筑摩書房作品一覧

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  • 精神の幾何学
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    精神の病を捉えるにはどのような基準を持てばよいのか。本書は、多領域の知見を経ながらそのことを提示しようとした試みである。著者が方法論の基盤とするウォーコップの哲学を解説した後、言語をめぐる考察が展開される。そして、立体的で非対称性を持った対のカテゴリー『パターン』、体験距離から成り立つ「ファントム空間」、形式的・構造的・関係的要因を意味する「図式」という三つの概念を手がかりに、精神分裂病(統合失調症)の幾何学的構図が描かれる。独創的なファントム論を展開した著者の核心をなす作品。解説にかえて 内海健
  • 絵本をみる眼
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    子どもにとって絵本とは?――それは確かな手ごたえのある世界が存在し、そこへ入り楽しむことができるもの。『ぐりとぐら』『てぶくろ』『どろんこハリー』など、読み継がれる絵本にはどんな仕掛けがあるのか。日本のイラストレーション史における赤羽末吉、安野光雅、加古里子らの魅力と重要性とは。福音館書店で数多の名作を手がけた著者による不朽の絵本論。解説 古川信夫
  • 翻訳はおわらない
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    AIが高度な翻訳をしてくれる時代に、「それでも人間が翻訳をする」ことの意義はどこにあるのだろう? 私たちは言語とどう向き合うことになるのだろう? フランス文学の名翻訳者が、その営為の本質に迫り、言葉・文学・世界に思索をめぐらせる極上のエッセー。『翻訳教育』(2014年)を改題し、あらたに1章を増補した文庫版。
  • 幾何学基礎論
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    20世紀の数学はヒルベルトを抜きにしては語れない、と言われるドイツ数学界の巨峰37歳の処女作。没後に改訂第8版が刊行されたほど、重要かつ長く読み継がれてきた書。ユークリッド幾何学の全公理を結合・順序・合同・平行・連続の5種の公理群にまとめ、相互の独立性を完全に証明した。公理論的方法が成功を収めた典型例であり、数学全般の公理化への出発点となった記念碑的著作。またユークリッド「原論」同様、影響は数学にとどまらなかった。なお本書には、論文「数の概念について」と著名な講演「公理論的思惟」を併収。【解説:佐々木力】
  • 目的をもたない意志 増補版 ――山川方夫エッセイ・コレクション
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    「『文学』は私にとり、まず私の存在のしかたであり、態度なのだ」。大江健三郎、サルトル、石原慎太郎、若尾文子、日劇、『去年マリエンバートで』、『キングコング対ゴジラ』……文学はもちろん映画や自由、恋愛まで作家がクールな文体で語るエッセイ集。新たな7篇のほか、妻・山川みどりによる作家との出会いや夫婦の生活をめぐるエッセイ4篇を増補した決定版。
  • 崩壊概論
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    透徹した懐疑が矛盾の総体たる世界を熾烈なまでに問いただす。信念は解体され、拠って立つ基盤は崩壊する――。幻影の破棄と新たな幻影を希求した本書は、シオランが母語であるルーマニア語ではなくフランス語で初めて著した作品。未来に倦み、同時に言いようのない渇きに襲われながら、思想家は敗滅へと向かう人間の宿命を凝視する。繊細と皮肉、陶酔と幻滅、憤怒と倦怠、明視と錯乱……。不眠の夜々に咲いた断章群、それは、まぎれもなく現代の黙示録としてわれわれの精神に浸潤し、揺さぶりをかけるだろう。解説 大谷崇
  • 軍律法廷 ――戦時下の知られざる「裁判」
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    交戦下において軍律違反者を処断する軍の審判機関、軍律法廷。旧日本軍は先の大戦において、多数の敵国兵や現地住民をこの軍律法廷にかけて死罰などに処したが、その関連資料はことごとく処分され、いまだ全容は解明されていない。本書では、名古屋大空襲の際に捕縛した米兵11人を軍律法廷にかけて斬首した一件をめぐる戦犯裁判、「イトウ・ケース」に注目し、その記録から軍律法廷の実相に迫っていく。それは非道な殺害行為を正当化する建前に過ぎなかったのか、それとも戦時の無法を食い止める役割を果たしていたのか。史料を丹念に読み解き、その知られざる実態を明らかにする。解説 新井京
  • 世界は一冊の本 ――definitive edition
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    本を読もう。もっともっと本を読もう。世界という名の一冊の本を。「書かれた文字だけが本ではない。日の光り、星の瞬き、鳥の声、川の音だって、本なのだ」本を読みながら、私たちはあまりに多くの人と、言葉と、景色と出会い、別れていく。友の魂へ、母の魂へ、あるいは遠く離れた異国の魂へ。詩人がのこした祈りのための、そして人生を読み解くための傑作詩集。解説 岡崎武志
  • 昭和期の陸軍
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    現代人に必須の知識である昭和史。だが昭和の戦争・軍隊とりわけ陸軍の歴史については、少なからぬ間違いを含んだ書籍が広く流通しており、正確な叙述による理解が求められている。本書は、長年にわたり昭和陸軍史研究をリードしてきた著者による、信頼できる昭和陸軍史論集。大正時代の陸軍の考察から始まり、昭和陸軍の派閥抗争史、二・二六事件の真相とその研究史など、昭和陸軍の理解に不可欠な論考を収録。昭和戦争史のブックガイドまで完備した、昭和史理解に必携の一冊。
  • 関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか
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    関東大震災で多くの朝鮮人が殺されたのはなぜか。荒唐無稽な流言に人びとが脅えたのはなぜか。百年を経た今も謎の歴史に迫るため、陸軍の記録、小学生の作文、海軍練習艦の無線傍受録、隠されていた閣議の決定、恩赦をめぐる行政文書など新たな手がかりを読み解き、実際に何が起きていたのか、多くの犯罪者が罪に問われなかったのはなぜか、虐殺はなぜ忘却されたのかを徹底追及。人間の行動の深層にあるものを冷静に問い続けるジャーナリストによる関東大震災研究の集大成。
  • 対話と論争で読む哲学史入門
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    哲学は「驚き」から始まる――とプラトンは言った。古代ギリシアに端を発し、連綿と現代までつながる思索の歴史を、かつてない方法で辿ろう。哲学は、ある時は二者の議論と吟味により、またある時は別の視点からもたらされる対立関係により展開してきた。この本では、その流れを「存在論」、「倫理学」、「政治学」の3つに分け、さまざま問題を哲学者たちがどのような考え、その思索がいかに鍛えてきたかをわかりやすく解き明かす。今、新しい「哲学史入門」の扉が開く!
