自由か、さもなくば幸福か? ──二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う

自由か、さもなくば幸福か? ──二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う

1,430円 (税込)

7pt

4.3

日本でも犯罪不安が高まり、監視が強化されている。幸福な人生への私たちの欲望が、こうした社会を生み出した。しかしそこでは、言われなき差別が助長されかねない。ならば、どのような社会が望ましいのか? この問いに応えるべく、本書はまず「個人」の自律性が夢見られた一九世紀システムにまで遡り、それが機能不全を起こし、個人の能力不足を社会システムが補うようになった二〇世紀の苦闘と幻滅を描き出す。「自由」と「幸福」という両立し難い価値のうち、私たちは、どちらをどのような理由で優先させるべきなのか。二一世紀の〈あり得べき社会〉を、正義という観点から構想した社会哲学の書である。

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自由か、さもなくば幸福か? ──二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2015年01月02日

    自立した自由な個人を至上とした19世紀の夢は,20世紀に崩壊。いま個人の自由は幸福追及権に屈服し監視社会をもたらしつつある。その不可避性を見通し良く示してくれる好著。
    事後救済という本質的な限界を抱えた法の支配は,ますます低コストになる監視技術・物理的抑止策による事前規制へと道を譲りつつある。それは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月07日

    論点の展開がよく考えられている良書だと思います。タイトルで自由の反対に幸福を置くのは違うのでは?と感じていたのですが、なるほどと思わせる展開でした。

    自由は基本的な権利で不可侵であることと、社会性生物として功利主義は正しいがその最大化には「国」が「国民」をつぶさに知らなくてはいけない、というどちら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月17日

    一人ひとりが自由であることが幸福と結びつくというフィクションを信じられていた19世紀。でも、実態としては、このフィクションを実現できる人は限られていて、その他大勢は、このフィクションから排除されていた。さらに、その多くの人は、自由であることを重荷とさえ感じていた(自由からの逃走)。

    個人の自由が政...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2015年04月03日

     私たち個人はより幸福になるために生きてるけど、私たちの文明は幸福というよりかは自由を拡大しようとしてない?ミクロとマクロでずれてない?なんて疑問が頭の中を漂っていたのでドンピシャな題の本書を読んでみました。
     一方、頭の中の別の所で「それは自己責任だから 〜」なんてことを安易に言ってるのを見たり聞...続きを読む

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