あらすじ
クマと遭遇したとき、人間は生き延びるために何をすればいいのか。死んだふり、木に登る、リュックを置いて逃げるといった、巷に流れる俗説は有効なのか? 「クマは師匠」と言うアイヌ民族最後の狩人が、アイヌの知恵と自身の経験から導き出した、超実践的クマ対処法を伝授。クマの本当の姿を知ることで、人間とクマの目指すべき共存の形が見えてくる。
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Posted by ブクログ
2025/8/17-9/6 クマ出没のニュースが連日流れるなか、興味があり手に取った。普段あまり読まないジャンルの本だったので読みごたえはあったが、とても面白かった。まず、リアルにゴールデンカムイの世界観であったので描写が想像しやすかった。姉崎さんのクマに対するある種の信頼が貫かれており、数々の足で稼いだエピソードから、クマは本来臆病で人目を避けて生きている動物であるというのも頷けた。ただ、実際自分が対峙したときに、目を反らさず、腹から声を出し、冷静に舐められないようにできるかと言われるとなかなか難しい。
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最近、熊のニュースが多いと感じていたので、熊についてもっと知りたいと思い読みました。率直にとても感動しました。
アイヌ民族最後の狩人姉崎さんは65年間に渡り、熊撃ちとして活動されて、まさに地を這うようにして山の地形や歩き方、熊の習性、生態、解剖を理解されていった方であり、文中何度も『クマの心がわからなければクマは獲れない』『クマが私のお師匠さんです』と話されていたのがとても印象的です。
熊は人間をよく観察していて、熊も人間を怖いと感じている。後半では、実際に熊と遭遇した時の対応も記述されており(組み伏せられたときの対処法はとにかく驚愕でしたが)いざという時のために慌てずに実践できるように知恵として大事に持っていたいと思いました。
“相手がわからないから怖い“というのは種族を越えても言えることなのだなと感じました。
熊のこともアイヌ文化についても、この本を読まなければ一生知り得なかったことばかりで、素晴らしい学びになりました。たくさんの方に読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
アイヌ文化を知りたくて、関連する本を複数手に取ったが、この本が最も求めていた内容だった。
まさに「こういうことが知りたかった!」という感じ。この本は2014年初版だが、今読むべき本であり、この本に出会う前の自分に声をかけられるならば、「早く読みなさい」と叱っているだろう。
人間本位の一方向の考え方を改めてくれる。
アイヌが大切にしている考え方「この世に無駄なものは一つもない」は、他の作品でも見たことがある。でもその言葉はどこか平面で、ただの「言葉」だった。姉崎さんの話によって、この言葉が血の通った生きた言葉になり、意味を帯びた。アイヌになぜその言葉が根付いているのか、その言葉のもつ本当の意味が、やっと腑に落ちた。
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もちろん、実際の対処法にも言及されているが、何より針葉樹ばかりを植林した林野庁の指導や、キャンプの後始末を持ち帰らずに現地に残したりする人間側の不手際が、今日のクマとの不適切な遭遇を招いているという指摘は、今後の野生生物との共存を考える上で、きわめて貴重な証言であると言えよう。
Posted by ブクログ
クマにあってここに書いてある通りにできる気がしなさすぎるけど、、泣
クマさんについてめちゃくちゃ詳しくなって、ただ怖いと思っていた気持ちは薄らいだ。
とても分かりやすくて読みやすく、説得力のあるエピソードばかりでした。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
