作品一覧

  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの
    4.3
    1巻1,705円 (税込)
    「日本人は無宗教だ」とする言説は明治初期から、しかもreligionの訳語としての「宗教」という言葉が定着する前から存在していた。「日本人は無宗教だから、大切な○○が欠けている」という“欠落説”が主だったのが、1960年代になると「日本人は実は無宗教ではない」「無宗教だと思っていたものは“日本教”のことだった」「自然と共生する独自の宗教伝統があるのだ」との説が拡大。言説分析の手法により、宗教をめぐる日本人のアイデンティティ意識の変遷を解明する、裏側から見た近現代宗教史。 【目次】はじめに 藤原聖子/第一章 無宗教だと文明化に影響?――幕末~明治期 木村悠之介/第二章 無宗教だと国力低下?――大正~昭和初期 坪井俊樹/第三章 無宗教だと残虐に?――終戦直後~1950年代 藤原聖子/第四章 実は無宗教ではない?――1960~70年代 木村悠之介/第五章 「無宗教じゃないなら何?」から「私、宗教には関係ありません」に――1980~90年代 和田理恵/第六章 「無宗教の方が平和」から「無宗教川柳」まで――2000~2020年 稲村めぐみ/おわりに 藤原聖子
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか
    3.8
    近年、危険とみなされる宗教に対して、「異端」にかわり、「過激」という表現がよく使われる。しかし、その内実は知られていない。本書は、イスラム、キリスト教、仏教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、神道などから、過激とされた宗教思想をとりあげ、わかりやすく解説。サイイド・クトゥブ、マルコムX、ジョン・ブラウン、井上日召、メイル・カハネらの思想を分析し、通底する「過激」の本質を明らかにする。
  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

    Posted by ブクログ

    この本の素晴らしい所は、いままでの無宗教研究をまとめ、
    また明治-現代まで無宗教がどう語られてきたのか、その資料をまとめている点です。

    1.いままでの無宗教研究まとめ
    阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』と礫川全次『日本人は本当に無宗教なのか』が
    冒頭文で紹介され、こうした先行研究を踏まえていることが伺えます。
    実際本文でも前掲書の理論の簡単に紹介した後、その論理を歴史上の事実から難しいと指摘、
    その上で、より現実的な論理として「無宗教だから悪い」という欠落説、
    「無宗教だから良い」という充足説、「無宗教は日本固有の宗教」という独自宗教説という
    3つの分類で無宗教に切り込んでいきます。

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    2023年06月05日
  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

    Posted by ブクログ

    この著者が本当に言いたい事は何か?
    それは、日本に西洋からなる宗教に対する概念を日本に適応させてしまっがために不適合を起こしてしまった。だから、宗教と無宗教の区分けをしている基準は何かそれを問い直し、日本独自の宗教に対する解釈を与えなければならない。これが、この著者が言いたいことである。
    多神教は、信仰はなく実践のみである。また、国教のものではなく、個人的なものである。だから、日本的宗教と言う概念を考えるならば、神道、仏教、などの日本古来の文化を大切にし、それを日本独自の宗教として価値あるものとすべきである。

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    2024年03月04日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

    Posted by ブクログ

    宗教において安易に混同してしまいそうな「過激主義」「過激派」「原理主義」「異端」をイスラム教のみならずキリスト教、日本神道、ヒンドゥー教や仏教等を事例に詳しく解説している。

    ―多くの人が「一理はある」と認めている思想を突き詰め、いさぎよく振り子を一方向に振り切ったもの、それが過激思想なのだ。(終章 宗教的過激思想とは何か【227㌻】)

    それを踏まえて言うならば、現代の日本社会には無宗教であるが故の過激思想が芽吹いている、否、既に蔓延し始めているとも言えるのか。

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    2024年01月17日
  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

    Posted by ブクログ

    一般的に日本人は無宗教であると考えられています。しかし、一方で初詣には神社に行き、大晦日には除夜の鐘を聞き、キリストの生誕祭であるクリスマスを祝う日本は多様な宗教の国であるようにも思われます。
    実は、こうした「日本人は宗教がない」という言説は幕末に来日した外国人以降、長らく多くの言論人によって語られ続けてきました。
    本書ではこうした日本人は無宗教であるという言説を中心に、近現代の日本人がどのように宗教と向き合ってきたのかを考察しています。

    【こんな人におすすめ】
    日本人の宗教観の歴史に興味がある

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    2023年11月22日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

    Posted by ブクログ

    世間で「過激思想」と呼ばれているものの「正体」をつかまえようという本。イスラム過激派だけでなく(ここで最初にイスラムが出てくるのが既に偏見だが)、世界宗教のキリスト教、仏教、民族宗教からはヒンドゥー、ユダヤ、神道を取り上げ、「過激思想」と呼ばれるものの共通の特徴を探る。また「異端」や「悪魔崇拝(サタニズム)」にも触れる。

    まず、イスラムとキリスト教の対比で、イスラムの過激思想は、抑圧されるものによる反体制運動で、政治的には左、宗教的には保守回帰のため右に位置する。それに対してキリスト教過激思想としてよく名指しされる「プロテスタント保守派(福音派)」は、政治的にも宗教的にも右に位置する。人工妊

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    2023年04月01日

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