作品一覧

  • ベオグラード日誌 増補版

    ベオグラード日誌 増補版

    小説・文芸

    3.0
    1巻1,034円 (税込)
    戦争の傷、読書の歓び、セルビアでの暮らし。日記文学の傑作、待望の増補文庫化。 セルビア語と日本語の詩を読み書く毎日、街角で語られるNATO空爆の悲惨な記憶、難民のこどもたちとの触れ合い、各地の戦争や東日本大震災へ寄せられる人びとの言葉、友人たちとの親密な時間、そして別れ……セルビアの首都ベオグラードで詩人が記した、歓びと哀しみの日々のかけら。読売文学賞受賞の日記文学の傑作に新たに最近6年間をまとめた日誌を増補。解説 小林エリカ
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    小説・文芸

    4.3
    1巻858円 (税込)
    「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。最後には数もわからなくなる……」。旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、家、街、友人、仕事…人々はあらゆるものを失っていく。そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、戦火のなかの暮らし、文学、希望を描くエッセイ集。
  • 死者の百科事典

    死者の百科事典

    小説・文芸

    3.0
    1巻1,119円 (税込)
    旅先で訪れた図書館で、世界中の無名の死者の生涯だけを記録した書物に出会い、父親の項を読みふけるという表題作をはじめ、音楽的手法、絵画的手法、映画的手法と、自在に変化するスタイルで描かれた死と愛をテーマとする、幻想的で美しい、しかも皮肉な味わいをもそなえた九つの物語。アンドリッチ賞受賞作。【収録作】「魔術師シモン」/「死後の栄誉」/「死者の百科事典」/「眠れる者たちの伝説」/「未知を映す鏡」/「師匠と弟子の話」/「祖国のために死ぬことは名誉」/「王と愚者の書」/「赤いレーニン切手」/「ポスト・スクリプトゥム」/訳者あとがき=山崎佳代子/解説=松山巖

ユーザーレビュー

  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    Posted by ブクログ

    最初に載っている詩「階段、ふたりの天使」でいっきに引きこまれる。戦争の悲しさをこんなふうに表現するのは、すぐれた詩人にしかできないのだろうと思う。

    国と国の戦争といっても、そこに暮らす大多数の人は戦争を望んでいない。具体的な誰かをこらしめたくて攻撃しても、実際に傷ついているのは名もない知らない誰か。

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    2023年04月24日
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    Posted by ブクログ

    ユーゴスラヴィアが解体し悲惨な内戦に突入する時代に、ベオグラードで生きた日本人の詩人の綴った言葉。世界から悪者にされたセルビアの中でどういった人たちが生きていたのか、制裁が、空爆が何をもたらしていたのかが描かれる。それとともに、そのような極限の状況の中で、言葉が何をつたえられるのか、ということにも著者は意識的にならざるを得なかったのだと思う。「言葉」の力を信じる信念にあふれていると思った。

    0
    2024年06月06日
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    Posted by ブクログ

    『何のために、私たちは異国の言葉を勉強しているのだろうか。』

    セルビア在住の詩人で翻訳家の山崎佳代子さんが、1990年代のユーゴスラビア内戦と、NATOによる空爆について、ご自身の体験を書いた本である。

    山崎佳代子さんはその著書の中で、「言葉が戦争を作り、人を殺す」ということを訴え続けているが、これはユーゴスラビア内戦の民族間の対立を、西側メディアがセルビアだけを悪者にして報じ、経済制裁と空爆で国家を追い込んだことを指している。

    冒頭の言葉は本書からの引用であるが、セルビアという国に惹かれ、留学・移住し、日本語・セルビア語両方で詩作を重ねてこられた上でのその言葉はとても重い。
    言葉を知るということは、同時にその国の文化や歴史、思想を知ることであり、同じ言葉を知る者同士で会話できるということである。
    その素晴らしさを伝えてくれる短く力強い一節に圧倒された。

    巻末には、文庫版出版に当たって2022年5月に書かれたメッセージがある。
    ご自身の体験を踏まえた上で、現在の世界情勢について言及されている。
    一人でも多くの人に今読まれることを願ってやまない本です。

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    2025年04月20日
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉

    Posted by ブクログ

     1990年代、ユーゴスラビア内戦、それがあったことはニュース等で知っていた。民族間の対立により血が流され多くの人の命が失われたことや、その結果として構成国が次々に独立し旧ユーゴ連邦が解体してしまったことなど。

     一人ひとりのかけがえのない命が失われること、それまで隣人として共存していたのが突然◯◯人として敵扱いされ、家も仕事も失い“難民“となることの悲惨。そうした戦争によって人の人生がいかに変わってしまうのか、そしてそんな中、人はどうやって生きていけば良いのか、などについて、本書は実に沢山のことを教えてくれる。決して声高にではなく、人と人とを繋ぐ言葉を丁寧に紡ぐことによって。

     著者は大学卒業後、1979年ユーゴに留学し、その後ユーゴの大学で日本学科の教師をすらなどして滞在、91年のクロアチア内戦から始まるユーゴ内戦下、難民支援活動にも従事するなどし、99年のNATOによる空爆が始まってからもベオグラードに留まり続けた。
     その間に著者が出会った人たち、難民の人々、同僚、著者と同じユーゴの詩人、あるいは同じアパートに住む隣人たちと話したこと、感じたこと、出会いと別れが綴られる。

     当時のニュース等で知る限りでは、セルビアが完全に悪者になっていて、だからこそ経済制裁や空爆まで行われたのだなと思っていた。しかし、経済制裁により現実に困るのは市井の人々や治療を受けられなくなる病人であり、空襲は軍事関連施設をピンポイントで狙うとはいえ、普通の生活者だれもが等しく命を奪われる恐れがある。

     しかし、そのような厳しい現実であっても、人は生きていかなければならない。著者も決して悲観ばかりを語ることはない。たくさんの印象的な言葉や文章。

     「乱暴に踏みにじられ刈り取られ、火を放たれ毒薬を撒かれても、いつかまた種を落として根を張り、目立たない花を咲かせて実を結ぶ。」(115ページ)
     「大きな声、激しい音には、新しい命を生む力はない。…小さな声、かすかな音にこそ、力は潜んでいる」(174ページ)
     空爆のため亡くなってしまった隣人の二人の子どもたちを悼んで作られた「階段、二人の天使」の一節。(3ページ、179ページ)

     とりあえずユーゴ内戦は終わったが、世界では今も戦火が続いている。戦火の中で暮らす人々に思いを馳せ、何かできることを考えるために、重みの詰まった一冊。



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    2023年03月06日
  • ベオグラード日誌 増補版

    Posted by ブクログ

    いったいどれだけの時間がかかったのだろう。半年?1年?買って、読み始めてからずいぶん経ってしまった。日記にはまったのだ。書く方ではなく読む方。きっかけは『漱石日記』だが、面白いのだが、まだ読み終えていない。あとから読み始めたこちらを読んでしまった。詩人のことばって、なんでこんなに美しいのかしら。戦争のこと、ひとの死のこと、悲しいこと、楽しいこと、たくさん書かれている。セルビア語にも興味がでたが、将来のたのしみにとっておこう。

    0
    2026年04月07日

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