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私たちが暮らすこの社会は、そもそもどんなふうに生まれたのか。社会の形成・維持に不可欠なルールが、現にこうして守られているのはなぜか。政治秩序の正しさは、誰がどう判断すべきなのか。社会契約論とは、そんな素朴な問いを根源まで掘り下げて考える試みである。本書では、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読み解きながら、この近代の中心的思想に新たな息吹をふき込む。今までにない視点から世界の成り立ちが一望できる、清冽な政治思想入門!
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年01月06日
社会はどのように生まれたか?
社会の秩序はどのように維持されるか?
社会契約論は、「社会は神や自然ではなく人間が作るものである」という前提に立ち、既存の秩序や慣習によらずにこれらの問いに答えようとする理論である。
ホッブズが想定した「万人の万人に対する闘争」という自然状態では、各人は何をしても誰...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月18日
それまで、国家と個人の適切な関係を根拠付けるものとして論じられた社会契約を、今の時代に即して資本主義社会・国際環境と個人の文脈で理解しようとする。
普段、社会契約論が私たちの胸に響くほどの理解を及ぼさないのはそれがあくまでも思考実験の産物だからであり、実際に私たちも私たちの祖先も社会契約を結んでい...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月30日
ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの思想を読み解きながら、社会契約論の思想とその意義について考察をおこなっています。
ホッブズに関しては、自然状態から社会契約に至るプロセスにまつわる「ホッブズ問題」が取り上げられ、続くヒュームの章では、「コンヴェンション」によって社会契約論を批判したヒュームの思...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月19日
なのだ調で書かれているけど、女性らしい靭やかでユーモアのある文体になっていて、硬い内容もわりと読みやすく感じる。
ルソーが知りたくて読んでみたけど、ルソーの部分は少ないし難しかった。漠然と論説を追うことはできても意図まではなかなか。けど、有名な割には他の思想家に比べて無鉄砲で粗野な印象。やっぱりた...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月17日
「社会契約」というヨーロッパ社会の基礎となった(今もなお、なっている)概念をホッブズ、ルソー、ヒュームなどを通して考察する。著者が問題にするのはこの概念が含む本質的な矛盾で、「何も失わずに新しく何かを得る」という特質である。この特質を著者は「わからない」と言い切る。しかし論理思考ではわからないという...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月04日
社会契約論の系譜を辿り直し、
現代社会の原則をそこに見出すことによって、
現代社会の批判とはいかなるものでありうるのかを示そうとする。
最近の研究者には珍しく、
単なるテクスト読解を離れて、「思想」として一貫して読むという姿が見られる。
しかし、ルソーやその次のロールズに至って、
「一般」というこ...続きを読む
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