  • コマネチのために
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    体操界の妖精コマネチに憧れる少女と、30代の日々を生きる私の物語。『82年生まれ、キム・ジヨン』著者初期作品。ファンサンボル青年文学賞受賞。
  • 人生にコンセプトを
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    ユニクロの「LifeWear」や、スターバックスの「サードプレイス」など。名コンセプトには人を導く力があります。選択肢の多い現代、自分だけのコンセプトを持つことが、進むべき方向ややるべきことを知るための強力な後押しになります。 【目次】第1章 社会から浮くということ/第2章 コンセプトの本質/第3章 夢もいいけどコンセプトもね/第4章 まずはモヤモヤを整理しようブモヤモヤ/第5章 モヤモヤをコンセプトに落とし込む方法/第6章 コンセプトは借りてもいい/第7章 コンセプトは軽やかに、しなやかに
  • 出版という仕事
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    出版という仕事は、編集であれ、営業であれ、「おもしろい」を日々扱う。そういう仕事なのです――。一冊一冊に向き合い、著者と読者をつなぎ続けて四半世紀。「仕事としての出版」の現実とこれからを語ります。 【目次】第1章 ようこそ、出版の森へ/第2章 「本好き」と「出版の仕事」を分けるもの/第3章 編集者のしごと――企画のたて方とそれ以前の話/第4章 先人たちの歩んだ出版の森/第5章 営業のしごと――最初の読者として/第6章 商売として――読者と消費者のあいだ/第7章 未来の森を育む
  • 不登校のあの子に起きていること
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    不登校の小中学生は約34万人。もしクラスの子が、自分が、わが子が、不登校になったとき、どんな困難や解決方法があるのか。学校に行かない・行けない彼らをとりまく環境はどうなっているのか。子どものつらい気持ち、親の孤立などの現状を伝える。 【目次】第一章 三四万人という数字の背景──不登校の現状/第二章 学校に行かないのもつらい──子どもの気持ち/第三章 軽視されている保護者の孤立──親の気持ち/第四章 ゲームと寝坊のスパイラル──家庭での対応方法/第五章 先生も不登校のプロじゃない──学校との相談・交渉/第六章 不登校ビジネスに要注意──適切な居場所探し/第七章 不登校は「お先真っ暗」なのか──その後の進路
  • 賽の河原 ――供養の宗教学
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    死別した、愛する人はどこにいってしまったのか。人間はその答えを求めて、死後の世界についてあれこれ考えを巡らせる。日本では、亡くなった子どもの行先として、独自の「賽の河原」が考えられた。著者は、10年以上にわたって、死者の口寄せなどで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた。本書は、「和製の地獄」とも言われる賽の河原を中心に、日本の供養を考えるものである。
  • 忙しい人のための美術館の歩き方
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    美術館に行きたいけど行けていないあなたへ。忙しいあなたにこそ、至福の余白時間を美術館で過ごすことが人生に必要なのです。美術館を出た後、世界が違って見えるはずです。時間がなくても、知識がなくても、大丈夫。とある現役学芸員が、美術館での過ごし方のキモとコツを、最新の美術館事情とともにガイドします。「語れる」ための鑑賞の心得も、レクチャーしますよ。さあ、スマホから顔を上げて、出かけましょう。
  • 日本の社会保障
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    私たちはいつ、病気で働けなくなったり、障害を負ったり、会社が倒産して仕事を失ったりするかわからない。個人の努力ではどうしようもない場面に遭遇した時にも健康で文化的な最低限度の生活が維持できるように憲法の生存権を保障する仕組みが社会保障だ。自分の力や家族や地域での支えあいではどうにもならないことが多いからこそ、この仕組みが必要である。では、法律と運用はどうなっているか。生活保護、年金、医療、公衆衛生、介護保険と高齢者福祉、労災保険と雇用保険、子育て支援、障害者福祉、社会保障財源としての消費税など、その仕組みと財政の最新事情から課題まで網羅する一冊。
  • 「主体性」はなぜ伝わらないのか
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    多くの企業が、就活生や若手社員に「主体的であること」を強く期待している。この傾向は小学校から大学まで、教育現場にも波及している。しかし、最長16年間も育まれたはずのこの資質は、「学生に不足していると思う能力」第1位として指摘され、企業内部においても世代間の大きなすれ違いを生んでいる。この本では「上司が評価してくれない」「若手は言われたことしかしない」といったお互いの不満を解消し、「主体性」という曖昧で便利な言葉に込められた意味を解き明かす。
  • 写真が語る敗戦と占領
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    ポツダム宣言を受諾した日本は、1945(昭和20)年8月15日、終戦を迎えた。そして新たな支配者となったGHQによる民主化と非軍事化、天皇の人間宣言、新憲法の公布、東京裁判と戦争責任の追及がはじまった。80年前の占領下日本で、私たちはどんな地獄を見て、何を糧に生き抜いたのか。焼け跡に生まれた自由市場ヤミ市、街を闊歩する進駐軍とパンパンガール、東西冷戦下で目まぐるしく進む復興。本書は1951(昭和26)年のサンフランシスコ平和条約締結によって国際社会に復帰するまで、焦土から復活へと向かう混沌と激動の日本の姿を、250点の貴重写真でたどる。
  • 英語で日本語を考える
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    例えば、「地元産」は英訳すると“locally grown”。「産出された」あとの状態を示す「産」が“grow”という動詞を用いて表される、とても英語らしい言いかただ。この表現の違いとはなんだろう。英語を鏡にして写し出される日本語の構造や性能、また立ち現れてくる強さや弱さなどについて、小説家である著者が考える。解説 倉林秀男
  • 差別語からはいる言語学入門
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    片輪、めくら、特殊部落……。公には使ってはいけないとされるこれらの言葉。しかしなぜこれらは「差別語」であり、使用する側にもされる側にも、そう感じさせるのだろう? 例えば「屠殺」の場合、生きているウシと食材としてのギュウという2つの言葉を用意せずにはいられなかった私たちの感覚に、問題を解くカギがあるのではないか。自ら公の場で使用し、糾弾された経験を持つ著者が、一つ一つの言葉が持つ文化的背景などから、差別語の差別語たるゆえんを解読。避けて通ったり排除したりするだけでは何の解決にもならない、日本語の、日本社会の根本問題に取り組む。
  • YASUJI東京
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    井上安治、風景画家。元治元年、浅草生れ。14歳の時、小林清親に入門。明治22年没。25歳。安治は東京に何を見たのだろうか。明治の東京と昭和の東京を自在に往き来しつつ、夭折の画家井上安治の見た風景を追い、清親との不思議な師弟関係を描く静謐な世界。他に単行本未収録作品を併録。【解説:南伸坊】
  • 昭和ジャズ喫茶伝説
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    新宿「汀」「DIG」「きーよ」「木馬」銀座「オレオ」日暮里「シャルマン」門前仲町「タカノ」四谷「いーぐる」横浜・野毛「ダウンビート」中華街「ミントンハウス」etc… 「60年代と70年代前半の東京ジャズ喫茶シーンを、俺一人称で描き出したことが、世相風俗資料としての本書の値打ちになるだろう」(「あとがき」より)。 熱く沸騰していた時代、東京および近郊に存在した数々の名店。独自のグルーヴに乗せて「平岡節」で記録した、全編ジャズと珈琲の香りに満ちた一冊。ボーナストラックに単行本未収録「野毛のジャズ喫茶」、山下洋輔「弔辞」、平岡秀子による書下ろしエッセイ「山下洋輔さんと平岡のこと」を収録。
