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Posted by ブクログ
包茎などを処置する「割礼」と呼ばれる儀式やしきたりは、世界中の民族・部族にあり、また男性に限らず女性も心身共に被害を受けている例も紹介されます。日本の包茎にまつわる200年の歴史的変遷を膨大な歴史的資料を元に解明していきます。日本人の半数が病的でない仮性包茎であるにもかかわらず、包茎を病気とし、女性を男性性器で性的に支配する構図、包茎男性に劣等感を持たせ男性をも支配する構図を明らかにします。また、明治期より最近まで商業利用として、雑誌や新聞記事にまことしやかな記事・宣伝を連載し続けたマスコミの責任も取り上げます。男性クリニックを経営する高須克弥氏や芸能人、マスコミ関係者などの無責任な発言も丹念に、そして経年的に分析します。男性雑誌に掲載された商業的包茎治療を促す記事も、最近は国民的理解が深まったのかED関係の宣伝に変更されていることにも注意が必要です。私自身も誤った認識をもっていた事を内省し、ジェンダー平等を別の視点から観た日本の包茎。多くみなさんに知って欲しい知識です。
Posted by ブクログ
医学書は別にして、日本の「包茎」についてはここまで詳細に研究した本が今まであっただろうか。本書カバーには「本邦初の書」とあるので、おそらくなかったのであろう。
医学書はもとより、一般書や新聞、雑誌の記事や広告まで、包茎にまつわる内容を近代から現代まで丹念に調べ、いかに日本において包茎が恥とされ、それを基にしたビジネスが作られていったかを克明に描き出している力作。
しかも著者は女性である点もユニークだが、本書を読んだ後では、男性にしっかり植え付けらえた包茎コンプレックスを鑑みると、男はわざわざコンプレックスの対象である包茎を研究対象として近づこうとはしなかったのかも、と考えられ、とすれば、本書のような研究は女性でないとなしえなかったのかも、と思うに至った。
私が感じた本書の結論としては、数の上から多数派である包茎は恥でもなんでもなく、よってそのほとんどは手術は不要、よってそのコンプレックスあおるような、記事や広告は全く無視して良い、である。
今現在の若者にそのようなコンプレックスがあるのかどうかわからないが、少なくともそのようなコンプレックスを抱かせ、包茎ビジネスの餌食にならないようにするためにも、本書のダイジェスト版を冊子にして、中高生の性教育の一部として使用したらよいのでは、とも思った。
そういえば、最近TVCMでタートルネックのセーター着た人のCM見なくなったな~。
Posted by ブクログ
日本人男性における包茎コンプレックスの歴史的経緯について論じた本。戦前から広く浸透していた包茎コンプレックスが、80年代以降の美容整形医によるコンプレックス商法とそれに加担したメディアによってより強固なものとされていった。という流れに新規性は感じられないが、皆がだいたいそういうもんだろうと思っていたことを、きちんと逐一資料にあたり検証し明らかにした功績は大きい。
個人的には明治から戦前にかけての近代化から軍国主義へと向かう中での包茎に対する認識の変遷についてもう少し深堀りして欲しかったところだが、多分、それは木本至が「オナニーと日本人」の中で論じていたことに繋がるような、また別の話になりそうで、この本にそこまで求めるのはお門違いなのかもしれない。
Posted by ブクログ
包茎治療の歴史は200年前の江戸時代後期から現代(2025)に至るまでの歴史がある。だが、当初は包茎治療は極一部であり、ここ1950年代以降の近代化が進み、美容医療、メディア等のマーケティングで男性に「包茎は恥」という印象と概念を植え付けさせ、本来は「治療不要な包茎」を、美容医療の包茎ビジネスとして成功させている。
さて、現代(2025)において劣等感や包茎を恥または悪だと抱く男性は20代以上の全て世代に当てはまる。包茎は日本人男性のほとんどであり本来は恥でも病気でも治療も必要もない。身体を洗うのと同じで性器も清潔にすればいいだけの話なのだ。男性間で見られるのも性器の形や大きさも合わせて比較されからかう文化もあるが、それも違い形も大きさも個性であり病気でない限り手術の必要はないということを認識する必要がある。他、もし悩みがあるのであれば美容医療ではなく泌尿器科に行くことを勧める。本来はそれが正しい。美容医療は自由診療ビジネスなので基本的に美容治療を勧める。泌尿器科は医学的にその性器が病気か否かだけを判断する。治療不要と言われるのがほとんどであろう。
現代では包茎は恥という認識は減少傾向にある。「治療しなくても良い」「気にしない」とする声や、そもそも大多数が仮性包茎であるという事実を踏まえ、「気にしなくて良い」「標準的な状態である」とする医学的見解も広まりつつある。だが、依然としてビジネスとしての美容医療ビジネスは優位にあり、本来、劣等感を抱く必要のないことに時間と意識を持っていかれている。
本著は学校の性教育でも取り入れるべき内容である。10代、思春期において身体の変化を多感に感じやすい時期にとって重要な情報となるだろう。そして、家庭内での性教育においても両親が包茎や性器の扱い、性教育という話す場を設けるのもいいだろう。これからもどのような形であれ、劣等感ビジネスは続き不要な治療、不要な高額な治療費、不要な悩みを正しく理解し、本著においては包茎という悩みという本質的な意味と向き合うには大変教養もあり自分の子どもへも活かせる良書といえるだろう。
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