なぜなら、この本でしか知れない・読めない話ばかりだったから。
この先、こんな内容の本とか、こんな話を聞ける別の機会はないと思う。
アイヌ民族最後の狩人。
時代の変化の中で、狩猟に取り組み続け経験を積んだからこそ掴んだ感覚、話せること。
これはこの先同じように経験できる人がいない。
学術的にではなく、実地経験に基づく話なのですが、あまりにその経験が豊富で説得力を感じられました。
クマにあったらどうするか…本で語られる対応策を試す時はきっと自分にはやってこないと思うけれど、読んでよかった。そう思えるほどに読む前抱いていたクマに対する考えや見方がクマに関わった人から見ると違うということがよくわかった。
また、人間の愚かさをクマの話からも伺えることができるなんて。
しみじみ世界に、地球に、クマに申し訳なく思う。
クマはルールを守るけれど、人間は守らない、っていうのがなんとなく腑に落ちてしまう。
山に行く人全てがルールを守らない人ではないけれど、実際に守らない不届きものはいるし、その一握りでもやってしまう人が存在するだけでバランスが崩れていく。
姉崎さんも片山さんも、今はこの世にいないことが悲しい。
今の世の中のクマの状況を見たらどう思うんだろう…。
人を襲う一部のクマのイメージだけが多くの人に印象に残る報道が多く、深く追求されずセンセーショナルな暴力性だけが取り沙汰されるため、多くの人が誤解していると思う。多くの人にこの本を手に取ってほしい。
本編も濃厚で読み応えがあったけれど、あとがきもとてもよかった。
姉崎さんの野生の感性の素晴らしさに感心。自分で考えて行動できるのは、命も生活もかかっているから神経を研ぎ澄まして選びとった自分の行動なのかな。
生命の危機もほぼない、都会の中でのうのうと小さな電子画面の情報に踊らされる人たちは本当に生活力も自分の頭で考える力も鈍くなっているかもしれない。
でもその人たちの多くは悪いことを能動的にするわけではないし、一部の倫理観が崩壊していて他人への迷惑を顧みず衝動的に取り返しのつかない行動をする人をどうするか…は、すべての分野で共通なのかなと思えてきた。
犯罪にしても移民問題にしても、クマとか自然の話でも。
きっと簡単な解決方法はなくて、心が折れないように協力できる人と手を取り合って耐えつつ頑張り続けるしかないんだろうな。。
ちょこちょこ、ゴールデンカムイで読んだやつだ!!!と思えるものがあり、野田先生もこの本読んだのかな〜?となんだか嬉しくなることがあった。
Posted by ブクログ
読み進めるにつれて、クマという生き物の存在がリアルに感じられるようになりました。
人間の、隣にいる存在。
山よりも、里で暮らすことの方がしっくりくる存在。
むやみやたらに人間を襲う存在ではないこと。
それどころか人の近くにいて、人の気配に気づくと、そっと立ち去る存在であること。
大きなクマの方が安心であること。
それは、大きくなるまで生きてこられた、その生き方が信頼できるものであるから、ということ。
私が住む地域にはクマは住んでいないけれど、いつかクマが暮らす地域に行くときは、クマのことに考えを巡らせてみよう、と思うようになった一冊でした。
Posted by ブクログ
クマ撃ちの愛犬の名前がリュウだったり、川に落ちた時は弾丸で火をつけたエピソードだったり、ゴールデンカムイを読んでいると「あ!この話見たぞ!」と思う箇所が盛りだくさんで楽しかった。
おそらく野田先生も読み込んでるんだろうなあ
クマによる恐ろしい事件を変に聞きかじっていたせいで脳に植えついてしまった「クマは恐ろしい化け物」というイメージが、本書を読んだ事によって矯正された感じがある。でもやっぱり会いたくは…ないかも…
クマとの共存には相互忌避、お互い興味のない隣人を目指す事が大事という事に、これから目指すべき姿勢を学べた。
インタビュー形式なのも知識欲が満たされて良い!面白かった!