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ
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    研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。
  • ベオグラード日誌 増補版
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    戦争の傷、読書の歓び、セルビアでの暮らし。日記文学の傑作、待望の増補文庫化。 セルビア語と日本語の詩を読み書く毎日、街角で語られるNATO空爆の悲惨な記憶、難民のこどもたちとの触れ合い、各地の戦争や東日本大震災へ寄せられる人びとの言葉、友人たちとの親密な時間、そして別れ……セルビアの首都ベオグラードで詩人が記した、歓びと哀しみの日々のかけら。読売文学賞受賞の日記文学の傑作に新たに最近6年間をまとめた日誌を増補。解説 小林エリカ
  • 詩の構造についての覚え書 ――ぼくの《詩作品入門》
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    詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。解説 野村喜和夫
  • 新編 人と人との間 ――精神病理学的日本論
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    精神病理を人間の在り方の一様相として論じてきた著者によるキー概念「間」(「あいだ」)。自己存在の根底にある超個人的な場所としての「人と人との間」は、現代思想に大きな影響を与えた。本書は、ドイツ留学時に思索した日本人論としてこの概念を世に問うた一冊である。日本人特有の精神病的生き方をさまざまな現象を通して思索するとともに、日本的精神症状とされる対人恐怖、貰子幻想の病理を解明。さらに「間」理論を和辻哲郎の『風土』、土居健郎の「甘え」理論と併せて検討して、人間存在の様相を詳らかにする。文庫化にあたり講演「人と人とのあいだの病理」を併録。解説 清水健信
  • 増補 古典としての旧約聖書
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    旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。
  • 変動を生きのびる整体 ――気候、環境の変化を越えて
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    夏の酷暑、秋~春の極端な寒暖差。激しい気候変動の時代に身体はどんな変調をきたしてきたのか。地震などのショックによるめまい。情報社会化による息詰まり。パンデミックを始めとする社会不安。身体はどのように乗り越えていけばいいか、生きのびるための整体セルフワーク。気候と身体変動の年表付。約50年間、季節や社会環境の身体への影響を観察し整体し続けてきた著者、渾身の書き下ろし。
  • ピース・フィーラー ――支那事変和平工作史
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    支那事変(日中戦争)の特徴は、戦争遂行と和平への努力が、ほぼ全期間を通じ並行してなされたことにある。この和平工作の舞台には外交官のみならず、中国通の経済人やジャーナリストなど様々な人物が登場した。本書はまず、極秘裡になされたがゆえに捉えづらい和平工作の基礎事実を確定し、これに従事したピース・フィーラーたちの実像を描き出す。宇垣工作、汪兆銘工作をはじめとする数多の試みは、なぜ一つとして成功しなかったか。日本側の事変処理政策や政府声明の決定過程を詳しく追跡することでその原因を解き明かした。日中関係、戦時外交を考えるうえで欠かせない名著。
  • 時間と自由意志 ――自由は存在するか
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    これまで自由意志/決定論の対立として論じられてきた難問を、自由とは何かという議論からいったん離れ、「分岐問題」の枠組みのもとで考察しなおす。従来の哲学が依拠してきた対立図式を根底から揺さぶり、自由をめぐる議論に新たな境地をひらく圧倒的論考。
  • 復帰50年の沖縄世論
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    沖縄では、米軍基地に対する態度と、自身のナショナル・アイデンティティの位置づけが結びつくような状況がある。2022年9月、両者の複雑な関係を明らかにするために行われた世論調査は、沖縄県民3800人を対象とし、1000人以上から回答を得た大規模なものになった。本書は、その結果から見えてきたものを示す。
  • 戦争と西洋 ――西側の「正義」とは何か
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    20世紀に世界は二度の全面戦争を経験した。主権国家が並び立つ国際秩序を確立した〈西洋〉が、外部を征服し「世界化」したそのとき、世界中を巻き込む大戦争が起こったのだ。総力戦と化した戦争は核兵器を生み、戦争は人類破滅を招きかねない「不可能」なものとなった。にも拘わらず、世界大戦終結から80年、世界はふたたび全面戦争への傾斜の上に立っている。冷戦終結が世界の平和をもたらすはずではなかったのか? なぜこうなったのかを西洋精神史を参照項に検証する。
  • 星の牧場
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    児童文学者で小説家の庄野英二の代表作になる長編ファンタジー小説。世界大戦の復員兵イシザワ・モミイチは戦地で、愛馬ツキスミを失い、心に深い傷を負って、記憶もまた失っている。ある日、牧場で働くモミイチは、馬の蹄の音を聞き、それに導かれるように山に分け入ると、クラリネットを吹く男に出会う……。刊行当時、数々の名だたる児童文学賞を受賞した名作の復刊。解説 絲山秋子
  • 作用素環の数理〈ノイマン・コレクション〉
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    数学のアイディアは経験に由来する、というノイマンの数学観は、作用素環に関する研究にも如実に現れている。それは量子力学を数学的に記述しようとしたところから、ノイマンが数学の一分野として確立したものだ。その後、荒木不二洋、境正一郎、竹崎正道、冨田稔など日本人の著しい活動とアラン・コンヌやヴォーン・ジョーンズらの研究によりさらに発展した。本書は「作用素環について」と題された一連の論文と、終戦直後の講演「数学者」を収録。“数学はどうあるべきか”という深い洞察に裏打ちされた第一級の業績がここに。
  • 新版 いくさ世を生きて ――沖縄戦の女たち
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    終戦から33年が経過した1978年、著者・真尾は沖縄へ向かう。県民の四人に一人が犠牲になった地上戦に巻き込まれ、親を、子を、夫を、友を、尊厳を、あらゆるものを奪われた女性たちの痛みの記憶は、戦後なお静かに秘められていた。黙する声を聴き取ろうとする「己の罪深さ」を強く自覚し、それでも未来へ言葉を残す。祈りを届ける傑作ノンフィクション、待望の復刊。解説 吉川麻衣子(沖縄大学教授)
  • となりのリブちゃん
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    1960年代の『なかよし』『りぼん』などの少女漫画雑誌や文具・小物のキャラクターグッズで「カワイイ」が大好きな女性たちから絶大な人気を誇ってきた田村セツコ。女性イラストレーターの草分け的存在である著者による幻の4コマギャグ漫画集が初の文庫化。おちゃめで夢見がち、ちょっぴりおマヌケなリブちゃんワールド。単行本未収録作を増補し96作品でお届け! 解説 細馬宏通
  • 意識の不思議
