無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
逃げるということは1番だめです。どんなことがあってもクマに背を向けるということが一番よくないです」
最近は旅行に行ってもクマが心配になるようになりました。北海道の阿寒湖や稚内に行くと街中に鹿がいっぱいいて驚いたものですが、クマが山でなく街中にいるのはとんでもないですね。
「クマにあったらどうするか」副題はアイヌ民族最後の狩人姉崎等。この本は2000年にアイヌ最後のクマ猟師姉崎等さんに映像作家の片山龍峯がインタビューし、記録したもの。1990年代にクマ猟が禁止されたのでもうプロの猟師はいないそうで、ましてやアイヌの猟師は誰もいない。こうなると貴重な話です。
内容は姉崎さんの生い立ちに始まり、クマは何を考えているのか、どんな生態なのか、そしてどうやって猟するか、次にはクマにあったらどうするか、といった話に進みます。
我々と違うアイヌの考え方も面白いのですが、そもそも山やクマのことを知らない私なので山をどう見ているのか、クマはアイヌにとっては神と同じ単語である意味、姉崎さんにとってはクマが師匠だという意味がすごくよくわかる。
クマについては白神山地のマタギの本も読んだが、それぞれ似ているようで違う。自分の知らない世界に関するこういうプロの話って面白いですよね。
冒頭の、クマに会ったら逃げるな!というのが一番にやるべきことだそうです。相手から目を逸らしてはいけない。例えば腰抜かして座り込んだ人と走って逃げる人がいると、クマは走る人を追いかけるそうです。そうした理由はもちろん、こういうケースはどうか、ああならどうかといった細かいことを片山氏が繰り返し聞き出す。そうか、そうか、だからなのか、とクマの考えが見えてきて、そのストーリーに納得させられます。面白いですねえ。
クマが馬乗りになってきて噛みつこうとしている絶体絶命のときに、助かる可能性のある行動とは。口の中に手を肩くらいまで突っ込んで舌を掴んでこねくり回すことだそうです。口の奥まで手を突っ込まれ舌を掴まれると、クマは口を閉じれず慌てて振り解いて逃げるそうで、そうやって助かった人もいたそうです。きゃーきゃー言って諦めて死ぬか、最後にこれをやって助かるか、運命の時ですねえ。わたし、たぶんギャアギャア言いながら手を突っ込むんでしょうね。頑張りましょう。
Posted by ブクログ
アイヌと和人、ハーフだった姉崎さんだからこそ知り得た世界。
独りで山に入り、クマを師匠とし、クマを獲った。
昔から猟師の話が大好き。特に北の山に入る猟師の中には、現実主義者で冷静、けれども自然への畏怖を併せ持つ人がいる。そういうエッセイやインタビューを読むのが好き。
このインタビューは2000年、今から25年前か。その時はまだアイヌの文化を色濃く受け継ぐ(女性の刺青やクマ送りの儀式)人たちがいたんだな。
瓶ビールやテレビがある空間で、クマ送りの儀式がされているのが、まだ遠くない過去として強烈なインパクトだった。
ヒグマも人が怖いから、ヒグマに出会ってしまった時は目を見て威嚇する、絶対逃げない。逃げるげらいなら腰を抜かせ、らしい。
クマはヘビが嫌い、というのも本当らしい。
あと、ペットボトルをベコベコやると、違和感のある音だからクマが避けてくれる、らしい。
ヒグマに出会うシチュエーションになる可能性は限りなく低いけど、いざという時のために覚えておこ。
Posted by ブクログ
2025年はクマが多く出没した年だった。その前に読んだのが、この本、アイヌの狩猟者がヒグマに対応するときの話。プロならではの胆力のいる対応。
予防するには、
・ペットボトルをペコペコ鳴らしながら歩く。
・木をたたきながら音を立てる。
出会ってしまったら、
・背中を見せて走って逃げない。
・大声を出す。
・腰を抜かしてもよいから動かない。
・にらめっこで根比べ
・子連れに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり
・ベルトをヘビのように揺らしたり、釣竿をヒューヒュー音を立てるようにしたり、柴を振り回す。
・柴を引きずって静かに離れる。
Posted by ブクログ
最近、熊のニュースが多いと感じていたので、熊についてもっと知りたいと思い読みました。率直にとても感動しました。
アイヌ民族最後の狩人姉崎さんは65年間に渡り、熊撃ちとして活動されて、まさに地を這うようにして山の地形や歩き方、熊の習性、生態、解剖を理解されていった方であり、文中何度も『クマの心がわからなければクマは獲れない』『クマが私のお師匠さんです』と話されていたのがとても印象的です。
熊は人間をよく観察していて、熊も人間を怖いと感じている。後半では、実際に熊と遭遇した時の対応も記述されており(組み伏せられたときの対処法はとにかく驚愕でしたが)いざという時のために慌てずに実践できるように知恵として大事に持っていたいと思いました。
“相手がわからないから怖い“というのは種族を越えても言えることなのだなと感じました。
熊のこともアイヌ文化についても、この本を読まなければ一生知り得なかったことばかりで、素晴らしい学びになりました。たくさんの方に読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
アイヌ文化を知りたくて、関連する本を複数手に取ったが、この本が最も求めていた内容だった。
まさに「こういうことが知りたかった!」という感じ。この本は2014年初版だが、今読むべき本であり、この本に出会う前の自分に声をかけられるならば、「早く読みなさい」と叱っているだろう。
人間本位の一方向の考え方を改めてくれる。
アイヌが大切にしている考え方「この世に無駄なものは一つもない」は、他の作品でも見たことがある。でもその言葉はどこか平面で、ただの「言葉」だった。姉崎さんの話によって、この言葉が血の通った生きた言葉になり、意味を帯びた。アイヌになぜその言葉が根付いているのか、その言葉のもつ本当の意味が、やっと腑に落ちた。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。