰する!――太平洋戦争の敗戦前後、マッカーサー日本上陸から高度経済成長のはじまりと民間出の皇太子妃内定まで……。皇室、政治、経済、社会、スポーツ、芸能と、幅広くとらえた画期的な戦後史事典。巻末に年表付き。 ●本書は、ニュース映画の映像を中心にまとめたDVDブック『昭和ニッポン』のブック部分を3巻に分けて再編集したものである。『昭和ニッポン』は、昭和という時代の、政治、経済のみならず芸能、スポーツ、文化、世相などまで広範なニュース映像のなかから見るべき価値のあるものを厳選して24巻にまとめている。ブック部分は、編集部がまとめた映像をより深く理解できる手がかりとなるよう配慮して執筆、編集された。――<著者「まえがき」より>
  • 建国神話の社会史 史実と虚偽の境界
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    天照大神の孫が高天原から降臨し、その孫である神武天皇がヤマトに東征、橿原宮で天皇の位に就く――『古事記』『日本書紀』に記されたこれらの神話が歴史的事実ではないことは、戦前の普通の々にとっても当たり前のことであった。史実ではないが、史実として扱い、そう振る舞っていたのである(こうした「建前と本音」的なものは、現代の私たちにも心当たりがある)。 神話の「史実」化には、天皇による統治を正当化するという明治政府の政治的目的があったのはもちろんだが、一方で民主化(神々の話合いは「万機公論」の根拠とされた)や経済振興の手段でもあったことは、今ではあまり知られていない。もっとも、「神話」を「史実」として受け止めることには、さまざまに無理も生じる。とくに教育現場における混乱は、いくつもの「笑えない」笑い話を残した。 本書は、幕末水戸学の尊王攘夷思想という建国神話重視の発端から、昭和天皇が「人間宣言」によって事実上、建国神話を否定するまで(そもそも、昭和天皇は科学者でもあった)、日本社会に起きた悲喜劇をエピソードたっぷりで描き出し、近代とは何か、歴史とは何か、国家とは何かを問い直す。 目次より 序 章 虚偽と史実の境界 第一章 神話が事実となるまで 一 日本の建国神話とは 二 なぜ「事実」になったのか? 三 教科書で「事実」とされたのはなぜか?   第二章 「事実」化の波紋 一 学校の外ではどうだったのか? 二 学校の中ではどうだったのか? 第三章 建国祭と万国博覧会 一 政治にどう利用されたか? 二 経済にどう利用されたか? 第四章 満州事変の影響は? 一 教室外でも始まる建国神話の「事実化」    二 建国神話教育への影響は? 第五章 日中戦争期の社会と建国神話 一 紀元二千六百年をめぐって    二 社会はどう受け止めたか? 第六章 太平洋戦争期とその後 一 国史教育のその後 二 効き目はあったか? 三 その後   終章 「建国神話の社会史」の旅を終えて
  • 学習まんが 日本の歴史 1 日本のあけぼの
    完結
    4.3
    全20巻825円 (税込)
    ※デジタル版には紙書籍の巻頭・巻末特集やコラムなどが収録されておりません。ご了承ください。【カバーイラストは岸本斉史先生描きおろし!】日本列島にうつりすんだ人びとが石器だけで生きぬいた旧石器時代から、土器を使いはじめた縄文時代、稲作が広く伝わった弥生時代、大王を中心にクニ作りにはげんだ古墳時代までをあつかっています。どの時代も遺跡から出土するさまざまな遺物を手がかりに、当時のようすが研究されています。日本という国のはじまりには、どんなものがたりがあったのか、なぞの多い時代にせまってみましょう。
  • 昭和史
    4.3
    1巻990円 (税込)
    日本はなぜ戦争に突き進んだのか。私たちは、何を失い、何を手にしたのか。戦時体制へと向かう戦前から、国家総動員体制となった戦中、敗戦を経て飢えと貧困にあえいだ戦後前半、そして高度成長期の戦後後半へと至る激動の六四年間。それはいわば日本が国家として自立を目指し、挫折し、再起する過程であり、そのなかで培われた土壌は現代もなお息づいている。未完の過去を、第一人者が一望にする昭和史の決定版。
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった-。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。

