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非モテの苦しみ、マウント合戦、マチズモ、男同士のケアの不在……。どうして男はそうなんだろう? 6人のゲストと語り合って見えてきた、男の今とこれから。
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Posted by ブクログ
一部の男性学には懐疑的な立場なので、最初の方はモヤモヤしながら読んでいたのだけど4章からの切れ味抜群のコメントの数々に感動してしまった。男女の関係だけで起こる問題ではなく、年下の人と関わることが多い自分にはきちんと胸に刻んでおかなくてはと思う考え方が多かった。高校生の息子にも読んでもらいたい本。
男性の特権について対談形式で分析した良書。清田さんがよくいる男性の思いを披露し、澁谷さんやゲストの男性がツッコミを入れるのが面白い。読書案内に書かれている本も読んでみたい。
SNSで話題になっていて、編集者の澁谷知美さんの「日本の包茎-男たちの200年史(筑摩書房)」や清田隆之さんの「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話しから見えた生きづらさと男らしさのこと(扶桑社)」を読んでいたこともあり、共感することも多いだろうと思い、発売前に注文して読み込んだ。 編者の澁...続きを読む谷知美さんは、「はじめに」のなかで「ぜひ、会議に参加する気持ちで読んで下さい。賛成するところも反発するところもあるかもしれません。が、誰かが苦しんでいる社会よりも、誰もが自由で平等な社会がいいですよね。」と提起され、本書を読みつつも、自分も会議に参加している気持ちになって、考え、学び、そしてなにより自分のこれまでの思考、言動や行動を反省する機会にもなった。 「非モて」の苦しみ、マウンティング合戦、男のカラダ、男性優位社会など、編者2人が6人のゲストと語り合って見えてきた、男たちの「現在」と「これから」を多面的に語り合い、参考文献を紹介しつつ検証していきます。「男バキバキ脳からの脱却」の章で、「男性の中には『女性を征服した』感をセックスに求める人もいるわけですよね。」の指摘では、アダルト漫画やAVなど女性を支配する構図は、旧来から通底する男性優位社会の一端を言い当てた表現にドキッとした。「男性性と暴力」の章の「息子にスポーツを強要する父親たち」では、私自身が子どものスポーツに長年携わってきた経験からも、「親のエゴの押しつけ」や「勝利至上主義」など、私も含めたパートナーと子供たちの過去のスポーツへのかかわりを振り返る機会となった。マチズモ(男性優位社会)を見つめ直し、あらためてジェンダー平等を考える1冊として、是非多くの人に手に取って、お読み頂きたい。 なお、私が購読している雑誌に「明日の自由を守る若手弁護士の会共同代表の黒澤いつきさん」が以下の様な記述をされている。「トップ幹部が維持すべき人権感覚」と題して、(トップ幹部を含む管理者は)絶えず自分の権力性を意識しセルフチェックを怠らない」「『人権が尊重され一切のハラスメントがない職場』づくりは、(管理者を含む)トップ幹部にそうした深慮と高い人権感覚があってこそ可能です」とまとめている点は、本書を別の視点から共有する大切な指摘ではないか。
大変に刺激を受けた。それは反省を促す刺激だ。 対談者それぞれの著書を読みたい。 男にまずは出来ることは本書のような本を読むことだ。葛藤と反省が生まれるからだ。 特に良かったのは、武田砂鉄さん、平山亮さん。
澁谷知美、清田隆之ご両名と西井開、中村正、平山亮、前川直哉、武田砂鉄それぞれとの対話形式。こういう系統の本を読むの好きだし、ほぼほぼうなずきながら読めるんだけど、一方ではここまで男ってミソクソに言われないといけないのとも思う。 だいたいこういう本を真に受けて品行方正におさまる人はますます品行方正を深...続きを読むめてしまう反面、非難に値するしょうもない男たちはまったくこんな本省みずのうのうと生きることだろう。そういうのってちょっと悔しいな。書いてあることは正論なんだけど、そういうことが通じないんだよね。世代が違って「いまどきの若者は何を考えてるのかわからない」って言うのと同じような感じか。 登場する人々がみんな男性というのはなかなかいい。やはり男性のことは男性自身が考えを巡らしたほうがいい、たとえ一部の男性に過ぎないとしても。そして、大人男性としての自分たちのことだけでなく、同性の子どもたちのことも考えたり向き合ったりしたほうがいい。