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    意識はどこにあるのか? 脳はただの物質で、脳で行われているのは単なる電気信号の伝達だ。なのに、私たちは、何かが見えていると感じたり、リンゴは赤いなぁと感じたりする。脳のどこで何をどのように感じているのだろう? 電気信号がある時に意識となるのなら、機械にも置き換えられるのだろうか? 意識が湧くその仕組みが分かってくると理論的には脳と機械を繋いで意識をアップロードすることも可能になるかもしれない。私たちは機械の中で生き続けられるのか?? 壮大な研究に挑む。 (1)意識はどこにあるのか? 意識はどのように発生するのか? そのメカニズムから意識を機械に移植するという脳神経科学の最先端の研究までをわかりやすく解説。(2)私たちの身体や脳は電気仕掛けで動いている。では、私たちが感じているこの「意識」はいかに生じるのか? 意識の発生するメカニズムから、意識を機械に移植するという脳神経科学の最先端までを分かりやすく解説。 【目次】第一章 意識について三つの不思議/第二章 脳を研究する方法/第三章 脳と機械はどう違うのか/第四章 機械脳の作り方/第五章 機械の中の意識を確かめる/第六章 意識を機械にアップロードする/第七章 デジタル世界で生きる未来
  • 日本群島文明史
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    日本は群島であり、日本文明は群島文明である。大陸文明的な実体系思考よりも群島文明的な非実体系思考が優勢で、そうした世界観から生命は偶発的なものという感覚や共同主観の構造、革新性をもたらす美意識などが展開され、日本文明が創り出されてきたのだ。そうした日本の歴史的動態を描きつつ、日本の群島文明を形成する東アジアの哲学を「通底哲学」として世界哲学の中に置き直し、より深い文明論として展開する。日本の知の歴史を総合的に理解する、著者独自の日本思想大全。
  • 新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」
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    実は日本には「新しいリベラル」と言いうる人々が存在することが、7000人を対象とする社会調査から浮かび上がってきた。この人たちが求めるのは、私たちの「成長」をサポートする政治だ。「新しいリベラル」は最多数派を占めるのに、これまで見落とされてきたのはなぜか? 「従来型リベラル」や保守層など他の社会集団と比較しながら、「新しいリベラル」が日本政治に与えるインパクトと可能性を示す。「新しいリベラル」の実像と可能性を明らかにした、初めての書!
  • だれが戦争の後片付けをするのか ――戦争後の法と正義
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    戦争にかかわる法は、人類の歴史のなかで着実につくられてきた。21世紀に入り、「戦争後の法(ユス・ポスト・ベルム)」と呼ばれる概念が注目されている。本書では、ロシア・ウクライナ戦争をおもな例にとりながら、戦争犯罪の捜査・裁判、兵士の帰還、被害者への賠償といった戦後処理の実践を紹介する。類のない、「終戦後」論である。
  • アラン ――戦争と幸福の哲学
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    アランは思想の体系化や理論化を嫌い、具体的なものを目の前にして語り、ノートを毎日持ち歩き、プロポ(哲学断片)を綴り続けた。名著『幸福論』を通じて広く親しまれてきた彼の哲学には、二度の世界大戦が影を落としている。戦争の愚劣さを体験するため、自らすすんで従軍し、危険な前線に立ったアラン。その言葉は、暗い現代を生きる私たちに何を投げかけているだろう。生涯と思想の断片をつなぎ、「考えるとは否と言うこと」というアランの声に〈いま〉耳を傾ける、第一級の評伝。
  • ラテン語の世界史
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    イタリアの一地方言語に過ぎなかったラテン語は、ローマ帝国の公用語として世界に広まり、西ローマ帝国崩壊後もキリスト教と結びついて普遍的公用語としての地位を築いた。しかし、やがて主要言語としての地位を失い、「教養」語となって現代に至る。長く歴史上に君臨したラテン語はいかにして広まり、生き続けてきたのか。ギリシア語との覇権争い、キリスト教との蜜月、各国の近代俗語との交代──「世界最強の言語」が歩んだ2000年以上に及ぶ数奇な運命に迫る。
  • 読み手に届く 文章技術
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    読み手の理解を想定し、「認識の共有」を作り出す。これが、しっかり伝わる文章を書く王道です。自分の考えを適切な表現と組み立てで相手に届ける一生モノの技術を具体例とともに紹介します。 【目次】第1章 差分――書き手と読み手の知識の差/第2章 構成――整理の行き届いた文章構成/第3章 視点――共感できる視点の設定/第4章 根拠――主張を支える根拠の選定/第5章 定義――前提となるキーワードの定義/第6章 引用――信頼できる典拠の引用/第7章 推薦――AIを用いた適切な推敲/第8章 設計――初対面の相手のための情報設計/第9章 配慮――読み手の印象への配慮/第10章 総合――文章が生まれる過程
  • 経済学者のアタマの中
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    経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするための仕組み」です。伝統的経済学、行動経済学の考え方の本質と、学問全体の見取り図がわかる「経済学」入門! 第一人者が案内します。
  • ロシア中世物語集
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    ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。
  • 傷を愛せるか 増補新版
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    たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太
  • 傷のあわい
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    米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性──。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の著者が耳を傾け、生きるということを同じ目線で考えた記録。解説 奈倉有里
  • 二つ枕
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    夜ごとくり返される客と花魁の虚々実々の駆け引き。江戸は吉原の世界を精密に描いた「二つ枕」に「廓中通信」、「青楼夜話」等遊廓を舞台にした初期の作品を併せて収録する作品集。【解説:北方謙三】
  • 日本精神史 ――自然宗教の逆襲
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    1945年の敗戦後、主体性をもたず権力や多数者にいとも簡単につき従う日本人の傾向をどう克服するか、が大きな課題として論じられた。だが、今もこの問題はなんら解決されていない。これほど根深く、空気のようにわれわれの精神を規定しているものは何なのか―それこそが、日本の「自然宗教」である。われわれの心性の背景をなす「自然宗教」とは、どのように生まれ、いかなる特徴をもつものか? なにゆえそれは、この国に「普遍的思想」が根づくことを阻害するのか? 民俗学、歴史学、宗教史、思想史など幅広い知見を渉猟してその淵源を探り、克服へのかすかな道筋を問う。渾身の書き下ろし。
  • 法学の誕生 ――近代日本にとって「法」とは何であったか
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    1巻3,102円 (税込)