ユーザーレビュー

  • 「昭和天皇拝謁記」を読む 象徴天皇制への道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    宮内庁長官であった田島道治の記録である7巻本の昭和天皇拝謁記のポイントを数人でそれぞれ解説したものである。最初の部分が、天皇が戦争について自分も問題だが陸軍の下剋上と国民も悪いという意見を出しているところは、他の本ではなかったと思う。さらに、憲法改正と再軍備について吉田首相に言うという天皇の言葉を田島が何度も諌めるということも他の本にはなかったところである。
     ただ、この本は少し厚いので、手っ取り早く読むには岩波新書の方がいいかもしれない。

    0
    2025年03月01日
  • 「昭和天皇拝謁記」を読む 象徴天皇制への道

    Posted by ブクログ

    初代宮内庁長官・田島道治が残した「昭和天皇拝謁記」について、その翻刻などにあたった研究者たちが、原本からの引用も盛り込みながら、そのエッセンスをわかりやすく解説。
    引用されている「昭和天皇拝謁記」での昭和天皇と田島長官のやりとりから、人間としての昭和天皇の実像がありありと伝わってきて、「昭和天皇拝謁記」は本当に近現代史の第一級の史料だと感じた。本書の各論考は、「昭和天皇拝謁記」の読みどころを的確に紹介してくれていると思う。
    昭和天皇には、これまでシンパシーと敬意を持ってきたが、本書で戦争責任への認識や戦後も変わらぬ君主意識など、ちょっとこれまでのイメージが覆され残念に思う部分もあったのだが、そ

    0
    2025年02月23日
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

    Posted by ブクログ

    旧憲法下、昭和天皇は国家統治の最終責任を負う実権ある君主として政治に関わり続けた。ときには、それなりの成果を得られることもあったが、太平洋戦争開戦を食い止めることができず、結果的に多大な犠牲を出してしまった。しかし、巨大化した近代国家では、指導者が一人で長期間適切に業務をすることは不可能である。近代国家では、君主は象徴的な存在にとどめることが、結果として君主に政治的責任を負わせることを回避させ、君主制度を生きながらえさせることにつながるのである。

    0
    2025年01月05日
  • 「昭和天皇拝謁記」を読む 象徴天皇制への道

    Posted by ブクログ

     戦後初代宮内庁長官を務めた田島道治が昭和天皇や側近たちとの対話を綴った「昭和天皇拝謁記」が発見され、第1級の資料として2019年8月、NHKのスクープ報道と「NHKスペシャル 昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録“拝謁記”~」で紹介され、大きな反共を呼んだ。田島道治の残した膨大な記録は、後に本書の著社達である古川隆久らが、2021年から2年にかけて全7巻をまとめ上げ、全公開した。本書は、「昭和拝謁記のダイジェスト版」であり、著者らが新発見を多面的・複眼で考察し、まとめ上げた第1級の昭和天皇を証言する記録でもある。
     アジア・太平洋戦争は、歴史修正主義者などが解釈する「軍部の独断専行」であり

    0
    2024年12月15日
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

    Posted by ブクログ

    昭和天皇の、主に戦前期の生涯と戦争責任にどう向き合って来たかを題材にした本。「昭和天皇拝謁記」出版前のものでは(もちろん一般に出回っている書籍レベルの話ではあるが)一番詳細な研究がされているものではないだろうか。個人的には升味準之輔「昭和天皇とその時代」がそれまでで最も詳細かつ中立的に書かれたものと考えていたが、そこからさらに一歩踏み込んだものとなっている。
    他の書籍や「拝謁記」なども読んでいるため、既知の知識も多かったが、この本で得た知見の中で大きなものが3つある。
    1つは張作霖爆殺事件によって天皇の不興を買い退陣したとされる田中義一が、事件前からかなり問題のある行動を繰り返していたことであ

    0
    2024年08月29日

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