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クマにあったらどうするか
姉崎等さん、アイヌ民族最後の狩人。日本人の父とアイヌ民族の母を持つ 。1923年生まれ、2013年没。
65年間狩猟生活を送る。以上が簡単な経歴ですが、このアイヌ民族最後のクマ撃ち猟師から貴重な経験談を聞き取りまとめたのがこの本です。
現在、各地でクマの被害が多く取り上げられていますが、この本を読むとこれはあくまでも人間から見た観点で、クマから観たら「人間による被害」と言いたくなる思います。
姉崎さんは「クマを師匠だと本気で思っています」と発言していますが、ヒグマをキムンカムイ(山の神)として敬ってきた民族だからこその気持ちでしょう。子どもの頃から生計を支えてきた姉崎さんですから、山で生活する上での様々な知恵をクマから授かりました。現代人から見たらサバイバル生活とでも表現するのかもしれませんが、アイヌ民族伝統の知恵とクマの行動から学んだ狩猟生活の様子はとても興味深いものでした。
クマに遭遇したらどうするか?の答えもクマの生態を知り尽くしている姉崎さんだからこその答えです。
人間も自然の一部の筈が大いにはみ出し、生態系を壊す存在になってしまい
自然の脅威に慄く羽目になっています。里山でひっそり生きていたクマが仕方なしにヒトに出逢う事態になり、“クマの被害”と騒がれることこそクマにとっていい迷惑でしょう。
「アイヌモシッタ ヤクサクペ シネプカイサム」(この世に無駄なものは一つもない」とはアイヌ民族伝統の考え方ですが、納得です。
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山登りをするので熊に会ったら、は、気にかけています。実際に熊に出会ったときできるか?は、自信が無いけど、なんかとても説得力ある説明でした。
最近、熊など野生動物による被害が報道されますが、熊の進化論にまで及ぶ洞察力に感服しました。
Posted by ブクログ
北海道の熊狩り名人が語る自身の生い立ちと、熊との長年に渡る付き合いの中、獲得した熊知識を詰め込んだ作品。
自分自身熊との遭遇は一度も経験したことがないが、遭遇したとき果たして冷静なまま対処できるのか、何かしらのヒントが欲しかった。
熊と遭遇したときの対処方は、熊の目をじっと見続け、その壮絶な睨み合いを制することで大抵解決するらしいが、人を1度でも殺めてしまった熊には効果はないとのこと。
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かわいい表紙に似合わず、語り手の姉崎さんは熟練の猟師のお爺さんだ。クマ狩りだけでなくアイヌの血統でアイヌの文化に詳しいことや生きた時代からもマンガ『ゴールデンカムイ』のアシリパのモデルになっているのではないかなと感じた。
クマの歩く音は季節によって違うこと。(夏のクマの音はサワ、サワ 青草が伸びきっている中をクマが歩く音。秋のクマの音はガサ、ガサ 落ち葉を踏む音?)
野ネズミいっぴきのためにヘリコプターから毒物を撒くと森が死ぬ。キツネ、タヌキなど肉食動物や虫や植物、水も変わってしまう。
『沈黙の春』と同じことを言っている。
山でたくさんの時間を過ごした姉崎さんも自然はそのものだけで存在しているのではなくて、周りのあらゆるものが影響しあって存在しているということをよく感じている。
相互忌避=相互の尊重ということ。
同じ空間によそよそしくすることこそお互いを邪魔しないということなのは目から鱗だった。
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ほぼ全編にわたってインタビュー形式という、珍しい本だった。
が、著者と、アイヌ最後の熊猟師姉崎さんとの、熊に対する真剣な思いがひしひしと伝わり、案外読みやすかった。
「自然との共存」などと、安っぽい言葉では括れない良本。
Posted by ブクログ
おもしろい!
猟師の話しなんてなかなか聞けない。
田舎暮らしでクマが近い存在なので手に取った1冊。
2年くらい積読だったけど、ニュースでクマの被害が騒がれている今読まなきゃ!ということで積読解消。
クマと会ったらの対処法知識は入ったけど、実際に目の前にした時にその行動ができるかはまた別だし、自信がない。
でもせっかく読んだんだから、なんとか活かしたい。
Posted by ブクログ