    日本が、驚くほど短期間に近代化を果たしえたのは、西洋法の継受に成功したからである。だが、「法」を自らのものとして運用するには、それを支える法的思考様式、つまりは「法学」を受容することが不可欠だった。法学とは西洋社会に深く根差した思想であり、文化である。全く異質な文化的土壌をもった日本社会が、それまでにない思考様式を受容するのには幾多の困難があった。いったい日本人は、いかにしてそれを乗り越えたのか? 欧米列強と対等に伍するため、国を代表する俊英たちが競って法学を学び、近代国家としての骨格をつくり上げた明治日本。先人たちの苦闘の歴史をあざやかに描き出す。
  • 日本賭博史
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    双六、丁半、花札、富くじ……。賭博は古代より日本社会に存在し、貴族の社交の嗜みとして、武士の陣中の慰みとして、また庶民のエネルギー発散のはけ口として、あらゆる階層の人々を虜にしてきた。本書では、現在もなお残る定番の賭け事から、忘れ去られた昔の流行物、果てはイカサマの技術に至るまでの数々を紙上に再現。権力による禁圧の裏で新たな賭博が次々と生み出されてきた様を、豊富な図版とともに活写する。賭博という人間存在を語るうえで不可欠な現象に着目することで、時代の性格や民衆の感情の新たな側面が見えてくる。類書のないギャンブル日本史。解説 檜垣立哉
  • 海とサルデーニャ ――紀行・イタリアの島
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    「薄曇りの夜空のひろがるその下で、はるかかなたイオニア海の水平線に、金属が溶けあうように曙光がさしはじめた。よしと、一杯の紅茶とトーストのかけらを飲みこんだ」。1921年1月、作家は妻“女王蜂”を伴い、居住していたシチリアからサルデーニャに向けて旅立つ。近代化のさなかにあっていまだ野性味を残す島の自然と人々。市場の野菜。山々を行く汽車とバス。だがこの島にも第一次世界大戦後の世情が影を落とし……。作家は確かな直感と観察によって、旅の跡を活き活きと書き綴る。本文庫では原書初版で削除された箇所を復元。ロレンス文学の頂点と評される傑作旅行記を名訳で。
  • 人生にがっかりしないための16の物語
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    劇作家であり、演出家であり、人生相談のエキスパートでもある鴻上尚史──その信念に濃い影響を与えた「とっておきの物語」だけを厳選紹介。発表から何十年の時が経とうと色褪せぬ不朽の名作は、暗がりだらけの世界にも確かな光を見出すチャンスと、毎日を生き抜く希望のヒントを届けてくれる。文庫化に際し4章分を書き下ろした完全版! あなたの道をあなたの力で歩み出すための一冊。
  • 踊念仏
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    民衆が歓喜のさまを表わす、素朴な感情表現としての踊り。そこに神事や仏教が融合し、発生したものが踊念仏である。一遍・法然研究の第一人者であった著者が、踊念仏という活動にスポットを当てることで、開祖の大きさを日本仏教史や民間信仰の体系の中で捉えなおしたのが本書である。古代における踊りの意味から掘りおこし、空也・一遍ほかの聖たちと踊念仏の盛興、他宗派からの批判、念仏踊や阿国歌舞伎など芸能に与えた影響、さらに後世の各地に継承された習俗にまで、幅広く目を配る。
  • 人生にはいつも料理本があった
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    季節の味わいを教える本、未知の料理への扉を開く本、言葉にぐっときた本……20年以上にわたり料理本作りに関わり続けてきた著者が、愛をこめて語りつくす。
  • 猫社会学、はじめます ――どうして猫は私たちにとって特別な存在となったのか?
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    猫と人との関係が最も深まったのが現代。なぜ猫は可愛いのか、「猫島」とは何かなど、五つの視点から分析。「猫と人間の未来」のための全く新しい学問の誕生!
  • 剣の法
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    近世剣術「新陰流」の優れた術理を、批評家であり「新陰流・武術探求会」を主宰する著者が、明解かつ詳細に説き明かす。身体論、日本人論としても秀逸な一書。
  • 美学講義 ――バウムガルテンからグリーンバーグへ
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    夏目漱石、森鷗外、高山樗牛、岡倉天心、萩原朔太郎らが、ハルトマン、カント、ヘーゲル、クローチェなどの「美学」といかに対峙したかを詳述する「美学の近代」。ヴァレリーによる「制作学」を考察し作品概念の地平を拓く「美学批判をめぐって」。20世紀アメリカを代表する美術批評家グリーンバーグの「批評」に対する数々の「批判」を採り上げ、現代芸術と連動する実践的批評と美学との関係を問う「批評と美学」。「美学すること」を追求する著者畢生の美学講義。
  • スピノザ ――「変性の哲学者」の思想世界
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    スピノザは、17世紀の他の思想家に比し、人間像と思想像において際立つほど多面的に受けとめられてきた。ユダヤ教会からの「破門」によって始まった「思考する実存」としての生。著作や書簡の読解から浮かび上がる固有の「精神の運動」。それらはどのような思想世界を形づくったのか。本書は、従来のイメージにとらわれることなく、スピノザにおける倫理学と政治学、そして聖書批判の内的連関を見定め、その思想を統一的に描き出す。
  • 新版 知的創造のヒント
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    『思考の整理学』の原点となった主著。「独創的なアイディアは自分からは出てこない」と諦めていませんか? 日々の思考トレーニングでユニークな発想は生み出せます。本書では著者の経験を踏まえ、個性的な思考を発揮する方法、忘却の効用、雑談のすすめ、メモの是非、本の読み方まで、すぐに実践できる知的トレーニングを案内します。新版に際し、東大生・京大生の疑問に答える特別講義を増補。
  • 近代日本の中国認識 ――徳川期儒学から東亜協同体論まで
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    近代日本の思想史に映し出された中国像とはどのようなものだったのか。本書は、江戸時代の儒者や国学者らの中国観から、明治維新・日清戦争を経て、民族を超えた全体を目指す東亜協同体論が構想されるまで、代表的人物に寄り添いながら、中国理解の変遷や思考のありかたを追う。畏敬や脅威、軽侮という感情の振幅のなか、他国を正しく認識しようと苦闘した日本人の足跡。そこから、われわれは何を学べるだろうか。国家を超えた理念を呈示することはできるだろうか。日中関係史の精緻な考察は、いまもって喫緊の課題である〈他者理解〉に向けて読者の再考を促す。学殖溢れる渾身の思想史講義。
  • 禅の時代 ――栄西・夢窓・大灯・白隠
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    日本における中世から近世は、今日までのこる伝統文化が数多く創造された時代であるが、その重要な母胎となったのが禅の思想である。鎌倉仏教の祖師たちによって示された改革がその基本線を貫ききれず、中国で爛熟した大陸仏教の足跡を追うしかなかったところに、室町・南北朝時代を経て徐々に影響を脱して日本禅は完成していく。中国禅研究の第一人者であった著者が、純粋に「日本の仏教」とよべる信仰が生まれるまでを、とりわけ日本臨済禅の系譜に沿って辿り、平明な筆致でその本質を追究した一冊。
  • ギリシア哲学史
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    全てはここから始まる――古代ギリシアで哲学はどのように始まったのか。人間と社会と自然を根源から問い、わたしたちの生き方・考え方を形作った知の原点。近年の研究成果を踏まえギリシア哲学史の枠組みを見直し、哲学者たちの思索を新たな視座から一望する記念碑的通史!
