作品一覧

  • えーえんとくちから

    えーえんとくちから

    小説・文芸

    4.2
    1巻770円 (税込)
    「えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい」「「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい」──この世界への鋭敏で繊細なまなざしから生まれたやさしくつよい言葉たち。彗星のように短歌界にあらわれ、2009年、惜しまれながら二十六年の生涯を閉じた夭折の歌人のベスト歌集が没後十年を機に未発表原稿を加え待望の文庫化。

ユーザーレビュー

  • えーえんとくちから

    Posted by ブクログ

    2009年、26歳で亡くなった歌人・笹井宏之さんの歌集。物・動物・人といった垣根を越えた、全てを優しく慈しむような繊細な・ユニークな感じの短歌がギュッと詰まった一冊。命・輪廻・存在、そんな事を感じる。生活の中の、見逃してしまいそうな瞬間を言葉で切り取り「あぁ、そうだよねぇ。大事だよねぇ、それ」というきらめきに気付かせてくれる。例えば

    それなりにおいしくできたチャーハンに一礼をして箸をさしこむ

    という歌。日常の中で何気なく通り過ぎてしまいそうなこういう瞬間。そこに目を向けて感情・質感共に一つの歌にする、すごい。世界には、その人にしか気付かない素敵な瞬間が沢山あるのだろうな。

    午前五時 すべてのマンホールのふたが吹き飛んでとなりと入れ替わる

    こんなのも、考えもしないけれど、こう歌で触れてみると、なんだかそんな事があってもいいような、むしろそれが事実なような、そんな気がしてくる。

    世界は、面白い。

    そして収録されているエッセイ『色彩言語/芳香言語』がまた素晴らしい。「ことばにも、色や匂いがある」そしてそれはその時の心情やなんかによって姿を変えていく、というこの感じ。これは言葉を声に出す際にもあるよなぁ、と感じた。朗読講座とかやる時に「言葉にふさわしい音感・質感」という話はよくするのだけれど、そのふさわしさも、同じ言葉でも文脈・表現意図によって変わってくる。そういう感じをギュッと言葉にしてもらったようで、ありがたいなぁと感じた。

    巻末の解説は歌人の穂村弘さん。解説まで面白い、豪華な一冊。

    0
    2026年10月15日
  • えーえんとくちから

    Posted by ブクログ

    「ペーパードライブ」を聴いて改めて。同様の読書会はいつか絶対やろう。
    ①「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい
    ②食パンの耳をまんべんなくかじる 祈りとはそういうものだろう
    ③美術史をかじったことで青年の味覚におこるやさしい変化

    0
    2026年08月29日
  • えーえんとくちから

    Posted by ブクログ

    ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください。この作品の中でも特に大好きな歌。
    私よりもずっと若くして亡くなった笹井宏之さんに見えていた世界は、どんなものだっただろうと再読するたびに考える。

    0
    2026年07月31日
  • えーえんとくちから

    Posted by ブクログ

    読んだことないタイプの短歌だった。とても軽やかな感受性で自由。絵本の世界の中のようでした。どのような発想で思いつくのだろう。すごくよかった。

    0
    2026年07月20日
  • えーえんとくちから

    Posted by ブクログ

    夭折の天才歌人・笹井宏之さんのベスト歌集。笹井宏之短歌賞に歌を出すにあたり、一冊も鑑賞しないのは大変失礼にあたると思い、長い積読から解放しました。本書を読む前は、笹井宏之短歌賞に選ばれるような、笹井さんみたいな透明度の高く不思議で、それでいて本質を突いた短歌が詠みたいと思っていました。実際に本書を読んでみて、笹井さんは26歳という短い人生の中で笹井さんの歌を詠まれたのだから、私は私らしく短歌を詠んだら良い。たとえ賞には選ばれなくても。そんな、悟りとも自己欺瞞ともつかない感想を抱きました。本書に出会えて良かったです。

    0
    2026年06月13日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET