笹井宏之のレビュー一覧

  • えーえんとくちから
    元気がないときに読んだ。
    しずかで透きとおった言葉がならんでいて、これからもくりかえし読んでいきたい本です。
  • えーえんとくちから
    気になった歌に付箋つけたら「だらけ」になるし、だんだんと好きな基準がわからなくなってくるし、イメージの奔放さに刺激を受けて周囲の情景が短歌に変貌してくるので何度も立ち止まってしまうし。読み返したら、もうほんとんどの歌に付箋付けてしまいそう。


    冬の野をことばの雨がおおうとき人はほんらい栞だと知る ...続きを読む
  • えーえんとくちから
    永遠解く力?永遠と口から?タイトルへの違和感から始まる。
    フィクションが短歌になるとノンフィクションめく感覚が楽しい。
    生活で使わない言葉が出てきて、新鮮でハッとする。
    言葉に色、重さ、強さ、香りがあることを教えてくれる。
    優しい刺激が心地いい。
    日々鈍感に生きる我々を突き刺すように、筆者の鋭い感性...続きを読む
  • えーえんとくちから
    笹井宏之さんの生涯は26年でした。
    Wikipediaによると、インフルエンザからくる心臓麻痺で亡くなられたとのことです。
    宏之さんは長らく身体表現性障害を患っておいででした。
    病名すら、初めて目にした私です。

    穂村弘さんによる『短歌のガチャポン』の解説で、
    「えーえんとくちからえーえんとくちから...続きを読む
  • えーえんとくちから
    とてもとても好きな歌集だった。
    ひとつひとつの言葉に生命力を感じる。
    生活や、 世界の端々のちいさなものたちが呼吸をする感
    覚。
    読むほどに、胸が詰まって、 喉の奥から悲鳴のような喜び のような感嘆のような 「ああ」 が零れそうになった。
    詩やエッセイも、 軽やかで美しく、静かな朝の、 青白い台 所...続きを読む
  • えーえんとくちから
    26歳という若さで亡くなった歌人「笹井宏之」さんの没後に刊行された歌集。病魔に苛まされながら紡がれた歌のひとつひとつには笹井宏之さんにしか詠めないと感じるほどの祈りに似た光があると感じた。

    最後の方にはエッセイや俳句、詩もあって多彩さ、それだけにもっと作品を見たかったという悔しさ、ただ、この儚い人...続きを読む
  • えーえんとくちから
    不思議なタイトルで凄く気になってました。
    多くの皆様の素晴らしいレビューにも心惹かれた本です。
    ありがとうございました。

    『えーえんとくちから
    えーえんとくちから
    永遠解く力を下さい』
    何度も読んでみました。いつもは黙読なのですが、
    音読もしてみて読んでみました、何度も何度も。

    祈り...続きを読む
  • えーえんとくちから
    初めて歌集を手に取った。書店で見かける度に、ずっと気になっていたタイトルの本。
    言葉の選び方が優しいなぁと感じる。時折見える寂しさも温かさになるような。陽の光に透ける彼の瞳もきっと透明なんだろうか、などと想像してしまうほどに透き通った言葉たち。

    本を開く度に、気になる歌が変わる。その時の自分の調子...続きを読む
  • えーえんとくちから
    『えーえんとくちから』

    『永遠解く力を下さい』

    解説の穂村弘さんは、「口から飛び出した泣き声」とも見えたと書いてあったが、私は、「口から絶えず何かが出続ける」イメージに見えて、それだけ表現したいものが絶えず、胸の内から湧き出しているのかと思っていたが、強ち、間違いでも無かったと読み終えた時、痛感...続きを読む
  • えーえんとくちから
    「いつかきっとただしく生きて菜の花の和え物などをいただきましょう」

    正しい人生、ってなんだ?と脳裏をちらつく問いに対して、菜の花の和え物などをいただくこと、と答えてくれて、なぜか腹落ち。
    すっげー正しそう、菜の花の和え物などを食べてる生活。

    素敵な短歌がいっぱい。
  • えーえんとくちから
    笹井宏之さんの短歌は瑞々しい。でも、口にしたらあっさり溶けてしまうような感じもする。まるでふわふわのかき氷みたい。

    《ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくしあわせでした》

    幸せの頂点ってきっと孤独で寂しいものだ。目指してのぼる時が一番楽しい。笹井さんの歌はそういう諦念からくる世界...続きを読む
  • えーえんとくちから
    表題作、
    『えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい』
    この響きの不思議さに一発で射抜かれた。

    えーえんとくちから?
    えーえん と くちから?
    永遠 解く 力?

    音の響きから想像したイメージと、
    永遠解く力、を見て想像したイメージと、
    解説まで読んで想像したイメージと、
    全部全く違...続きを読む
  • えーえんとくちから
    笹井宏之さんの歌集は、第一歌集『ひとさらい』から、『てんとろり』『八月のフルート奏者』と順に読んできましたが、この『えーえんとくちから』はベスト歌集であり、この文庫版にはさらに未発表のエッセイ、俳句、詩なども新たに加えたものだそうです。
    笹井宏之さんの歌集を何か一冊だけ読んでみたいと思われる方には一...続きを読む
  • えーえんとくちから
    わたしとあなたとみんなのいろんなものへの自然な同化
    かなしい、さびしい、さよなら、と堂々と詠まれていても違和感を感じないような文体や世界観
    とんでもなく広くて深い感情、力を感じれました
  • えーえんとくちから
    笹井さんにとってバンドはボーカル(私)ではなく、光を浴びない影の役目のドラムなのだ。(私)というものが表層化するときかならず溢れる人がいる。笹井さんはそれを見逃さず、近代の短歌、現代詩ではゼロ年代の(私化)を違う角度から光を与えてる。短歌やあとがきを読むだけで笹井さんはきっと慈愛に溢れた人だったんだ...続きを読む
  • えーえんとくちから
    最近読んだ歌集で1番好きかもしれない。
    穂村弘よりすき。
    感性に共感できる歌はとても共感できるし、
    意味わからない歌も、わからない理解できないけどなんかいいなって思ってしまうものが多かった。

    えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力をください
    めっちゃ謎の魔力あって頭の中でループしてる。
  • えーえんとくちから
    歌集。未発表の俳句と詩も含まれる。
    喫茶店に置かれていて、手にとってめくったらもうこころ惹かれてしまった。透明なあかるさと隠れながら対比される影、そんな抽象的事象があるとしたらきっとこの本があてはまると思う。
  • えーえんとくちから
    言葉の美しさと、立ち上がる情景、視点が行き来して、ふわっと広がる世界に魅了されました。

    読み返すタイミングで見えてくる情景が変化してきそうな、繰り返し読みたい歌集でした。
  • えーえんとくちから
    NHKの番組の中で触れられていて、興味を持ちました。
    まず、タイトルに心がつかまります。
    『えーえんとくちから』って何?!
    私の頭にまず浮かんだのは「永遠と口から」何かが溢れ出すイメージでしたが、全く違った。
    「永遠解く力」でした。

    若い感性に溢れた、瑞々しさのある作品集でした。
    ことばの力、を感...続きを読む
  • えーえんとくちから
    笹井さんは過去に見かけた
    「千年の眠りののちに語られる世界がやさしくあるための嘘」
    の歌が印象に残ってて、最近他の人に紹介されてていいな〜って思った歌の作者がまた笹井さんだったから、これはもう歌集買ってみよー!っと思い手にとりました。
    まだパラパラとしか見てないけど
    「切れやすい糸でむすんでおきまし...続きを読む