藤原聖子のレビュー一覧

  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

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    この本の素晴らしい所は、いままでの無宗教研究をまとめ、
    また明治-現代まで無宗教がどう語られてきたのか、その資料をまとめている点です。

    1.いままでの無宗教研究まとめ
    阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』と礫川全次『日本人は本当に無宗教なのか』が
    冒頭文で紹介され、こうした先行研究を踏まえていることが伺えます。
    実際本文でも前掲書の理論の簡単に紹介した後、その論理を歴史上の事実から難しいと指摘、
    その上で、より現実的な論理として「無宗教だから悪い」という欠落説、
    「無宗教だから良い」という充足説、「無宗教は日本固有の宗教」という独自宗教説という
    3つの分類で無宗教に切り込んでいきます。

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    2023年06月05日
  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

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    この著者が本当に言いたい事は何か?
    それは、日本に西洋からなる宗教に対する概念を日本に適応させてしまっがために不適合を起こしてしまった。だから、宗教と無宗教の区分けをしている基準は何かそれを問い直し、日本独自の宗教に対する解釈を与えなければならない。これが、この著者が言いたいことである。
    多神教は、信仰はなく実践のみである。また、国教のものではなく、個人的なものである。だから、日本的宗教と言う概念を考えるならば、神道、仏教、などの日本古来の文化を大切にし、それを日本独自の宗教として価値あるものとすべきである。

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    2024年03月04日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    宗教において安易に混同してしまいそうな「過激主義」「過激派」「原理主義」「異端」をイスラム教のみならずキリスト教、日本神道、ヒンドゥー教や仏教等を事例に詳しく解説している。

    ―多くの人が「一理はある」と認めている思想を突き詰め、いさぎよく振り子を一方向に振り切ったもの、それが過激思想なのだ。(終章 宗教的過激思想とは何か【227㌻】)

    それを踏まえて言うならば、現代の日本社会には無宗教であるが故の過激思想が芽吹いている、否、既に蔓延し始めているとも言えるのか。

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    2024年01月17日
  • 日本人無宗教説 ──その歴史から見えるもの

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    一般的に日本人は無宗教であると考えられています。しかし、一方で初詣には神社に行き、大晦日には除夜の鐘を聞き、キリストの生誕祭であるクリスマスを祝う日本は多様な宗教の国であるようにも思われます。
    実は、こうした「日本人は宗教がない」という言説は幕末に来日した外国人以降、長らく多くの言論人によって語られ続けてきました。
    本書ではこうした日本人は無宗教であるという言説を中心に、近現代の日本人がどのように宗教と向き合ってきたのかを考察しています。

    【こんな人におすすめ】
    日本人の宗教観の歴史に興味がある

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    2023年11月22日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    世間で「過激思想」と呼ばれているものの「正体」をつかまえようという本。イスラム過激派だけでなく(ここで最初にイスラムが出てくるのが既に偏見だが)、世界宗教のキリスト教、仏教、民族宗教からはヒンドゥー、ユダヤ、神道を取り上げ、「過激思想」と呼ばれるものの共通の特徴を探る。また「異端」や「悪魔崇拝(サタニズム)」にも触れる。

    まず、イスラムとキリスト教の対比で、イスラムの過激思想は、抑圧されるものによる反体制運動で、政治的には左、宗教的には保守回帰のため右に位置する。それに対してキリスト教過激思想としてよく名指しされる「プロテスタント保守派(福音派)」は、政治的にも宗教的にも右に位置する。人工妊

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    2023年04月01日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    近年、イスラム教過激派やアメリカの福音派など様々な宗教的過激思想がニュースを賑わせている。ニュースで断片的に触れているだけでは「理解の及ばない変な人たち」と片付けられがちな過激思想・派について、体系的に整理している。本書では各宗教の過激派とされる代表的な人物をピックアップし、1人1人概観する。最後にそれらの思想の共通点を抜き出し、過激思想とは何なのかについて迫る。この本を読めばニュースに出てくる過激派とされる人々を「理解できない」と突き離さず、その社会的な背景についてしっかりと理解して冷静に見ることができる。臭い物に蓋をする思考では問題は解決しない。過激思想が広がる今日、その問題への解決への第

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    2021年09月25日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    宗教とはそもそも何なのか、の話ではないので宗教ありきの世界観がまずわからないこともあり、理解し難いというか受け入れ難いものはあったのだか読み進むと無神論にも言及、遂には悪魔崇拝メタルバンドまで!恐れ入りました。

    過激思想の一面として急進的であるというのは納得。
    ゆっくり歩んでいきたい。

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    2021年09月18日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    結論を先に言うと面白い新書でした。

    タリバンがアフガニスタン全土を制圧し、イスラム教を巡る「過激思想」という言葉がメディアで見られるようになってきました。ただ、どのメディアもその内実については触れていません。「過激思想」をおさらいするにはいいタイミングと思い、本書を購入しました。
    「はじめに」の中で「本書の目的は(中略)宗教に関して使われる『過激』という語の内実や『過激思想』の特徴を解明する」ことであるとし、「実際に起きたテロ事件などの行為の分析ではなく、思想の解読」が本書の中心になっています。

    本書はイスラム教、キリスト教、仏教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、神道などから、過激とされた宗教思想

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    2021年08月23日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    ネタバレ

    過激思想に行きつくまでは結構いろいろ。必ずしもパターナリズムというわけでもないのがちょっと意外だった。

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    2021年08月15日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    朝日新聞2021710掲載
    日経新聞2021710掲載 評者: 柄谷行人(哲学者)
    東洋経済2021724掲載
    中央公論「目利き49人が選ぶ2021年に私のオススメ選書」20224掲載 評者:東畑開人(臨床心理士,十文字学園女子大学人間生活学部准教授)

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    2022年07月20日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    内容はとても面白かった。知らない宗教者の話も知れて、勉強にもなる。
    ただ内容に対し、おおむね満足する一方で、もっと多い文量で出版されるべき本だと思った。筆者はある程度の基準で取り上げる人物を選定しているようだが、個人的な思い浮かぶ人物が登場しなかったりと、その点で不完全燃焼な面もある。

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    2022年11月21日
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか

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    テーマとしては面白かったが、文章が固く読むのに難儀した。悪魔崇拝の件だけで一冊まとめてもらえないだろうか。全く目からウロコの話であり、興味深い。

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    2021年11月03日