  • もっと学びたい!と大人になって思ったら
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    社会科8科目の予備校講師で現在は人生3度目の受験生。49歳のときに2度目の大学卒業を果たした著者が伝える「大人になっても学び続ける」技術。メリットとデメリット、時間とお金、大学再入学の経験を本音で伝える1冊です。講義をする側・受ける側双方の経験を通して得た知見を語ります。 【目次】第1章 なぜ学び続けるべきなのか?/第2章 学び続けてよかったこと・わかったこと/第4章 大学・大学院での「学問」ってなんだろう?/第5章 学びの不安に応えるQ&A
  • 死刑について私たちが知っておくべきこと
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    死刑制度に「なんとなく」で賛成または反対していませんか。冤罪があれば取り返しのつかない「究極の刑罰」にもかかわらずその実態は知られておらず、十分な議論もなされていない。日本の死刑制度とその運用にはどのような問題があるのか、維持するのならどうあるべきか、考えるための材料を示す。 【目次】第1章 死刑はどのように運用されている?/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/第8章 死刑存廃論のミニマリズム
  • 世界の力関係がわかる本 ――帝国・大戦・核抑止
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    戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。 【目次】第一章 世界の力関係はどう変わってきたか――帝国と主権/第二章 帝国の出現を防ぐ手立てとは何か――勢力均衡/第三章 世界大戦はなぜ起こったか1――脆弱性による戦争/第四章 世界大戦はなぜ起こったか2――機会主義的戦争/第五章 国連はなぜ機能しないのか――集団安全保障/第六章 核兵器はなぜなくならないのか――核抑止/第七章 戦争はどう終わるのか――戦争終結/第八章 人類はまた大戦争を引き起こすのか
  • ハイエク入門
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    20世紀に屹立する偉大な思想家F・ハイエク。その思想は、経済学、政治思想、心理学など、幅広い領域に大きな影響をあたえた。本書では、縦横無尽に往還するハイエクの思考を複眼的にとらえ、「法の支配」「自生的秩序」などの概念のもとに展開したハイエク思想の全体像を提示する。ケインズ、マッハ、M・ポランニー、F・ナイト、ロールズなどと対比することで、ハイエクの独創性と先見性を浮かび上がらせ、日本では短絡的に語られることが多かったハイエクの自由主義思想を更新する画期的な入門書。
  • 「頑張れない」子をどう導くか ――社会につながる学びのための見通し、目的、使命感
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    「やらない」「できない」のは、大人のせい!? やる気や「できる」を増やす声のかけ方や環境の整え方を、ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』著者の児童精神科医と現役教諭が日常生活ですぐに使えるヒントを具体的にアドバイス。 【目次】第一章 子どもが“見通し”をもてるように/第二章 子どもの“目的”を支えるために/第三章 やる気を“使命感”に繫げるために
  • 検証 異次元緩和
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    日銀が黒田総裁のもと採ってきた大規模金融緩和政策は、雇用環境の改善、財政赤字の縮小など多くの成果をもたらしてきた。だがそうした事実にもかかわらず、大規模な緩和が物価の急騰、為替の暴落など様々な副作用をもたらしてきたとの批判がある。そこで本書では、客観的なデータに基づいて大規模緩和の成果を検証。大規模緩和に対する否定論が十分な事実に基づかない議論であること、緩和の副作用もありえないことを示す。あわせて今後の金融政策の採るべき道筋を示したい。
  • 日本人の思考 ――ニッポンの大学教育から習性を読みとく
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    私たちは知らない間にある思考の型に嵌ってしまってはいないだろうか。多くのものが大学進学する現状において、そこでの教育は日本人の思考に多大な影響を与えている。しかし、大学教育では翻訳学問に依拠したため、言葉のズレが放置され、概念がゆらぎ、適切に考えることを教えられていない。そのため蔓延したエセ演繹型思考、キャッチアップ思考、カタカナ語の氾濫、とはどういったものか。その背景を探っていく。
  • 中華とは何か ――遊牧民からみた古代中国史
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    中華思想は文明の優劣で人々を区別する発想である。文明のある世界を中華とし、その周辺には野蛮な夷狄がいる。そして夷狄は中華に何も残さなかったものだと長らく考えられてきた。しかし注意深く歴史をみていくと、夷狄であるはずの遊牧民はむしろ中華文明の形成に積極的に関わり、新たに持ち込み、主体的に選別し、継承してきたことがわかる。中華文明拡大の要因は、あらゆるものを内部に取り込んで膨張していく性質にある。逆に言えば、気づけば夷狄も中華になっているのだ。本書は、中国史を遊牧民の視点から捉えなおすことにより、中華の本質に迫る一冊である。
  • 韓国ドラマ沼にハマってみたら
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    『愛の不時着』『梨泰院クラス』『私の解放日誌』etc.コロナ禍をきっかけに韓国ドラマにハマった作家が、その多様な面白さを作家ならではの視点で綴る。
  • 歌うように伝えたい
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    今、ここに生きている。俳優・塩見三省が病を経て、ままならない身体で懸命に生きた10年間の絶望と希望を真摯に綴る。大幅改稿して文庫化! 2014年、突然の病に倒れ、絶望を味わった。しかし著者は立ち上がり、苦しいリハビリを経て、元の世界に復帰した。そして、書き始めた。今までに出会った素晴らしい仲間たち、ともに病と闘った人々、ままならぬ身体と生きること、大切な仕事……本書は俳優である著者が自らの言葉で真摯に語り、文筆家として開花したエッセイ集である。大幅な改訂を経て、待望の文庫化。解説 川本三郎
  • 三つ星の頃
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    星の随筆家として活躍し、当時太陽系第9番惑星として発見された星の和名を「冥王星」と名付けた野尻抱影。いまなおその功績は輝き愛され続けているが、厖大な著作を世に放った野尻が大正13年に初めて刊行した本はエッセイではなく、若者たちに向けた小説集だった。少年の心を占めるオリオンの光が印象的な表題作「三つ星の頃」ほか自然の息吹を感じる11篇を収録。解説 名取佐和子
  • 東のエデン
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    文明開化……西洋がはいり込んできた〈東のエデン〉ニッポン、その時代の空気とそこに生きた人々の息づかいを身近に感じさせてくれる、味わい深い作品集。外国人の眼に映じた日本を描いた表題作をはじめ、若き書生たちのユーモラスな日常と揺れ動く心を描いた「閑中忙あり」「ぶどうのかおり」、異界をさりげなく垣間見させてくれる「やまあり」「仙境」など全9話。【解説:赤瀬川原平】
  • 数理物理学の方法〈ノイマン・コレクション〉
    -
    ノイマンの業績の中から、数理物理学に関する主要な論文を精選。彼の業績の筆頭に挙げられる「量子力学の数学的基礎づけ」のほか、近年初めてその価値が再評価された「量子力学におけるエルゴード定理とH‐定理の証明」、チャンドラセカールとの共著論文「星のランダムな分布から生じる重力場の統計」、そして乱流理論の回顧と展望を述べた「最近の乱流理論」を収録。全篇本邦初訳。
  • 移動そのもの
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    1巻1,925円 (税込)
    語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集!
