大屋雄裕の作品一覧
「大屋雄裕」の「自由か、さもなくば幸福か? ──二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う」「法哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大屋雄裕」の「自由か、さもなくば幸福か? ──二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う」「法哲学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
【全体的にわかりやすいです。CP最高】
多様な学説を多く提示して多角的に考えられるように配慮されています。気になった論者については次の本、というようにスムーズに進めそうです。
「法となにか」と「法とは何であるべきか」という区別でまとめられているので、論点が理解し易い。
前半は、論点整理が秀逸で、これ以上ないくらいの要約ではないでしょうか。欲を言えば、正義の章をもう少し多角的にしてほしかったですね。
後半は、自然法論と実証主義の対比が秀逸です。そこからその後の展開を関連付けるので、全体像が把握し易いのは助かります。ただ、遵法義務と批判理論については紙面が足りていない印象を受けたので、別の本に進み
Posted by ブクログ
自立した自由な個人を至上とした19世紀の夢は,20世紀に崩壊。いま個人の自由は幸福追及権に屈服し監視社会をもたらしつつある。その不可避性を見通し良く示してくれる好著。
事後救済という本質的な限界を抱えた法の支配は,ますます低コストになる監視技術・物理的抑止策による事前規制へと道を譲りつつある。それは必然的に自由を束縛し,個人の自律性を侵すものであるのだが,多くの人が安全安心を求める以上,もはやいかんともしがたい流れとなっている。この行きつく先はディストピアなのだろうか。別段そうでもないと感じるのは,著者の筆致に影響を受けすぎたためだろうか。
Posted by ブクログ
論点の展開がよく考えられている良書だと思います。タイトルで自由の反対に幸福を置くのは違うのでは?と感じていたのですが、なるほどと思わせる展開でした。
自由は基本的な権利で不可侵であることと、社会性生物として功利主義は正しいがその最大化には「国」が「国民」をつぶさに知らなくてはいけない、というどちらも正しいがゆえに両立はしないことを、人が社会の中で重きを置いてきた権利の変遷で説明されているので、極論ではなく自然な議論なのだと納得することができました。
なので、この辺りの社会の在り方は、民主主義も含めて、答えというものはなく、時代の要請によって移り行くものなのだと考えることができました。(つま