山崎佳代子の作品一覧
「山崎佳代子」の「死者の百科事典」「そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山崎佳代子」の「死者の百科事典」「そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『何のために、私たちは異国の言葉を勉強しているのだろうか。』
セルビア在住の詩人で翻訳家の山崎佳代子さんが、1990年代のユーゴスラビア内戦と、NATOによる空爆について、ご自身の体験を書いた本である。
山崎佳代子さんはその著書の中で、「言葉が戦争を作り、人を殺す」ということを訴え続けているが、これはユーゴスラビア内戦の民族間の対立を、西側メディアがセルビアだけを悪者にして報じ、経済制裁と空爆で国家を追い込んだことを指している。
冒頭の言葉は本書からの引用であるが、セルビアという国に惹かれ、留学・移住し、日本語・セルビア語両方で詩作を重ねてこられた上でのその言葉はとても重い。
言葉を知る
Posted by ブクログ
1990年代、ユーゴスラビア内戦、それがあったことはニュース等で知っていた。民族間の対立により血が流され多くの人の命が失われたことや、その結果として構成国が次々に独立し旧ユーゴ連邦が解体してしまったことなど。
一人ひとりのかけがえのない命が失われること、それまで隣人として共存していたのが突然◯◯人として敵扱いされ、家も仕事も失い“難民“となることの悲惨。そうした戦争によって人の人生がいかに変わってしまうのか、そしてそんな中、人はどうやって生きていけば良いのか、などについて、本書は実に沢山のことを教えてくれる。決して声高にではなく、人と人とを繋ぐ言葉を丁寧に紡ぐことによって。
著者は大
Posted by ブクログ
内戦、NATOによる空爆の傷跡がなお残るベオグラードにおける日々を綴った日誌。
苦しい難民生活を送る子どもたちなどとのふれあい、親しい人たちとの温かなつながりがあれば、哀しい別れもある、年月が経ち、妹や恩師、親しく交わった同僚や詩人仲間、仕事関係者、さらには近隣の人たちとの永別。人の命を奪う悲しい事件も後を絶たない。
そんな中でも、素晴らしいセルビアの詩が著者を慰め、また力づけてくれる。著者自身も、自ら詩を書いていく、日本語で、セルビア語で。
著者はいくつかの場所や建造物を訪れ、歴史を思い、そこに込められた人々の思いを追体験する。それを記す著者の文章は美しい。