「ウクライナ侵攻」というものが、欧州世界に如何なるものを与えたか、さらには日本にどのような影響をもたらしたのかというのを学ばせられる一冊。
ロシアのいう、「NATO東方拡大」というものが如何なるものであるのか、またどういった文脈で進んだのかということを正しく学ぶことができる。加えて、この戦争の最中
...続きを読むから起こった新たなるNATO拡大、すなわちフィンランド、スウェーデンの加盟。フィンランドとスウェーデンが持っていた「中立」の意味と、加盟後の意義について学ぶことができる。
欧州北部にまでNATOが広がるという意味の大きさは計り知れないものである。また、何故フィンランド、スウェーデンはここまで素早いNATO加盟が起こったのか、逆にウクライナは加盟申請をしてもなぜ時間がかかるのかという問題についても学べる。
また、戦争報道及び、そこでの言葉の選択の重要性も記述されている。日本政府やG7が言葉を選択して、用いていることを学ぶことができる。
また、岸田首相のキーウ訪問時の「必勝しゃもじ」が話題になり、日本の一部の人々からは批判があった。ではウクライナにとっての勝利、及び和平とはどういった条件なのかというものを「中立化」と「安全の保証」という文脈で考えさせられる。
ウクライナ侵攻を政治の側面から見た際にどういった影響があるのかを考えるには重要な一冊であると感じた。