アイヌ民族最後のクマ撃ち 姉崎等氏の聴き語り本。
装丁の絵は可愛らしいが、内容はしっかりと本格派。
和人とアイヌの間に生まれた姉崎氏は、青年時代からひとりで山に入り、熊を師として経験を積んできた、アイヌ最後のクマ撃ち。
クマを撃つには、まずクマを知ること。
そして姉崎氏はクマの気持ちで物を考え、道を選び、狩人と対峙する。
そのノウハウがふんだんに盛り込まれている本書は、クマと出会う可能性のある人、クマの住むエリアに住む人、熊を狩るハンター、いずれの人にとっても必読の書。
本書の聞き書きが為されたのは2000年、それから25年が経過して熊を取り巻く環境や、熊の生態は変わっているかもしれない。いや、賢い熊は多分変わっている。
それでも本書は読む価値がある本だと思う。
姉崎氏が狩っていたのはヒグマ。
本州で出会う可能性があるツキノワグマと、習性が違うのかもしれないが、クマに会う可能性がある人は、読んでおいた方が良いと思う。
Posted by ブクログ
最近クマとのニュースが多いため、読んでみました。
読んでみるとクマはそこまで恐ろしい生物ではなく、クマも人をおびえながら生きてきた事がわかりました。
ただ近年人間が山の中にゴミを捨てたり、クマの餌にならない針葉樹を植林するなどして町に降りてきているとあり、人要因なのに熊が悪いみたいな流れもなんだかなと感じることができました。
Posted by ブクログ
積読本
最近、北海道ではヒグマがかなり出没しています
アイヌ民族最後の狩人 姉崎さんに
片山さんがインタビューする方式で本は進みます
アイヌでは羆はカムイ=神様として扱われていた
ただし人を食べたクマは悪い神
クマにあってしまったら
逃げない 目を逸さずに お腹から声を出す
ただし
人を食べてしまったり、襲ったクマは
人間を自分よりも弱いとわかっているので
殺すしかないそうです
元々クマの住む世界を人間が狭めてしまっている
ゴミを山に捨てたり
食べ物を与えたり
本来食べるドングリ、コクワが少なくなってしまったこと
だから里におりてきてしまう。
クマを怖がるだけじゃなく、共に境界線を上手に引いてお互い生きていけたらいいのにと思いました。
Posted by ブクログ
ハイキングが好きだけど、熊が怖いため、読んでみました
この道一本で生きてこられた方の言葉は信頼に足るし、重みがある
熊と人間が遠慮しながら共存するために、色々としなければならないことが山積みのようだ
Posted by ブクログ
クマと人間の関係についてその答えを出してくれる訳ではないが、ある種の知見を与えてくれる一冊。
クマ狩りだけでなく、アイヌ文化にも触れられるが、狭い地域でも風習の違いがあることを知る。
Posted by ブクログ
かわいい表紙から、クマの生態を様々なエピソードで紹介して、クマに出会っちゃった時の対処も知る、みたいなカルイ読み物を想像していた。
ところがどっこい。
書かれていたのは、60年を越える長い時間を、アイヌ民族の最後の狩人として過ごした、ひとりの男性の骨太な半生だった。
派手さはまるでない。
周りの大人から生きる術を学びながら、懸命に生活した少年時代。
クマを師匠に狩人としての技術を身につけ、淡々と自然と対峙してきた狩人としての生き方。
時代の流れの中で、狩人としての知識を社会へと還元した晩年。
ひとりの男性の中にただ静かに眠っていた膨大な知識は、彼に魅せられたインタビュアーの根気強い問いかけによって、少しずつ発見され、整理されていく。
クマにも、彼にも大きな興味があるわけではない私には、大きな高揚や感動はない。
先を先をと焦る気持ちもない。
それでも、彼らの親密なやりとりに聞き耳を立てるうちに、もっと聞きたくなってくる。
最後まで必ず読まなければ、と使命感めいた気持ちが湧いてくる。
今、読み終わって思う。
これが、人が生きてきた半生の凄みか。
その凄みこそが、わたしを最後のページまで連れてきた。
規制をよしんば作っても、
クマの方は守るかもしれないけど、
人間の方は守らないでしょう。
何気なく口に出したであろう、彼の言葉が、苦い。
Posted by ブクログ
地元で見つけた、究極の北海道本。新刊でもないのに何で平積み?と思ってたら、駅前にエゾシカ来るわ、町内でヒグマ出没!と街宣車は走るわで、読んで損しない内容。本州も同様なんでしょうね。
Posted by ブクログ
kumaにあったらどうするか?
「いいね」と「フォロー」お願いします(←冗談)
クマにあったらどうするか?