平山さんの章が圧巻。 「男性性」と名前がつけられることで、あたかも男性は変わらないかのように語られることの問題。男性性と言うことである種仕方ないのかもと思っていた社会の構造を根底からひっくり返された。 男性優位な社会の問題は、男性が好きに振る舞うことのできる権力を持っていることが問題であり、その権力...続きを読むを使わないように振る舞いましょうと言う話。 権力がある側が常識を決め、物事を決めるわけだけど、一方的に決めるのではなく、積極的に周囲と対話していかなければならないと感じる。
この本を読もうと思いそうな男の人が周りに見当たらない。笑 自分は女だから、そうなのか〜とよく分からない部分もあったけど、兎に角突き詰めまくっていてよかった。何よりこの本を読んで良かったのは、ケアとかサポートが資本主義の中だと軽んじられてしまう(=生産的でないとされる)ことへの反論の箇所を読めたこと。...続きを読む同じ考え方で、私よりクリアにそのことを書き表してくれている人の表現を見てスッキリ。激しく同意です。
自分は男性だが、男性とのコミュニケーションのときにホモソーシャル的なやり取りにうんざりすることが多いと感じていた。だが、同時に自分のなかに時折マチズモめいたものが頭をもたげる瞬間も感じるときもある。 以前読んだグレイソン・ペリーの『男らしさの終焉』を読んだときは自分ごとに感じつつも著者がイギリス人...続きを読むで、これは自分も同意するなと思う部分もあれば、これは日本では感じないかも、という部分があって、日本人男性向けの”(有害な)男らしさ” についての本があったらなー、なんて思っていた。 本著はまさにその日本人の男性向けに男性視点から書かれた著作(聞き手は女性である)で、自分もよく見たり聞いたり、体験する話が多かった。 ここに記されている話題自体は比較的よく目にする耳にする話ではあるのだが、それでも意識的にならないと変わらない。自分も反省する部分や、改善していきたい、アップデートしたいと感じる部分が出てきた。
・自分の感情や体験を言語化することに慣れていない男性が多い ・そもそも男性同士の友人間コミュニケーションでも自分に関することの話は少ない。いじる/いじられる、片方が優位に立つコミュニケーションが多い ・加害は日常と地続き。暴力というほどではないが抑圧され支配されていた日常の経験から地続きにある。自分...続きを読むが抑圧される側だったときは嫌だと感じているはずなのに再生産してしまう ・ケアは(資本主義からみて)生産的ではない、というのは間違い。人間という資本のケアであり究極的に生産的と言い切ってくれるのは気持ちよかった。その通りと感じた。 ・非モテ=未達感。本来は女と付き合って一人前、仕事して一人前、という理想に囚われているがそれに到達していない自分の足りてない感 ・マジョリティは何かの原因を自分以外に押し付けることかできる特権 ★時間がなく急いで読んでしまったが良い本だった。女性の私が感じる疑問は澁谷さんが代弁してくれるのがわかりやすく、理解が進みやすかった。 自分の男友達を思い浮かべてもそのとおりだなーと思い当たることが多い。 構造としての男中心社会は間違いなくありそれは崩していくべきと思ったが、構造の課題が見えているからと言って男はこう!原因はこれ!と決めつけることなく個人を見ていくことが大切と感じた
この本を読む前にたまたま、セジウィックの「男同志の絆イギリス文学と~」という本を上野千鶴子さんがTVで取り上げているのをたまたま見ていた。その番組で作られた社会のシステムのようなものを取り上げていて、なるほど、と思って見ていたのだが、全部読まなくてもセジウィックが書いた男社会の仕組みのようなものを、...続きを読む知っておくのは良いことだと思った。 その上で、この本を読むと、問題の根深さは相当に深刻である。というのも、これでは、人と人との結びつきのきっかけのなかにそもそも問題があって、それを意識できるかできないかが影響するからだ。社会そのものの作りは、空気のように透明で、そうと思わなければ意識できない。意識したとたんにそれは内向しもはやそれは傷である。そして、わかるかわからないかは、その人の感性により、言語化できなければ、傷つきながらまわりを傷つけることにもなるのである。この世に生まれ落ちたとたん何の前知識もなく人間関係にさらされ、刷り込まれる人間関係である。読む前に、実はもっとやわらかい読み物と勝手に思っていたのだが、内容の詰まった本でおそらくフェミニズムで語られることの問題の裏からの問題の見方に重なるところも多い。
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どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと
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