笹井宏之のレビュー一覧

  • えーえんとくちから

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    以前、Eテレの「理想的本箱」で紹介されていた
    笹井宏之氏の『えーえんとくちから』を再読。

    「えーえんとくちからえーえんとくちから
    えいえんとくちからをください」

    初めて聞いた、呪文のような言葉。
    何言ってるの?と、
    テレビの画面の方に振り返る。
    えーえんとくちからえーえんとくちから‥
    本当に呪文みたい。
    そしてその謎の言葉が、解説によって
    漢字変換され、"永遠解く力"だと、
    ようやく分かる。
    「えーえんとくちからえーえんとくちから
    永遠解く力をください」

    26歳という若さで生涯を閉じた、歌人
    笹井宏之氏のベスト歌集の文庫本。

    「はなびら」と点字をなぞる 
    ああ、これは桜の可能性が大きい

    ねむらないただ一本の樹となって
    あなたのワンピースに実を落とす

    葉桜をめでゆく母がほんのりと
    少女を生きるひとときがある

    ゆびさきのきれいなひとにふれられて
    名前をなくす花びらがある

    ひとりでにりぼんむすびになっていた
    ひもの痛みの、はかりしれない

    戦争が優しい雨に変わったら
    あなたのそばで爪を切りたい

    きれいごとばかりの道へたどりつく
    私でいいと思ってしまう

    花束をかかえるように猫を抱く
    いくさではないものの喩えに

    これ、短歌なんだよね、と、改めて気付く。
    どの句も瑞々しく、痛々しいほど繊細で優しい。
    26歳という若さからの美しい句なのか、
    今だったらどんな句を詠まれただろう。
    そんな事を、この歌集を読むたびに思う。

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    2025年06月19日
  • えーえんとくちから

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    笹井さんの当時の状況を知ったことでよりそれぞれの歌に情景が浮かんでくるようで、切なさを感じつつもやさしい語り口に心を落ち着かせられる。好きと思う歌についてここが好きとか語りたい気持ちと、自分の平凡な言葉で表したくない気持ちがせめぎあう。せっかくやさしい言葉に触れたので、難しいことは考えずに好きな歌を残しておくことにする。

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    手のひらのはんぶんほどを貝にしてあなたの胸へあてる。潮騒

    この星に消灯時間がおとずれるときも手を繋いでいましょうね

    切れやすい糸でむすんでおきましょう いつかくるさようならのために

    ばらばらですきなものばかりありすぎてああいっそぜんぶのみこんでしまいたい

    暮れなずむホームをふたりぽろぽろと音符のように歩きましたね

    きれいごとばかりの道へたどりつく私でいいと思ってしまう

    本棚に戻されたなら本としてあらゆるゆびを待つのでしょうね

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    2025年06月03日
  • えーえんとくちから

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    ネタバレ

    某書店のほんぶくろフェアで購入。

    「とてつもないけしごむかすの洪水がくるぞ愛が 消されたらしい」
    たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し 繋がる

    好き、というかハッとした。こう、薄く広がっていく愛みたいなのがいい。

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    2025年04月26日
  • えーえんとくちから

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    ネタバレ


    チャプターズで穂村弘が好きだと言ったら選書されて読んだ本。
    正直短歌の読み方はまだまだつかめていないし、最後の解説も難しかったけど、寝る前に数ページぱらぱらと読んで、少し口角の上がる好きなものは口に出して読んでという進め方はとても心地よかった。

    くちぐるまに乗ったカップルが高速乗ってる詩も好き。

    好きだった短歌

    それなりにおいしくできたチャーハンに一礼をして箸をさしこむ

    寒いねと言ふとき君はあつさりと北極熊の目をしてみせる

    レシートの端っこかじる音だけでオーケストラを作る計画

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    2026年09月23日
  • えーえんとくちから

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    2026/7/26
    短歌は難しい…笑
    でも、ところどころに共感する歌が出てくる。
    1番共感したのは
    「切れやすい糸でむすんでおきましょう いくたくるさようならのために」
    という歌。
    別れや、幸せな時間の終わりがどうしても見えてしまって、その時を全力で楽しめないという矛盾。
    私にも覚えがあるなぁ。

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    2026年07月29日
  • えーえんとくちから

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    この短歌集を読んで、短歌って音楽と似てるんじゃないのかなって思った。ああなんかこの文キレイだなあってただ文のメロディを感じることもあれば 文の連想性だったり共感性だったり歌詞に惹かれることもある。
    抽象的な短歌も沢山あって今の自分には理解できないものもあるのでまたいつか読み直したい

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    2026年04月24日
  • えーえんとくちから

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    「えーえんとくちから」という題名を見て、どんな意味なんだろうといろいろな言葉に置きかえて想像しました。今日やっと読むことができ、ああそういうことかと。短歌というものにあまり触れたことがないので新鮮でした。自然の表現がいいなと思いました。

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    2026年01月27日
  • えーえんとくちから

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    笹井さんが書かれる言葉には、色があって、温もりがあって、匂いがあるような気がする。

    パキッとした原色ではなくて、淡い水彩画のような色を纏っている。
    ひらがなにはひらがなの、漢字には漢字の色がついていて、さわりごごちがある。

    えーえんとくちから
    永遠解く力

    子どもの目がみるえーえんと、成長した自分が見る永遠と、その2つは違うもので、でも一本の線で繋がっているものだ。詩を読んで、そう感じた。

    笹井さんの世界には、空気にも触感がある。強烈な個があるわけではなくて、私というくっきりとした輪郭があるわけでもない。でも、色があって匂いがあって温もりがあって触感がある。

    えーえんとくちから、わたしにもください。

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    2025年09月05日
  • えーえんとくちから

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    思いの外、知っている歌が多くて驚いた

    知らず知らずのうちに、笹井さんに何度も出会って生きてきたんだなあ

    ぼんやりしていたのがはっと我に返るような、そんな気持ちになる歌が多い

    好きな歌を書き留めようと思ったけど、あんまりたくさんあったので諦める

    初めて笹井さんに出会った本は覚えている
    『桜前線開架宣言』
    この本も好きな歌が多くて、この時はせっせと書き溜めた

    ◇ 「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい
    ◇ 君の目の水平線を染めてゆく太陽というさみしい組織

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    2025年08月26日
  • えーえんとくちから

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    初期の作品はピュアで瑞々しい。
    それが次第に諦念とも取れるような歌に。
    私にはちょっと前衛すぎる(要は意味わからん)かな…という歌も多かったけれど、この人の今でなければできなかった作品群なのでしょう。

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    2024年09月27日