  • 震災アーカイブを訪ねる ――3・11 現在進行形の歴史って?
    -
    近年、東日本大震災のようすを伝える「震災アーカイブ施設」「震災遺構」と呼ばれる学びの場が次々とオープンしている。福島・宮城・岩手の3県は地域によって抱える課題が異なり、住民たちが下した復興への決断も様々だ。特徴的な12施設をめぐりながら、震災から何を学び次の世代に語り継ぐか、考えていく。
  • あなただけの物語のために ――どうすれば自分を信頼できる?
    -
    世の中にあふれている誰かが描いた紛(まが)い物の物語。それらは時にあなたの行く手を阻んだりもする。その話はあなたの物語ではない。「書いたり」「読んだり」を通して、自分の内にあるあなただけの物語、あなただけの希望を見つめてみよう。
  • 色彩について
    -
    色の概念の論理は見かけ以上に複雑だ──。病床にあった晩年のウィトゲンシュタインは、ゲーテの『色彩論』に触発され、死の直前まで「色彩」の問題を考察し続けた。透明で白いガラスはなぜ想像できないのか、「赤っぽい緑」というような色はありうるか、全員が色盲である民族を想像してみよ……。『哲学探究』で示された「言語ゲーム」などの視点を採り入れた「色の論理学」ともいうべき思考実験は、われわれが自明視しがちな色彩概念を根本から揺さぶり、深い探究へと読者を誘う。同時期の遺稿『確実性の問題』にも通底する点がみとめられる、晩期の思想が端的に表れた断片集。
  • 戌井昭人 芥川賞落選小説集
    -
    5回の芥川賞落選を経験し、もっとも賞に近かった(?)作家による芥川賞落選作5作品をまとめたオリジナル小説集(注:川端康成文学賞受賞作1作を含む!!!)。気が小さいのにテキトー、だけどなぜか惹かれてしまう人物たち、モラルも常識もあんまり通用しない脱力しまくりの独特の世界観が炸裂する──ある意味、画期的で文学的コスパ最強の作品集。解説 町田康
  • カロルス大帝伝
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    フランク国王として諸族との数多の戦いを制し、中世西ヨーロッパの大半を平定したカロルス大帝(カール、シャルルマーニュ)。ラテン語の古典文化を保護してカロリング=ルネサンスをもたらし、800年にはときの教皇レオ3世からローマ帝国皇帝に任ぜられた「ヨーロッパの父」である。本書はカロルスの廷臣エインハルドゥスによる「カロルス大帝伝」と、修道士ノトケルスによる「カロルス大帝業績録」の2作品を収録。9世紀同時代人によって記された両伝記は、大帝の生涯のみならず中世ヨーロッパについて知るための貴重な史料である。
  • アーベド・サラーマの人生のある一日 ――パレスチナの物語
    -
    ピューリッツァー賞受賞作。ヨルダン川西岸地区で園児たちの乗ったバスが燃えた。アーベドは息子を探して奔走する。占領とは何かを問う悲劇のノンフィクション。
  • カルメル山登攀
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    神との合一に到るための階梯を詳述したカトリック神秘思想を代表する作品。ヨハネは自らの詩に註解を施すかたちで神学的思索を行い、魂の浄化に向かう道を指し示す。「この山にはただ神の誉れと栄光だけが住まう」とされるカルメル山。すべてが闇の内へと沈む「暗夜」を通り抜け、山の頂きへ達するには、この世のあらゆることどもから──自分自身からさえも──逃れなければならない。魂の全き赤裸と神的一致をめぐる教説は、キリスト教徒を超えて人々に多大な影響を与えた。スペイン文学の至宝でもある古典を名訳でおくる。 解説 鶴岡賀雄
  • 中国目録学
    -
    書籍を分類して解題目録を作る学問・目録学。分類の意味を知るためには学術史的知識が欠かせない。なぜなら目録学は、その時代毎の文化の体系化と批判の営みであったからである。本書では、木や竹、布に記録することを始めた古代中国から、紙や印刷術の発明とともに目録学がどのような発展を遂げてきたかが縦横自在に語られる。「中国の蔵書家たち」「中国のエディション」「紙の発明と後漢の学風」など、関連文章も収録。この分野において先駆的役割を果たした書であり、中国文化の知的背景を知るにあたって紐解かれるべき名著。解説 古勝隆一
  • 筑摩書房 図書目録2025
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    筑摩書房刊行の単行本・選書・全集シリーズ・教科書の総合目録です。単行本はジャンルごとに著者名50音順に内容紹介と共に掲載しています。また、文庫・新書を含めた全書名・全著者名索引を巻末に掲載しています。掲載されている作品は、2024年12月時点で購入可能なものです。 ※電子書籍の目録ではありませんのでご注意ください。
  • ちくま文庫・ちくま学芸文庫 解説目録2025
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    ちくま文庫、ちくま日本文学・ちくま哲学の森、ちくま学芸文庫など、筑摩書房刊行の文庫の目録です。著者名50音順に内容紹介と共に掲載しています。また巻末には品切一覧表を掲載しています。掲載されている作品は、2024年12月時点で購入可能なものです。表紙絵=安野光雅 ※電子書籍の目録ではありませんのでご注意ください。
  • ちくま新書・ちくまプリマー新書 解説目録2025
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    筑摩書房刊行のちくま新書・ちくまプリマー新書の目録です。通し番号順に内容紹介と共に掲載しています。また、ちくま新書ジャンル別一覧、品切一覧表を掲載しています。掲載されている作品は、2024年12月時点で購入可能なものです。 ※電子書籍の目録ではありませんのでご注意ください。
  • 江戸・東京水道全史
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    徳川家康による都市建設の当初から、江戸の水道は高低差を緻密に計算し、複雑な地形を利用する形でつくられてきた。中心部の小石川上水、それを発展させた神田上水、そして玉川上水を基盤とした水道は、明治以降には近代化され引き継がれてきた。急速な工業化や関東大震災からの復興、戦後復興・高度成長を経て水道がいかに拡張され、また経営されてきたか。江戸・東京の経営史を専門とし、東京都水道局に長年勤務してきた著者による、世界屈指の都市の決定版水道史。 【目次】プロローグ/I 江戸時代/第1章 家康と水道/第2章 天下普請の時代/第3章 城下町・江戸と神田上水/第4章 玉川上水の新設/第5章 上水経営の実際/II 明治時代~現代/第7章 近代水道にいたる道のり/第8章 近代水道の成立と関東大震災──拡張の始まり/第9章 大東京と水道/第10章 拡張に次ぐ拡張の時代──戦災復興期から高度経済成長期まで/第11章 量から質へ──低成長時代から現在まで/あとがき/索引
  • 情報敗戦 ――日本近現代史を問いなおす