帯に「あなたがクマにあったらどうしますか?」と質問していて4択になっている。「本書を読む前にお答えください」と書いているので、とりあえず答えておいて本書を読み始めた。以下の四つである。
①死んだフリをする
②木に登る
③リュックを置いて逃げる
④腰を抜かす
私は引っ掛けだと思っているから、巷に言われている①は選ばない。③を選んだ。
で、本書後半に、答が一応わかるのですが、ちょっと驚愕です。
アイヌ民族最後のクマ撃ち猟師である姉崎等さんは、2013年に亡くなった。90歳だった。本書はアイヌ研究のスペシャリストで、映像ディレクターの片山龍峯さんという最高の聴き手を迎えて、約330ページに渡ってその経験と知恵を余すことなく記した本である。おそらく、ヒグマ撃ち猟師の中で、この本を読んでいない者はいないだろう。それだけ説得力と具体性に富んだ本だった。
また、姉崎さんは、近代的な武器(銃)や装備を使ってクマ追いをしているけれども、それでも原始の縄文人がどのように猟を行ったか、いろいろと想像出来る語りになっていた。ほとんど自然と一体になった、その行動のひとつひとつ、とっても参考になった。
昨今のクマの里山出没、人喰いクマの出現で、都会の人間は「クマって怖いなぁ」と思っているかもしれない。「クマが怖い」という言葉が怖い。と、姉崎さんは言っている。これを読んで私は、「少し環境が変わっただけなんだ、クマは昔から怖かったし、怖くなかったんだ、今もそうだ」と思った。
温暖化の影響、長い間の里山開発、等々の理由があるとは言え、昨今の熊の大量里山出没を、姉崎さんならばどう思うだろうか?どのように対処の提言を示すだろうか?ホントに「クマの気持ちがわかる」姉崎さんの意見を、是非とも聞きたい。
Posted by ブクログ
アイヌの猟師の方に聞き取りをするという形で書かれた本だった。
自分も登山をするのでクマへの対処という部分を特に集中して読んだ。この本によるとクマに対しては堂々としていたずらに怯えないで対処するのが良いという結論だった。
夏山の時期にまた読み返したい。
Posted by ブクログ
素晴らしい! インタビュー形式がほとんどで、少し苦手な文体が星5つでなく4つです。
本自体というよりアイヌ民族としての姉崎さんに対する深い尊敬の念を抱かされた。よくもこれだけクマのことを知り尽くすことができたことに驚かされる。
クマの住む真っ暗な闇の山の中に入ってキノコ狩りをするなどということは度胸となにか信念のようなものを持っていないとできることではない。そう言った様々な体験からクマのことを決して危険な生き物ではないと知る。クマは人間を恐れ、じっと人間を観察しながら距離をとって接触を避けているらしい。クマと長年接して山で生きてきた人のみ得られたクマと野生哲学だろう。
山登りをしていると常に野生動物の息吹みたいなものを感じる。クマが出てきたらどうしようということはずっと考えてもいる。そうした不安にこの本はかなりのヒントと対処を与えてくれた。
文中に紹介された星野道夫の「アラスカにクマがいなければ安心して山を歩き、野営し、自然を観察することができる。しかし、そうなるとアラスカは緊張感のないなんともつまらないところになるだろう」という文言が印象に残っている。
Posted by ブクログ
最近の熊ニュースを見て購入したものの、抽象的な情報が多くて役に立つとは思うものの個人的には科学的な根拠や実験などした上の情報を集めてみたいと思った
Posted by ブクログ
丸善ジュンク堂夏の文庫50冊より。
最近クマのニュースをよく見かけるし、「アイヌ最後の狩人」という言葉も気になり読んでみることに。
単行本が2002年、文庫化が2014年ということで情報は少し古いが、アイヌ文化やクマの狩りについては未知で面白い内容だった。
昔ながらの狩猟や獲ったクマをどうするか等、へぇー!と思うことばかり。
この姉崎さんという人が、とにかく経験から知を得ていった人で、どれも実体験に基づく言葉ばかりで臨場感があった。
クマは本来はそんなに怖い動物ではないということやクマの賢さについて分かりやすく書かれており、なるほどと感じる内容だった。
インタビュー形式なのは少し読みづらかった。
あと、同じことの繰り返しが多く、無駄に(ゴメンナサイ)長いと感じてしまい後半は斜め読み…。
もう少し系統的に、ボリュームもすっきりまとめてくれていたら読みやすかったかな。
Posted by ブクログ
携帯する食料は布袋に入れて枕にすることもある米を5升、ゆでた切り干し大根かわかめを刻んで味噌と一緒に油でいためたもの、塩。クマの自分がつけた足跡の上を全く同じように踏んで戻る止め足に気をつける。クマは里の動物キムンカムイで人間をじっとみて観察している。クマに出会ったら逃げてはいけない。棒立ちに立ちウオーと腹の底から声を出す。腰が抜けて座っても相手から目をそらさない。クマを避ける方法はペットボトルを押してペコッペコと鳴らす。アイヌモシッタ ヤクサクペ シネプカ イサム(この世に無駄なものは一つもない)