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    この国において、政府やメディアなど権力の「大本営発表」への批判精神が皆無なのは八十年前と同じ。知識人も庶民もしっかりとした歴史を見る眼を持たず、歴史に無関心なため、いま再び「情報敗戦」に直面しているのだ。正しい歴史観を持たない限り、日本は今後も新たな敗戦への道をひた走るだけだろう。松本清張や辺見庸、アレントやサイード等々、内外の知識人たちの遺してきた貴重な史論や思想を手掛かりに、日本社会に隠された「情報のカラクリ」を暴き、歴史の虚実を検証する。 【目次】はじめに――「情報のカラクリ」/序章 問題の発見/第1章 史観で眺める日本/第2章 「昭和維新」と満洲/第3章 清張史観の遺したもの/第4章 戦後日本とは何か/第5章 世界史的大転換/第6章 人間とは何か/第7章 「民主主義は暗闇の中で死ぬ」(Democracy Dies in Darkness)/結章 絶望に抗う/あとがき――なき妻へ
  • 子どものおしゃれにどう向き合う? ――装いの心理学
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    「ちょっとぽっちゃりしてきた?」「最近は小学生でも脱毛するんだって」「ほら、クラスのあのかわいい子」……大人の何気ない声かけ・言葉が、子どもたちの身体への意識に影響を与えます。子どもたちにとっておしゃれとは、社会と向き合い、そして自分を知るための大切なツールなのです。イメージで語る前に、まずはその実態を探ってみましょう。 【目次】はじめに/第1章 おしゃれと装いの心理学/第2章 見た目を意識する子どもたち/第3章 メイクアップ・体毛処理/第4章 瘦身体型とダイエット/第5章 おしゃれによる心身のトラブル/第6章 メディアの影響/第7章 (母)親の影響/第8章 親が本当に困っていること/第9章 大人は子どものおしゃれにどう向き合っていくか/第10章 子どもにとってのおしゃれの意味や意義/おわりに
  • 実践! 新社会人のキホン
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    世代間ギャップ、時間意識やライフステージの変化。この三つは新社会人なら誰しもぶつかる問題である。それらを解決し、充実した社会人生活を送るにはどうすればよいか。ビジネスコーチが効果バツグンの知識とスキルを解説。 【目次】まえがき/第1章 世代間ギャップと社員教育の実情/第2章 知っておいてほしいこと/第3章 ぜひ実践してほしいこと/第4章 ウェルビーイングの実現に向けて/あとがき
  • 社会は「私」をどうかたちづくるのか
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    なぜ「私」は、今のような「私」であるのだろうか? 他者との関係性からより広い社会的状況までに影響を受け、「私」という存在は複雑にかたちづくられている。社会学のさまざまな観点からその成り立ちについて考え、「私」と社会をめぐる風通しをよくする手がかりを示す。 【目次】第1章 数字でみる「私」/第2章 他者と「私」/第3章 現代社会における「私」/第4章 つくられる「私」/第5章 語られる「私」
  • 英語と明治維新 ――語学はいかに近代日本を創ったか
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    江戸幕府を倒し、新しい「日本」の形を模索した明治維新。水面下では、言葉をめぐって「もう一つの闘い」が繰り広げられていた。迫りくる西洋列強と外国語で交渉できなければ植民地にされかねない。まともな教科書も辞書もない時代、サムライたちは必死に西洋語を学び、欧米に密航留学した。漢学、蘭学に加え、英語、独語、仏語が乱立する中、なぜ英語が新しい国家を創る原動力となりえたのか? 英語教育史の第一人者が、これまで語られてこなかった視点から幕末・明治に光を当てる。
  • 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ
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    時は1993年。若き政治学者・木村幹(27歳)は、愛媛大学法文学部に助手として採用された。「雇用の安定した国立大学に就職し、研究に集中したい」という夢が早々に叶い、これで韓国の政治文化研究に打ち込めると思いきや、国立大学の置かれた状況は刻一刻と悪化していく。神戸大学に移るも、2004年の独立行政法人化により研究費も人員も削減され、予算獲得のための仕事が日々の研究を圧迫する。昇進しても、小さいパイの取り合いで疲弊するばかりだ。還暦間近のとある部局長が見つめた、おかしくも哀しい国立大学の30年。
  • ぼっちのアリは死ぬ ――昆虫研究の最前線
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    集団をつくり、他者との関わりをもって生きていこうとする性質である「社会性」……本書では、昆虫が苦手だった筆者がすっかり魅了され、10年以上にわたって見つめてきた、アリの不思議な世界をご紹介します。 【目次】第1章 なぜアリを研究するのか?/第2章 アリの生活史/第3章 孤立アリは早死にする/第4章 鍵はすみっこ行動/第5章 アリから学ぶ社会と健康
  • 内調 ――内閣情報機構に見る日本型インテリジェンス
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    日本の内閣情報機構は公的情報が少なく、内部証言も断片的だったため、これまで実態が未解明だった。本書は一九三六年に情報委員会が設置される前夜から、動揺する国際秩序への対応を迫られた一九七二年頃までの実態を、この間の情報機関に深く関わった三人のキーパーソン、横溝光暉、吉原公一郎、志垣民郎が残した資料と証言をもとに描く。政府寄りの世論形成に取り組み、時には他省庁の取り組みにくい政策課題に自らの存在価値を見いだした内閣情報機構の実像に初めて迫る。
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート
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    学力格差や体験格差が深刻化する日本の教育。そんな中、入試難易度や威信という点においてトップに君臨しつづける東京大学に進学するのはどんな人たちなのか。学歴エリートはどこからきてどこへ行くのか。中高一貫男子校出身者の多さや地方女性の少なさの実態、親の学歴、家庭環境や文化経験、卒業後の職業・年収・役職、結婚や子育て、そして社会意識や価値観まで。東大卒業生を対象に行われた大規模な独自調査のデータから明かされる、学歴エリートの生態と格差社会のリアル。 【独自調査から徹底検証! データから読みとく学歴エリートの実態】こんなに多い!中間一貫男子校出身者/幼少時の読者や文化経験は?/地方女性という困難/親の学歴はどう影響している?/就職・年収・役職/「東大女性は結婚できない」は本当?/学歴エリートの偏った社会意識……

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